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2019/02/23
むかしに来日したフランスの友人のために旅行計画をした時には、宿選びで失敗もしました。到着してから、ここには泊まれないと宿を出たことが2回あったのです。宿に到着するのは夕方なので、それから別の宿を探すのは大変...。

今回はそれをやりたくないと思いました。「来日したフランス人たちと泊まる宿泊施設選び」で書いたように、インターネットで詳細に至るまでチェックして選んだ宿は、どこも良かったと思っています。

一か所だけ、外国人が嫌いなのだろうとしか思えない宿坊がありましたが、我慢しました。感じが悪いことを言われると腹をたてたのは私だけで、フランス人たちには私がなんだか機嫌が悪いくらいしか分かっていませんでしたので。

旅館に泊まったときのフランス人たちには面白い反応があったので、記録しておきます。

シリーズ記事フランスから来た友人たちの日本滞在記目次へ
その5


寝室なのに、寝るところがない!

気がついてみると、日本の旅館はそうなのですよね...。



初めて旅館を体験した友人の中には、部屋に案内された時に戸惑った様子を見せた人がいました。

美しい畳敷きの部屋には、中央にテーブルが置いてあって、そこに座布団が置いてある。でも、何処で寝るの~?! 部屋の中を見回っていたので、スイートルームのように別に寝室があるのかと探していたのだろうと思います。

何処で寝るのかと聞かれて、初めて気がつきました。泊まることになった部屋に入って寝る場所がないのは、世界中で日本だけかもしれない...。

夕飯を食堂で食べている間にこの部屋に布団を敷いてくれるのだ、と説明しました。本当にそうだったので、1回の経験だけで納得。

でも、やはり宿に到着したときに入った部屋に寝床が無いのは不便だ、と思われたように感じました。

ある日、とても疲れていた友人がいたので、夕方を待たずにチェックインしたことがありました。本人もほっとした様子。ところが、案内された部屋に入ったら、横になって休むことができないことを思い出したのでした。

私だったら、座布団を並べて寝る、あるいは押し入れから布団を出して昼寝します。そう勧めたのですが、乗り気になりませんでした。フランスでも寝具を整えることは日常的にしているけれど、寝床を始めから自分で作るというのには抵抗があったからなのでしょうね。

日本人だったら、横になって休めないなら、旅館の大浴場に行ってのんびりすると手もあります。それも勧めたのですが、午後3時ころに風呂に入る気にならないらしい...。

自分の部屋に入ったのに、休息できないというのは困ったことです。

これは別に書こうと思っているのですが、フランス人たちは床に座るのは耐えがたいらしいのです。畳の上に直に座ったらかえって疲れてしまうらしい。それで、窓際にある、それほど座り心地が良くもない椅子に座っていました。

この日の後は、いくら疲れていても、早く部屋に入って休みたいとは言わなかった...。


布団で寝ると、日本に来た感覚を味わえるらしいけれど...

旅館や民宿に泊まる日が続いたときで、布団で寝ていて大丈夫かと聞いたら、全員が全く大丈夫と返事していました。

初めて布団で寝たときには「日本に来た~♪ 」という感激を味わったようでした。Futonという単語はフランスでもかなり知られているのです。

パリで歩いていたとき、「Futon」と大きく書かれた看板が出ていた店を見たこともあります。日本文化に憧れて布団で寝ているフランス人もいるのでしょう。

そういう店の中には入ったことがないので、何処だったかと調べてみたら、futonを扱っている店はかなりあるようでした:
タウンページで、パリ周辺で布団が買える店を検索した結果

でも、フランスでも知られるようになった futon はコットンのマットレスというのが健康志向の人に喜ばれるのかもしれない。ネットショップでは、ベッドにしてfutonを売っていました。
 Lit futon

「せんべい布団」というのは、フランスでは知られていないのだろうと思ったのですが、よく見れば台座にはマットレスの部分がありました。でも、こんなのを「futon で寝る」とは言って欲しくない! 


まともそうな futon も、フランスのネットショップでは売られていました。


Combinaison 2 Tatamis (80x200x5,5cm) futon en Coton (140x200x13cm)

こんな寝室をフランスで作ったら、変態! と言いたくなるけれど...。でも、アイディア商品なのでした。フランスの家屋には押し入れがないので、布団を畳んだらソファーになる(その状態も見せています)。

フランスの民家には「chambre d'amis(友達の寝室)」と呼ぶ部屋があるのですが、泊める人がいなかったら入ることもない無駄な空間です。こんな風にすると、我が家には和室がありますと自慢する部屋として使って、泊める人がいたらベッドにする。日本的な機能性をもたらすアイディアなのでしょうね。

このアイテムで私が注目したのは、畳を置くことで床から少し高くしていることでした。

畳まで敷くのは行き過ぎとしたのか、こんな商品もありました。


Cadre de Lit en Bois Style Japonais Tatami 160 x 200 cm

こちらは畳の代わりに木枠。でも、商品名には tatami の文字が入っていている。

床に布団を敷いただけでは満足できないのですね。でも、土足で入る部屋では、そのまま床に布団を敷きたくないのは理解できます。

そこまでして布団に寝たいという消費者がフランスにいるとは驚きました。私には違和感がある寝床ですが、日本に入っている「これがフランス!」というのにも違和感を感じているので、商売に使われる異国文化は、そういうものなのでしょうね...。


ところで、フランスの友人たちにはできるだけ日本にいる雰囲気を味わわせたかったので、彼らの宿としては主に和室を選んでいました。でも、たまにベッドが入った洋室にした時は、ぐっすり寝られてと喜んでいました。私自身も、そう思った!

旅館や民宿の布団が薄い時には、押し入れに入っているマットレスを出して重ねていました。夕食のために部屋を出てから忘れ物を取りに行ったとき、女性二人が床をしつらえているのに出会ったことがあります。マットレスを2枚敷いてくれないかと頼んだら、全くOK。あらかじめ宿に言っておいたら、そうするのだと教えてくれました。

日本がすっかりお気に召したパリ在住の女性は、ブルゴーニュに持っている別荘に、鳥居の入り口を作って、家の中にはフトンの寝室を作って... など、ご主人に語っていました。

本当にやるとは思いません。ご主人の反応は乗り気には見えなかったので。


日本滞在は巨人体験になる?

フランス人は一般的に大柄ではありません。本人たちもそう思っているはず。

でも、やってきた友人の中には、身長が180 cmはある男性がいました。本人がフランスにいる時は特別に背が高くて困ることはないと思うのですが、日本ではあちこちで頭をぶつけないように注意しているので気の毒でした。

旅館の部屋に用意してある浴衣は小さすぎる! 痩せているように見えるフランス人でも横幅と奥行きがあるので、着丈が短くなってしまうのかも知れない。

日本の旅館では浴衣のまま歩いて良いのだし、温泉街なら外にも出ます。それが面白いと感じるだろうと思って教えたのですが、そうもいかない人がいる。小さ過ぎる浴衣を着ると、人には見せられないほど滑稽な姿になるのでした。

友人たちと始めて旅館に行った日には気を遣ってあげなかったのですが、旅館に頼むと大きいサイズに代えてくれるのでした。親切な宿では、2通りのサイズを渡して、着てみて決めるように言ってくれました。一度使ってしまったらクリーニングに出すわけなのですけど、そんなケチな根性はないらしい。


旅館で出す浴衣のサイズがどうなっているの?



どのサイズを頼んであげれば良かったのかと調べてみたら、女性用は「大(L)」で166~174 cm、男性用は「特大(LL)」で174~182 cmですね。

特大以上はないのかな。もっと背が高い国の人たちはどうするのだろう?...

宿では、「大」の浴衣はたいていありました。「特大」は、有るとは限りませんでした。


ところで、教えてあげないと彼らは浴衣の着方が分からないらしいのでした。でも、浴衣などを私は無意識に着ているので、人には教えられません。気付いてみると、結構ややっこしい。

男性に帯はお腹の下で締めるのだと教えていたら、それを見ていた女性も真似するので、女性は胸とオヘソの間で閉めるのだと訂正。着物には男前と女前もあるけれど、それは教えませんでした。どっちだって、自分が心地よい方にすれば良いのですから。

日本の旅館では浴衣のままで歩いて良いのだと言ったら、すぐにそうする人もいましたが、始めの3日間くらいは浴衣では出てこない人たちもいました。それでも、皆が浴衣姿でいるのに自分たちだけ洋服を着ているのは居心地が悪いらしくて、浴衣姿で食事に出てくるようになりましたが。

着物姿になるのを気恥ずかしく思っているらしい友人もいましたが、人それぞれでしょうね。日本に住んでいるフランス人の中には、どうだ見事に着こなしているだろうと言いたげに着物を着ている人たちが何人もいますから。


日本ではプライバシーの侵害が多いけど...

こんな記事にぶつかりました:
外国人が震える旅館の実は怖い「おもてなし」 -プライバシーがダダ漏れ過ぎる問題

旅館の入り口に掲げられる「歓迎、○○御一行様」を批判しています。何も外国人に気を使って止めた方が良いということはなくて、むしろ日本人にこそ迷惑だと思うのですけれど。



日本料理屋でもやる所がありますが、それを見ると私も引っかかっていました。組織の名前が書いてあると、こんなに高そうな所を使うの? などと思ってしまったりするので。政治家が利用する時には出さないのでは? バレたら困ることが多いでしょうから。

確かに、日本はプライバシーの侵害と言えることを平気でやる、と何かにつけて感じています。通訳をしていて、そんなことを聞いたら失礼だから止めて欲しい、と思った日本人は数えきれないほどいました。

ところで、上にリンクした記事によれば、旅館側は「お出迎え看板」を「これこそ日本の "おもてなし" 」と胸を張って言ったのだそう。名前が出ていると誇らしくて喜ぶ日本人がいるから、そういう風に自信を持っているのかな?...

今回の友人たちとの旅行では、1回だけ歓迎看板が出た宿がありました。でも、予約の時に、看板には何と書くかと聞いてきていました。そうすべきだと思います。拒否することもできるのですから、それなら問題はおきないです。

私は予約した私の名前を大きく書いたものなどは出してもらいたくないので、友人のうちの一人が大好きな18世紀の人物の名前を書いてもらうことにしました。自分はその英雄の生まれ代わりだと思っている人なのです。

彼らが見て分からなければ面白くないので、アルファベットで書いてくれるように頼みました。そういう細工をしたのは友人たちには内緒にしておいて、宿に到着したときに「あそこを見てごらん」と言いました。やたらに長い名前なのですが、ちゃんと筆で書いてくれていました。本人は大いに喜んで、大きな張り紙の前に立って記念撮影してもらっていました。

旅館の部屋の入り口に、予約した私の名前を書いた張り紙が付いていることは何度もありましたが、気にはなりませんでした。歓迎看板のように無関係の人が見るわけではないし、部屋の張り紙は苗字だけでしたので、そうプライバシーの侵害にはなりません。

むしろ、自分の部屋がすぐに分かるので、私には便利でした。旅館の部屋の名前は番号ではなくて「○○の間」というように、覚えにくいのですもの。私の部屋が何処なのかは友人たちに知らせておいた方が良いと思って、私だと分かる絵を張り紙に描き加えたりしました。


フランス人たちが旅館に泊まったときには、食事の問題もありました。それを次回に書きます。

続く

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