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2017/10/22
フランスで短い旅行に出るときには、できるだけ避けた方が良い曜日があります。


車で旅行するときに避けたい曜日

フランス人の4人に1人はパリ首都圏に住んでいますので、彼らの動きに気をつける必要があります。

その1
金曜日の夕方から土曜日にかけて、パリから地方に向かうのは避ける

パリに住んでいる人が農村で週末を過ごそうとして出かけるので、道路が渋滞するからです。地方からパリに向かう分には全く問題がありません。


その2
日曜日の夕方に、地方からパリに向かうのは避ける

田舎で週末を過ごしたパリの人たちがパリに戻るからです。


その3
週末の動きのように注意しなければならないのは、ヴァカンスシーズンも同様です。パリの人たちだけではなくて、多くの人たちが旅行をするために渋滞が起きるのです。

特に7月と8月が顕著。なぜか、区切りが良いように1日に出発する人が多いような気もするので、その時を避ける。テレビでは高速道路の渋滞注意報をするので、それを参考にします。


車で旅行するとき、日曜日は快適

パリ首都圏の人たちがどの方向で移動するかというのを別にすれば、日曜日の道路は渋滞が少ないというメリットがあります

フランスの高速道路では、大型トラックがたくさん走っています。3車線でも、トラック同士で追い越しをされると時間がかかるので、非常に迷惑。



ところが、日曜日には、高速道路にトラックの姿はないので、非常にスムーズに走行できます。冷凍食品の運搬など、特殊な場合には走行が許される特例を除けば、トラックは走れないという法律があるからです。

日曜日にはトラックがいないと書いたのですが、正確にはどうなっているのか、調べてみました。

トラックが走行禁止の日 禁止時間
土曜日
祭日の前日
22時から24時
日曜日
祭日
0時から22時
祭日でもある土曜日
祭日の前日に当たる日曜日
0時から24時 


バカンスシーズンの土曜日に対する走行規制もありました。2017年の場合は、7月29日、8月5日・12日・19日・26日。アルプス山脈があるローヌ=アルプ地方では、ウインタースポーツの時期の5週間の土曜日が走行禁止なのだそう。

ただし、パリ首都圏のイル・ド・フランス地方では、また別の規制がありました。ややっこしいのだ...。


美味しい料理を食べたいときには、曜日に気をつける

まず、土日と祭日を避けられると、ミシュランの星を持つようなレストランでも、平日ランチメニューを食べられるのでお得。

平日ではないときには予算をあげておく必要があるわけですが、日曜日にはオープンしていない店が多いので注意が必要です。

フランス人たちは、週末には田舎に行ってのんびりする習慣があるからだろうと思うのですが、大きな町の目ぼしいレストランは、日曜日を定休日にしていることが非常に多いです。

ほとんど100%は閉まっている、と思った方が良いくらい。例えば、パリで3つ星を持つレストランの定休日を調べてみたら、日曜日にも開いているのは、超高級ホテルの中にあるレストラン1軒だけでした。



田舎では日曜日でもオープンしていることが多いのですが、評判の良いところは予約で満席になってしまうので、早くから予約をしておく必要があります。

それから、夫婦だけで働いている田舎の小さなレストランでは、水曜日を定休日にしているところも多い感じがします。

これは学校が休みのときには子どもと一緒にいたい、ということのようです。最近では水曜日の午前中には授業をするようになったようですが、以前から水曜日を定休日にしていたのは変えないのかもしれない。

さらに、日曜日にオープンしている店では、それを補うために月曜日を定休日にしていることが多いので、月曜日にもレストランを見つけるのは難しくなります。



少し前に1泊2日の旅行をしたのは日曜日から月曜日にかけてだったので、レストラン探しに苦労しました。

でかける前にレストランを探して予約しておけば良かったのですが、400キロくらい車で走って目的地に到着する旅行だったので、昼時にどのあたりにいるか分からないので、あらかじめ予約を入れるのは避けていたのが悪かった!

旅行中の2日間に美味しい料理を食べるのは諦めるしかない、と思ったのでした。その時のことを続きで書きます。

ブログ内リンク:
★ 目次: 旅行したときに書いたシリーズ記事のピックアップ

外部リンク:
☆ Bison Futé: Véhicules lourds 2017 - Calendrier des interdictions particulières de circuler
Interdictions de circuler des poids lourds



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2017/09/04
最近、テレビの番組で映し出されるバスク地方やピレネー山脈の美しさに惚れぼれしています。


Besiberri en Catalogne : paysage typique avec petit lac et vallée suspendue

ピレネー山脈は、アルプス山脈より美しいと思う。アルプスは観光地化され過ぎているし、人間の手が入り過ぎていて、自然の壮大さを余り感じないのです。

ネパールを旅行してヒマラヤを眺めたときには、この山には神秘的に感じさせる何かがあると感じたのですが、ピネレーも似たものを感じます。

バスク地方は、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまでフランスから旅行した途中で少し観光しているのですが、テレビで映し出される雄大な風景は見ていません。最近は大きな旅行をしなくなったのですが、旅行をたくさんしていた時代に、バスク地方に1カ月くらい滞在する旅行をしたかったな...。

バスク地方は、ヨーロッパの中で、人種的にも、言語の上でも特異な存在なのだそうです。そこの住民は、なぜか日本人に通じる感性があるように感じています。

バスクのスペイン領と、フランス領の、それぞれ1人ずつ知った男性から受けただけの印象なので、勝手な感想ではあります。でも、この2人に共通しているのは、自分のことより相手の気持ちを第一にする優しさがあることです。自分本位な考え方をするのが普通のフランス人を見慣れているので、余計にそう感じる。そういえば、日本人を高く評価したフランシスコ・ザビエルもバスク人だった。


バスク十字

故郷がある人は羨ましいと思う。私の故郷は東京ですが、これは「ふるさと」と言うものではない。日本にいるときにフランスのことを思うと、ブルゴーニュの美しい風景や、笑いころげる友人たちとのひと時のことが浮かんで、帰りたいという気持ちになります。でも、フランスにいるときに東京のことを思っても、殺伐とした風景しか思い浮かばないので、ホームシックなんかにはなれません。

数年前にブルゴーニュに引っ越してきたバスク出身の友人は、バスク地方への愛着にどっぷりと浸っています。先日、彼らの家に行ったとき、バスク地方のリキュールを出してきました。

このお酒については、すでにブログで書いているので省略:
「イザラ(星)」という名前のバスク地方のリキュール 2014/08/17

このリキュールを飲んだら胃の痛みが消えたと私が言ったので、よく出してきてくれるようになりました。甘いお酒を飲むのは余り好きではないのだけれど...。

故郷に帰ったときにボトルを買ったら、グラスのおまけが付いていたらしい。そのグラスに描かれている模様の説明をしてくれました。



フランス人たちは、このデザインが何かに似ているというのを知っているようでした。私には何でもない模様に見えたのですけど...。

バスクを象徴する模様で、バスク語でlauburuラウブル)と呼ぶのだそうです。

少し前にプレゼントしてもらったのでかぶっていった私のベレー帽を並べて記念撮影。



なぜか、バスク十字はナチスのハーケンクロイツという紋章と似ているのですね。

右と左が混乱するという欠陥を持っている私。フランス人の方がちゃんと知っていて、ヒンドゥー教のマークもナチスのと同じ方向で描かれるけれど、日本の地図で寺院の地図マークに使われるのはこれだ、と書いてくれました。

おさらいをしてみます。

バスク十字(ラウブル)
ハーケンクロイツ
ヒンドゥー教 万字
五つ割右万字
まんじ
寺院の地図記号

弘前市 市章


ナチスが使ったハーケンクロイツを見るとゾッとしますが、日本のとは鉤十字の方向が逆なのですよね。でも、バスク十字はハーケンクロイツと方向が同じなのでした。

プラド美術館に展示されているゴヤの絵にも、バスク十字が描かれています。

Marquise of Santa Cruz
サンタ・クルス侯爵夫人ホアキナ・テリェス=ヒロンの肖像、フランシスコ・ゴヤ画
La lyre de Joaquina Téllez-Girón, Marquise de Santa Cruz par Francisco Goya



日本の地図で「卍」で寺や寺院を現すようになったのは、明治13年(1880年)でした。「卍」は、サンスクリット語で「スヴァスティカ」と呼ばれ、吉祥の印。仏教でも「幸せ」、「めでたい」という意味を持っているのだそうです。

とすると、ナチスとバスクは逆を向いているから、めでたくないシンボル?! ナチスはそれで良いけれど、バスクの人に言ったら怒られそう...。


日本はナチスに寛大な国

バスク十字について教えてもらったのは4カ月前のことなのですが、それをブログに記録しておきたいと思ったのは、麻生太郎副総理兼財務相の発言のニュースを見たからでした。

「(政治家は)結果が大事なんですよ。いくら動機が正しくても何百万人殺しちゃったヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくてもダメなんですよ、それじゃあ」

この発言はフランスでもニュースになっていて、次のように翻訳されていました。

Même avec de bonnes raisons, Hitler, qui a tué des millions de personnes, n'était pas un bon responsable politique.

麻生氏は、2013年にも、憲法改正論に関して、ナチス政権の「手口を学んだらどうか」などと発言していました。後に「ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい」と述べたのですが、また出してきちゃった。

このときの発言は、こんな風に訳されていました:

La Constitution de (la république de) Weimar a été discrètement remplacée par la Constitution de l'Allemagne nazie: pourquoi ne pas s'inspirer de leur tactique?

こちらの発言の方が凄みがありますね。

よほどヒトラーがお好きなのでしょうが、先進国ではユダヤ人虐殺したナチスを礼賛するのはタブーなので、外国向けには政治家として自粛すべきだと思うけれど...。


日本ではナチス関係のグッズが普通に販売される

ル・モンド紙の日本特派員が書いた記事に、日本の戦争グッズを売る店ではナチス関係のグッズも売っていると書いてあった、と友人から言われたのは2年前のことでした。

フランスやドイツでは、ナチスやヒトラーを想起させるもの販売は禁止されているのだそうなので、フランス人を驚かせることだったようです。でも、ドイツにはネオナチがいて、あの人たちはそういう服装をしていたのではなかったでしたっけ?...

日本では自由にナチスグッズが販売されていると言われたのだけれど、本当に売っているのだろうかと思って、ネットショップで商品を検索してみました。

ある、ある。幾らでも出てきました!:
「ハーケンクロイツ ナチス ヒトラー」をキーワードにした商品検索結果




東京五輪で外国人向けの地図を作るにあたり、お寺を示す記号を卍にすると誤解を招くので別のマークにしようという案がありましたが、卍のままにすることにしたようです。私も外国人向けに変えることはないと思う。日本に来たら、すぐに覚えるでしょうし、面白がるはずですから。

でも、ナチスやヒトラーを想起させるグッズを身に着けている人が町を歩いていたら、外国人は仰天するだろうな...。

どのくらい売れているのだろう? 私は日本でも、ナチスやヒトラーを想起させるものを身に着けている人は見たことがないように思います。

... そう思ったら、いらっしゃったのでした。しかも、NHKに登場している!


【堀江貴文氏・ヒトラー?】NHK謝罪 ホリエモン、ヒトラー?柄のTシャツで生出演 ネットは騒然!


この方も、ヒトラーがお好きなのでしょうね。ヒトラーと同じタイトルの本を出していらっしゃいますし。ビジネスセンスにたけた方なので、ヒトラーの絵があるTシャツを着て反感を抱かせることも宣伝になるという思惑もあったのだろうと思います。この手法は、ベネトンがよくコマーシャルでやっています。


我が闘争 (幻冬舎文庫) 堀江 貴文


ヒトラーの著書『Mein Kampf(我が闘争)』は、フランスで話題になっていました。2015年の年末をもって70年の版権(著作権)が消滅し、誰でも『我が闘争』の出版が可能となるというというニュースでした。

ところが、そのときに知ったのですが、日本はこの『我が闘争』を自由に出版してきていた数少ない国のひとつだったのです。

戦前にはドイツと日本は同盟国だった関係から、初版発行から7年後の1932年に抄訳版『余の闘争』が出版され、その後も次々と注釈を加えた新版を発行してきたとのこと。戦後も、1973年に角川書店が文庫版で新たな翻訳本を刊行。さらに2008年には、漫画版『わが闘争 (まんがで読破)』が出版され、発売から半年で45,000部の売り上げを記録したそうです。

日本人は独裁者が好きなのでしょうかね。

ナポレオンも、フランス人よりは日本人の方が好いている感じを受けます。彼にはヨーロッパ諸国を開放した功績がある、とまで思っている日本人に出会ったこともあります。ナポレオンは侵略しただけですよ。おまけに戦争ばかりしていたから、フランスの人口は減ってしまったし、畑で使う作業馬まで没収したので農業を衰退させています。

外国人を驚かせた麻生太郎副総理の発言は、独裁者が好きな人たちが日本にはいるから、喜ぶ人たちもいると分かっていてやっているのかもしれない。としたら、写真にヒトラー髭を書き込まれたお仲間の方が、名誉棄損だと怒ることもないと思いますけど...。


ブログ内リンク:
★ 目次: 右と左の違いが気になる
★ 目次: 戦争、革命、テロ、デモ

外部リンク:
☆ Wikipedia: ラウブル » Croix basque
エハン・デラヴィの十字架の研究 ⇒ 「バスク十字」と「カギ十字(卍)」・・ヨーロッパ先住民族の十字マーク
謎に包まれた民族!? スペインとフランスにまたがるバスク地方に生きる『バスク人』とは
☆ Wikipedia: ハーケンクロイツ » Croix gammée nazie
☆ Wikipedia: 卍(まんじ) » Svastika
日本のお寺やナチスの党章などに使われる「卍」マークの意味
なぜ地図記号「寺院」は「卍(まんじ)」なの?
麻生副総理「ヒトラーの動機は正しかった」発言は本音! 安倍自民党に蔓延するナチス的価値観
麻生氏「ナチス発言」、揺れる大手新聞報道 最初は問題視せず、後から大きく取り上げる 2013/8/29
<麻生太郎氏>ヒトラー発言撤回 釈明と反論も展開
ヒトラー発言に米怒り 麻生副総理は経済対話で大幅譲歩も 2017/08/31
ヒトラーがブーム! でも「我が闘争」が読めるのは日本だけ!? 2014.07.20
L'Express: Japon nouvelle bourde du vice-premier ministre sur Hitler
Le Figaro: Japon: bourde du vice-premier ministre sur Hitler 30/08/2017
Le Monde: Au Japon, le nazisme s’affiche toujours librement 14.10.2015


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カテゴリー: 日仏の比較 | Comment (4) | Top
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2017/08/20
何カ月も前のことですが、インターネットで検索していたら、こんなのは意味がないと思える心理テストに出会いました。

洗脳されやすいか、騙されやすい性格かどうかの心理テスト

人に教えてもらった道を歩いていても目的地にたどり着けなかったら、どうするかという質問です。そういうのは、日常生活でよくあることですよね。


洗脳されやすさがわかる心理テスト あなたのメンタル面の落とし穴はどこ?

私なら、迷わず別の人に聞いてみます。始めに聞いた段階で、そっちの方向ではないはずだと疑ったら、その人の姿が見えなくなったところで、他の人を捕まえて聞いてしまいます。

他に聞く人がいなかったら、いつまでも探さないで、行くのは諦めるかな?...

フランスの田舎を旅行していると、牧場には家畜はたくさんいるけれど、人間は全くいないということが多いです。友人の車に乗せてもらって百キロくらい走ったとき、暇なので人間の姿を何人見るかと数えたことがありました。家畜の姿は数え切れないほど見えるし、車とも少しはすれ違いましたが、人間が歩いているのはちっとも見えないのでした。ですので、スマートフォンでGPSを使えなかった時代は、観光していて行きつけなくて諦めたことがたくさんありました。

人に教えられた場所を信じないというのは、フランスで私が受けた悪い影響かもしれないとも思います。フランス人たちは、聞かれたら何でも良いから答えなければならないと思うらしくて、いい加減な返事をされた苦労を味わっているのです。知りません、分かりません、と答えるのが嫌いだという国民性なのか、フランスの不思議と思っている局面の1つです。

初めにそれを感じたのは、フランスの大学に留学した時のこと。必要な事務手続きをする部署は何処かと聞くと「あっち」と答えられて、そちらに行くと、さっき行ったところが担当だと答えられる。それで、広大な大学のキャンパスの中を行ったり、来たりということになりました。フランスに留学した人たちは、皆さんがご経験なさっているのではないでしょうか?...


洗脳されやすいかどうかの日本の心理テスト。教えられた道を歩いて行っても目的地が見つからなかったら、別の人に聞いてみるというのは誰だってそうすると思ったので、このテストは馬鹿らしいと思いました。それを話すために、日本の友人にこのテストを入れているURLを教えて回答を選んでもらいました。

すると、「もう少し探してみる」を迷わず選ぶと答えたのです。驚きました。私は無駄かも知れないと思えることを続ける根気なんかは、全くないですから...。

その人はとても真面目な男性なのでした。勉強して資格を取るのが好きらしくて、あちこちに高い研修費や受験料を払っているので、私は呆れていました。パソコンの使い方の研修も、彼は何十万円も支払っていたと思う。私は何もお金をかける勉強はしていませんが、その人よりは遥かにパソコンを使いこなしています。

実際、彼のパソコンがおかしくなったときには相談してくるので、直し方を指導しています。今はインターネットで情報を発信している時代なので、知りたいことはほとんど全て回答を見つけることができるのです。その前の時代は、パソコンも単純なシステムなので、色々やっていれば解決してしまうのでした。

国家試験とか、定評のある検定試験ならともかく、そんな小さな組織がくれる資格なんて意味がない、と言ったこともあります。

私もフランス語関係では、就職に有利なように、仏語検定試験(自分の実力が分からないからと下のレペルから受けていくと受験の費がかさむので、いきなり1級を受けてみた)や、パリ商工会議所の仏語認定試験などを受験しましたが、全て1発で受かったのでお金の無駄遣いはしていません。合格してしまうと、さらに勉強して頑張ろうという気がそがれるわけなので、資格獲得を勉強のモチベーションにしようとするのは無意味だと思いました。

教えてもらった道で探し続けると言った友人は、どういうわけなのか、何度も何度も資格試験で不合格になるのです。それだけ落ちたら、もう止めようと思っても良いと思うのに、そのたびに研修を受けなおしています。つまり、すごくお金をかけている! その資格を与える組織は、受験費や研修費を稼ぐために、わざわざ何回も受験しないと合格させない悪質な事業をしているのではないか、とケチをつけたこともあるのですが、彼は諦めないで勉強を続けるのです...。


上に挙げた心理テストで、あくまでも教えてもらった道を歩いて探し続けると答えた人は、洗脳されやすさが90%で、最も洗脳されやすいタイプとなっていました。私が選んだ答えだと10%で、最も洗脳されにくいタイプだという診断。

私は疑り深い性格だと言われると、そうかも知れないと思います。フランス人から何か教えてもらっても、その後にはたいていインターネット情報で本当なのかを確認していますので。

同類の性格診断テストは他にもあるので、少しやってみました。少し騙されやすいタイプだという結果も出たのですけどね。いずれにしても、こういうテストというのは、かなりいい加減なものだと思っています。あぁ、やっぱり私は疑い深い性格なんだ!...

これは母親ゆずりかもしれない。母のところには、息子だと名乗るオレオレ詐欺の電話が1度かかって来たそうで、相手に「どちら様ですか?」と答えたら、すぐに電話を切ったのだと聞きました。

日本では、オレオレ詐欺とか振り込め詐欺とか言われて久しいのに、相変わらず被害が出ているのだから不思議でなりません。そもそも、即座に出してこれる大金を持っているのがいけない、とも思うのですけど...。フランスでも振り込め詐欺があるというフランスの記事を読んだことがあるのですが、詐欺の対象にされているのは個人ではなくて、会社なのでした。せしめられたお金は中国に送金されている、という内容...。


マスコミ報道の「鵜呑度」を国際比較

一般的な日本人は善良で、つまり私のようにへそ曲がりではなくて、何でも信じてしまう人が多いかな、という印象は受けています。

調べてみたら、それを裏付けるデータが出てきました。

マスコミ報道の「鵜呑度」を国際比較調査があって、報道をそのまま信じる割合が日本は先進国の中ではダントツなのでした。

報道をそのまま信じる人の割合は、イギリスが最も少なくて、14%。
フランスは、第5位で35%。
日本は、なんと、70%!

イギリスがトップには変人が多いと感じているので、当たっているかなという気はします。

フランス人は「我が道をいく」という感じの生き方をしているように見えるのですが、意外にも、聞いたことを単純に信じる人たちが多いので、鵜呑み度がイギリスの倍になっているのは当たっているかもしれない。

先日は、友人がしでかしそうになった失敗が面白かったと話していたら、そういうことを知人たちに話したら、尾ひれがついて、本当におこったことだという噂になってしまうから口外するな! と本人から止めを刺されました。

そうかも知れないな...。私は疑り深いけど、自分が言ったことを悪くとられるという防備は全くしていない...。


マスコミ報道鵜呑み度の各国比較のデータに私がぶつかったのは、こちらの動画でした。


マスコミ報道鵜呑度 日本人70%、 英国人14%  青山貞一 


マスコミ報道の鵜呑み度についての調査結果を文章で詳しく紹介しているのは、こちら:
検証:世界で最も「情報民度」が低いのが日本人である! 青山貞一

お話しをしているのは、環境相互研究所の青山貞一氏

日本人が言われたことを信じやすい国民性を持っているというのは、良いことなのか、悪いことなのか?....

内部リンク:
庭園に入ることを許可していた親切な城 2017/06/11

外部リンク:
☆ 心理テスト: もしかして騙されやすいタイプ?
【錯覚テスト】あなたは騙されやすい?錯覚テストで自分診断
騙され度診断テスト性格編Ver1.0
【イラスト性格診断】「あなたが道を聞くならどんな人?」
なぜ男性は人に道を聞かないのか?その理由が科学的に解明される(米研究)


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カテゴリー: 日仏の比較 | Comment (4) | Top
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2017/08/09
トランプ氏のアメリカ大統領就任演説の中に、こういうフレーズがあったことをブログで書いていました(肌色って、どんな色?)。

Whether we are black or brown or white, we all bleed the same red blood of patriots.

トランプさんは好きではないけれど、人種に係わらず、みな赤い血が流れている、とは上手い表現をするなと思いました。これはありふれた例えなのかも知れないけれど。


ヘモグロビンとヘモシアニン

人間の血が赤いのは、赤血球の中で酸素の運搬をつかさどる色素「ヘモグロビン」には鉄分が含まれているから。 鉄分の代わりに銅を用いた「ヘモシアニン」だと、血液の色は青く見える、ということなのでした。


ヘモグロビン
(Hémoglobine)
Hemoglobin
ヘモシアニン
(Hémocyanine)
Hemocyanin


動物の中には、ヘモシアニンの青い血が流れているものもあるのだそう。静脈血は無色透明なので青くは見えないけれど、エビなど節足動物や、イカなどの軟体動物にある。

そう言われてみると、「ブルゴーニュのエスカルゴ」と呼ばれる品種のカタツムリは、かなり青っぽく見えると思っていたのでした。これもヘモシアニンに由来しているそうです。


Escargot de Bourgogne(Helix pomatia)


貴族の血は青い

人間の血が赤いというのは常識なのに、フランスには「青い血を持っている(avoir du sang bleu)」という表現があります。

貴族の血筋を引いている、つまり、高貴な出である、という意味。つまり、やんごとなきお方だ、という時に使います。

貴族だからといって血が青いはずはありませんから、変な表現ですよね。

青い血の動物もいることを考えたら、名誉なことではないはず。貴族はエスカルゴと同類とか?... でも、「青い血を持っている」というのは貶し言葉では全くないのですから、この表現ができたときにはヘモシアニンを持った動物がいることは意識していなかったはず。

bleu roi(ロイヤルブルー)というのがあるので、それかなと思ったのですが、そうでもないらしい。

bleu roi
#318CE7


「青い血(sang bleu)」というのは、静脈の色なのだそうです。友人が腕の静脈を示して「青いだろう」と言う。なるほど...。

フランスだけではなく、ヨーロッパ諸国では高貴な出のことを青い血と表現するようです。これはスペイン語で「sangre azul(青い血)」から来ているという説もありましたが、どうなのかな...。


静脈が青いのだとするのなら、誰でも同じはずですよね。なぜ貴族の血は青いと言うのか?

貴族は外で肉体労働をするわけではないから、肌が白い。それで、静脈の青さが引き立っている、という表現なのだそうです。

フランスの17世紀、18世紀の貴族たちがやたらに顔を白くするのが流行っていたような気がします。つけぼくろを付けるという変な流行もありましたが、これも肌の白さを際立たせるためにしていたのでした。




「sang bleu(サン・ブルー)」とは静脈が青いことから来た表現だと教えてくれた友人は、こういう言葉もあるけれど知っているかと聞いてきました。

palsambleu(パルサンブルー)

知らない。でも、この単語は仏和辞典にも入っていて、こんちくしょう、やれやれ、という訳語になっていました。

フランス情報では、par la sambleuともいい、par le sang de Dieuの変形だと書いてありました。

こういう罵倒言葉は外国人の私は使わない方が無難だと思っているので、教えてくれたって役には立たないのですけど...。


赤い血が流れている静脈だけれど、肌の上からだと青く見える?

考えてみると、赤い血が流れている静脈が青く見えるのは不思議。

人体の血管の絵を見ると、動脈(心臓から出る血液が流れる血管)は赤く、静脈(心臓に戻る血液が流れる血管)は青く描かれていました。



でも、動脈だろうと静脈だろうと、血液は赤いはずではないですか?

肌を通して見える血管は青っぽく「見える」ということのようです。それを実験して見せてくれるページがありました。

☆ 肌色絵の具と赤ボールペンで、「赤い血が流れる静脈が青く見える理由を実感してみよう!

本当だ。水に溶かした肌色の絵具の中に赤いボールペンの芯を入れると、静脈のように見えるのでした。私は絵具を持っていないので実験できないのですが、白い絵具を使ったらどうなるのかな?... 青さが際立つ?


あらためて自分の腕に浮き出ている静脈を見ると、少し緑色がかった青に見える。青か緑かといったら、私は緑色と言いたくなる...。

友人に見せて、これは何色かと聞いたら「青だ」と言う。私の静脈と友人のを比べてみると、私のは少し緑色っぽいような気がしないでもなかったのですけど...。

黄色人種だから、青ではなくて緑色なのかな?... と真面目に思って言ったら、大笑いされました。

私が黄色と言われるのが嫌いなのを知っているので、よくからかわれるのです。自分から黄色をもちだしたら笑われて当然!

先日も、近所に住む友達が家庭菜園でとれた野菜をくれると言ってきたとき、黄色いズッキーニもいるかと聞かれて「欲しい」と答えたら笑われてしまった。

黄色人種と言うけど、日本人の肌は黄色いわけでないとフランスの友人たちは分かっているから面白がるのです。特に私の体には色素が不足しているらしくて、日本人にしては肌が白くて、余り日焼けもできないのです。そしてフランス人は、北欧の人たちのように白くはない。友人と日焼けしていない肌を比べると、私の肌の方が白くさえ見えます。

ところで、日本でも、静脈の色は青と表現するのでした。

「青筋を立てる」という表現もある。これは怒ったりしたとき、顔面に静脈が浮き出ることから来ているのだそう。

顔が青ざめているとか、青白いと言う表現もあった。フランス語だと、色が薄いという意味で「pâle」と表現されて、青とは関係ないのですけど。

黄色人種の日本人の静脈が青いとしたら、貴族たちが色白だから静脈が特に青いという表現は当たらないような気がするのですけれどね...。


ステーキの焼き加減にも「ブルー」がある

血が青いという表現が存在するわけですが、ステーキの焼き方にも「ブルー」がありました。

肉の両面をさっさと焼いた状態で、レアよりも生焼けのこと。

いくら焼き足りなくても、肉が青い色をしているはずはないし、静脈が見えるというわけでもないでしょうから、奇妙な表現ではないですか?!

ステーキの焼き加減に関するフランス語の表現:
  • bien cuit  ウェルダン(64度)
  • à point  ミディアム(59度)
  • saignant  レア(52度)
  • bleu    超レア(45度)
※ カッコ内は、焼き上げたときの肉の内部の温度として記載されていたものです。


フランスのレストランでステーキを注文すると、どう焼いて欲しいかと聞いてきますが、ブルーと答えていた人は記憶にありません。よく焼いていないのが美味だとする人たちは、saignant(セニャン)と言うことが多いと感じています。私も肉は硬くなっていないのが好きなので、牛肉や鴨肉の焼き方を聞かれたときには「セニャン」と答えています。

フランスでは基本的な4種類の焼き加減を見せる動画がありました。


Comment faire cuire de la viande rouge ?


貴族の血が青いというのは、フランス情報でも、日本語情報でも、たくさん出てきたのですが、ステーキの焼き方で「青い」と表現する理由の方は見つけるのに少し苦労しました。

なぜ「ブルー」と表現するのかといえば、酸素との関係だそうです。

真っ赤な肉が、酸素に触れると少し青がかって見える。分厚い生肉を切ってみると分かる、というフランス情報の説明がありました。


熟成肉は何色?

肉が青っぽく見えるのは、古くなってときのような気がしていたのだけれどな...。

時々、肉屋で熟成させた牛肉を売っていることがあります。特別な方法でエージングさせるそうで、普通の肉よりかなり高い値段で売られています。それを好む食通がいるのですが、変色しているので私には美味しそうには見えないのですけど。

そういう牛肉は、 bœuf rassi(硬くなってしまったパンに対する形容詞)、あるいはbœuf maturé(熟成したという形容詞)と呼びます。

どんな色の牛肉なのか、フランスの肉屋サイトに入っている写真を見てみました:
Le bœuf maturé

青いというより、黒ずんでいるという感じかな?...

熟成させた牛肉は、日本では流行っているような感じがしました。でも、色は長期保存していないのと同じように赤いように見える...。



ビーフの熟成肉には、ウェットエージングとドライエージングがあるのだそう。フランスで見るのは、正に「ドライ」と呼ぶのにふさわしい感じに見えるのですけれど、分からない...。ともかく、フランスで売っている熟成の牛肉の見た目だったら、日本では買いたい人はごく限られるだろう、という気はします。

ブログ内のリンク:
肌色って、どんな色? 2017/03/03
★ 目次: 色について書いた記事
★ 目次: エスカルゴについて書いた記事
★ 目次: 肉牛(シャロレー種など)、牛肉など牛に関する話題

外部リンク:
青い血 (あおいち)とは【ピクシブ百科事典】
青い血が流れる生物ベスト12
Pourquoi voyons nous nos veines bleues ?
「赤い血」が流れてるはずの静脈が「青く」見える理由(納得したい人向け)
Bleu, les expressions
☆ Langue-fr.net: Sang bleu
Recette et remède de grand mère: Sang bleu
☆ 青い血の系譜
美白の化粧文化史: ヒートアップする、白い肌熱
☆ Wikipédia: Bleu roi
À points de cuisson : bleu, saignant, à point, bien cuit
Viande bleue, sang bleu ?
☆ Le Guichet du Savoir: Pourquoi dit-on bleue pour une viande
お肉の焼き加減と種類について
レアやミディアムだけじゃない!?まだまだあるステーキの焼き方の種類とは
熟成肉、ブームはいいけど間違った方向に進み始めている
ドライエイジングビーフの作り方 - 知ろう!本物のドライエイジングビーフ
Bon sang ! / Palsambleu !


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2017/08/03
フランスの魚屋さんで日本人の私が刺身にする海産物を買い物をすると、店の人は格別喜んでくれます。日本人は魚をたくさん食べることで知られていて、特に生で食べられるものを日本人が選んだ店だ、ということで名誉に思うらしいのです。

「皆さん、見てくださいな♪ うちの海産物は質が良いから、日本人が買いに来るんですよ~♪」という宣伝になる?

正直言って、魚について知識に関して、私は日本人としては恥ずかしいほど無いのです! 魚偏の漢字も、ろくに読めません...。でも、せっかく日本人が選んだ店というのを誇りに思ったらしい魚屋さんをがっかりさせないために、さも分かっているような顔で買い物をしています。

でも、私でも、ある程度は魚の鮮度を見分ける目を持っていると思う。切り身の艶の具合とか、魚の目つきとかで、これは刺身にはできないという判断ができます。

フランス内陸部では、海産物を食べる習慣が余りありません。ブルゴーニュで最も大きな都市ディジョンでさえも、魚屋さんは1県もありません。海産物を手に入れたかったら、朝市かスーパーマーケットに入っている店に行くしかない。子どものときから魚より肉の方が好きだった私には不便を感じないけれど、魚が好きな日本人だったら辛いだろうな...。

東京には料理が得意な友人がいて、彼女が作った魚料理は絶品だと毎回感心するので、私は魚が嫌いなわけではないと思う。でも、食べ方も下手。友人たちと魚料理を食べ終わったとき、みんなの皿には骨くらいしか残っていないのに、私はいっぱい残っている。「あなたは魚の食べ方を知らない!」と呆れられています。


フランス式? 魚の下ごしらえ

フランスでも、優れた魚屋さんはあります。刺身にするための鯛を3枚におろしてもらうときに技量が分かりますが、よく切れるナイフを使っていて、みごとに皮まで剥いてくれます。



これは、カメラを向けたからおふざけのポーズをとってくれた場面ですのでご心配なく!

フランスの魚屋さんで丸ごとの魚を買うと、どのようにするかと聞いてきます。鱗を取るか、臓物を出すだけにするか、3枚におろすか、ということ。

バーベキューにするならウロコは付けたままにした方が良いのだ、とフランスの魚屋さんは言います。日本情報の方が信頼できると思うけれど、確認したことがありません。


前回の日記「魚料理を作るのが苦手」で、ヨーロピアンシーバスを買ったことを書いたのですが、2回目の時には少しイラッとすることがありました。

オーブンで魚の丸焼きにするつもりだったので、鱗と内臓を取り除いてくれるように頼みました。鱗をそいで、腸を出しているのを確認してそっぽを向いていたら、ヒレをハサミで切り始めているのに気がついて慌てました!

そうだ、そうだ。ちゃんと言わないと、フランスの魚屋さんは、ヒレと尻尾を切ってしまうのでした。しばらく行きつけの魚屋さんでしか買っていなくて、店の人は私の好みを覚えているので、ヒレと尻尾は切らないように言わなくても良かったのでした。

ヨーロピアンシーバスは、こういう魚です。ヒレや尻尾がちゃんとありますが、これを全部切ってしまった魚の丸焼きをどう思われますか?


Bar commun

私は魚の姿焼きにするときには、ヒレや尾には塩をまぶして、わざわざピンと立ち上がるようにします。プロの人は、魚を串刺しにして、まるで魚が泳いでいるみたいな姿にしますよね。囲炉裏に串刺しの小魚を立てたりするのは、見ただけで食欲をそそらせると思う。

私にとって、頭と胴体だけになった姿の魚というのは最悪。気持ち悪くて食欲が減退します。どうせ死んでしまっているわけだけれど、いかにも死体に見えるのだもの...。

魚屋さんが背ビレをハサミで切り出したのに気が付いたので、私は大声でストップをかけました。そのままいったら尻尾も切られてしまうでしょうから。

すると魚屋さんは言葉を返してきました。

背ビレは取り除くものなんだ。

食べる時にナイフとフォークで魚を切り分けようとするとき、背ビレがあると邪魔になって上手く切れないのだそう。

そういう風に魚屋さんの学校で教えられるのでしょうね。その説明を長々してきて、魚を持った手を放してくれない。こちらが切らないでと頼んでいるのに、説得して切ってしまうつもり?

私は手足を切られたみたいになった魚は嫌いなのだ、と頑張る。やっと妥協してくれました。こんな頑固な魚屋さんって初めて。普通はお客が望むようにしてくれるのに...。

刺身用に鯛を3枚に下してもらったときには、頭と骨はスープにするので捨てないでと言うのですが、頭の部分が美味しいというのはフランスの魚屋さんたちは全員が知っているように思いました。彼らは、お客の注文で魚をさばいていると、頭の部分は惜しげなく床に置いてあるゴミ箱に入れているのですけれど。

フランスの魚屋さんには、日本で魚の丸焼きにするときには、ヒレも尻尾も切らないのだ、と言っていたのですが、頑固な魚屋さんに会ったら、私が間違っているかもしれないと不安になりました。どうせ嘘だったとしても、彼らは調べようもないでしょうから、どうでも良いのですけど。


私が間違っているのかな?...

フランスで魚が丸ごと出る料理では、みんなヒレは取り除いているかな?... フランス人は魚を加熱し過ぎるが好きではないので、よほど良いレストランに入ったときでないと魚料理は注文しません。海産物を食べる習慣があるはずの海岸部に行っても、美味しいと思う魚の料理をしているレストランは珍しいくらいだと感じています。

イタリアでは、魚はアルデンテで私好みの調理をするので、イタリアに行ったときはよく食べるのですけれど。

写真アルバムで、過去にフランスで食べた魚の写真を探してみたら、丸ごとという姿のものが1枚もないのでした。そうか... 大きな魚を持って来たときには、お給仕の人が切り分けてくれるから、魚にヒレが残っているかどうかが分かる写真などはないのでした。

例えば、前回の日記で書いたヨーロピアンシーバスをレストランで食べたときの写真は、こちら ↓



フィレになっている。この料理の名前では、皮付きのグリルと書いてありました。皮があると気持ち悪いと嫌うフランス人客もいるから但し書きにしていたのではないかな...。


魚料理を作るのが苦手」で書いたのはヨーロピアンシーバスのオーブン焼きでしたが、フランスのレシピに入っている写真を眺めてみました。例えば、こちらの写真。ヒレが残っているかどうかは見えませんが、尻尾は半分切り落とされていますね。

塩で焼いて、魚の姿そのままではないから、尻尾が無くてもそれほど気にならないかもしれませんが、私はやはり好きではないな...。


日本での姿焼きはどう作っている?

丸焼きはどうなるかと画像検索で確認しました。

こちらは姿焼き用にネットショップで売っている魚の写真。


ヒレや尾は全部付いています。まあ、切り身でもない限り、日本で胴体と頭だけになった状態の魚を売ることは無いと思う。


姿焼きにした状態で売っている商品もあるので、そちらの画像も確認。



「魚 姿焼き」のキーワードで画像検索

ヒレや尻尾は残していますね。

焼くときにヒレや尾に塩をまぶすのは、「化粧塩」と呼ぶのだそう。とすると、魚のことを知らない私だけれど、間違っていないはずだと安心しました。

でも、1つ疑問が残っています。日本で魚をさばくプロの人たち、ハサミは使わないのではないかと思うだけれど、どうなのだろう、という問題。

インターネットで検索したら、ハサミでヒレを切っている画面が映っている動画に行き当たりました。アイゴという魚は、ヒレに刺されると危険なので切り落とすらしい。つまり、ヒレを残してはいけない魚があるということ?

やはり、魚は奥が深くて、私の手には負えません...。


外部リンク:
魚の部位と名称
☆ Wikipedia: Nageoire » 
魚を上手に焼く
☆ お料理の基礎辞典: 焼魚の化粧塩って何ですか

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの日本食ブーム
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ


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2017/07/30
友達が娘さんの30歳のお祝いを7月にするということで、春先から誕生パーティに招待されていました。

出かける直前まで、何を着ていけば良いかで迷ってしまった。今にも雨が降り出しそうな空なので、夏服は避けて、日本の着物の生地が襟や袖口の裏側に少し使われている上下の合服にしました。プレゼントは日本から持ってきてストックしてある陶器にしたので、日本的にしてみたわけです。

8時間は続くであろうパーティーでは、真夏の暑さになるかも知れないし、もっと寒くなるかもしれない。それで、両方のケースを想定した着替えをバックに入れて、車のトランクに放り込んでおきました。

パーティ会場は、友人夫妻が老後に住むために10年余り前に買ったブルゴーニュ地方の農村にある家。17世紀に建てられた家なので趣はあるのですが、ほとんど廃墟だったのです。まず屋根を業者にふき替えさせてからは、ご主人が休みの度に通って修復していました。

1階の床に敷いてある大きな石を全部外して土台を平らにしたり、天井の梁を1本1本外して補強したり、と気が遠くなるような作業をしていました。

久しぶりに行ったのですが、家の内部は見違えるほど美しくなっていました。素人の日曜大工で、ここまで出来てしまうとは驚き...。

石造りの家と言っても、百年や2百年前の建物は味気なくて、この家のように400年くらいたっていると、家の石壁も厚くて美しいのでした。

とはいえ、ここは田舎の家によくあるだだっ広い部屋はない。雨が降り出した車の中で、どうするのか少し心配してしまいました。夏なので、ガーデンパーティを考えていたはずで、それならテーブルとイスを用意するだけで会場ができるので問題はないのですけれど。

ごく親しい人たちしか呼ばない感じだったのですが、それでも30人くらいは集まるはず。そんな数の席は出来ないのではないかな?...

到着してみると、玄関から入ってすぐのところにある一番大きな部屋に席が設けられていました。ロの字型にテーブルが整えられていました。

春には招待状を出したときには34人が参加すると返事していたのだけれど、当日には19人しか集まれなかったのだそう。雨が降りそうなので家の中にテーブルを設えたのですが、34人分の席をつくるのは難しかっただろうから、欠席者が出て助かった、と言っていました。


座席カードの工夫

フランスでは色々なパーティグッズを売っているせいもあって、彼らは会場づくりに励みます。私は何となく派手にするのは気恥ずかしくて、パーティをオーガナイズしても飾り物はしないで花を飾ったり、テーブルウエアに努力するだけなのですけれど。

今回のパーティの演出で面白いと思ったのは、誰がどこの席に座るかを示した飾りでした。

「皆さん、ご自分の席が見つかりましたか?」と主催者が言う。

2つ折りにした小さなカードが座席に置いてありましたが、名前なんか書いてない。

カードには漫画などのキャラクターらしき絵が張り付けてあって、この絵は自分のかな? と思ってカードを開くと、ファーストネームが書いてある、という趣向でした。

私はすぐに見つけることができました。中国人らしき女性の絵があったのです。フランス人以外は私だけなので、間違いないだろうとカードを開くと、私の名前が書いてありました。

自分たちで作ったのだとしたら、かなり手間がかかるはず。ひょっとしたら、色々な絵をセットにした座席カードが市販されているのだろうか?

でも、ざっと探したところ、見つかりませんでした:
marque placeを検索


30歳を迎えたのは、再婚カップルの子ども

30歳を迎えた娘さんは、仮にAさんとしておきます。

集まったのは、ほとんど全員が親戚の人たちのようでした。パーティーが始まる前に、代表の2人の女性がスピーチをしました。Aさんの叔母さんと従妹らしい。



左に立っているのは、彼女のお相手の男性。こういう席に背広にネクタイ姿というのは不自然。途中でネクタイを外すこともなかったのですから。

友達が説明するには、彼は大学で教鞭をとっていて、そういう人の中にはスーツ姿をトレードマークにしている先生がいるのだそう。他に洋服を持っていないのかな? などと話題にしてしまいました。

でも、愉快で楽しい男性。2人はお似合いのカップルに見えました。そう思うことがよくあるのですが、少したつと別れていたりすることがフランスでは頻繁におこるので、この先どうなるのかは全く想像できない。

ところでAさんは、母親の方と血がつながっています。でも、再婚相手の男性は、この女性を正式な娘として認知しているのだそう。子どもを持つことが夢だったらしい旦那さんの方には、前の結婚で子どもが生まれなかったので、彼女は一人っ子。

可愛がられてスクスク育ったという感じの女性でした。背丈まで伸び伸びしていて、1メートル80くらいありそうに見えました。

30歳って、こんなに若さが弾けそうな年齢だったっけ? 本当に愛らしい女性でした。

実子として認知したという話しをした人が、「養子というのは、子どもを選べるからね」と言っていたのですが、それは、そうだ。こんな気立ても良くて、愛らしい女性だったら、子どもにしたくなりますよ。自分の子どもだったら、出来が悪くても切り離せないわけですから!


パリの人たちが多かったから?

パーティー会場になった部屋の窓辺には、こんなものが置かれていました。



シュークリームを積み重ねたようなピエスモンテは、よくフランスではお祝いのデザートに使います。この日のは非常に美味しかったので、どこのケーキ屋さんで作らせたのかと近所に住む人たちは聞いていました。私も知っている店でした。菓子パンが美味しいので、その町を朝に通りかかると買っていた店。

果物の串刺しを見て、これはデザートなのかと思ったのですが、前菜として出てきました。たぶんガーデンパーティにする計画だったので、立食の食前酒タイムに良いと思って考えたのではないかな。

それの後に出たのは、サーモンのおつまみ。「サーモンは生ですから嫌な人は取らないでください」と言って配っていたのですが、スプーンに乗ってしまうほどの小さな皿。わざわざ食べるかどうか聞かなくても良かったのに。食べたくなかったら、隣の人に回して喜ばれるくらいの量でしたから。

その後は、野菜系の料理が3種類だったかな。この日の私は胃の調子が悪かったので丁度良かった。フランス人の食事にしてはやたらに野菜が主になっているな、と思ったのですが、集まった人の中にベジタリアンが2人いました。

ふと気がつく。ロの字型のテーブル配置なので全員の顔が見えてのですが、みんなスマートなのでした。フランス的に普通に太っている人は、19人の中に3人しかいない!

その3人は地元ブルゴーニュの人たちで、後の人たちはパリ首都圏から来ていたのでした。やはり、パリと田舎だとずいぶん違うのだな...。

飲み物はふんだんでした。差し入れがあったシャンパンやワインのマグノムボトルがいっぱい。でも、面白かったのは、主催者のご主人が白ワインを飲むと頭痛が出てしまうというせいなのでしょうが、白ワインはいっさいなし!


たくさんのプレゼント

こういう場では、集まった人が持ってきたプレゼントをどこかに積んでおいて、デザートを食べ終わったあたりでプレゼントのご披露になります。

2つも3つもプレゼントを出した人たちもいたので、集まったのは19人とはいえ、かなりの量でした。かなり豪華なプレゼント。ブランドもののハンドバックとお財布のセットなどは、とても使いやすそうなので私も欲しいと思ってしまった。

画家の人が持って来た大きな絵も、良かったな...。

プレゼントのご披露にはかなり時間がかかって、ようやく終わったと思ったら、Aさんの母親が大きな箱を持ってきました。金色の箱を開けると、アルバムが入っている。



子どもの頃からの写真をアルバムに仕上げたものでした。折り畳み式のカードなども張ってあって、かなり時間をかけて製作したと思えるアルバム。



母親の愛情いっぱいで育ったのでしょうね。だから、あんなに気立てが良い女の子に成長したのだろうと思う。

大学時代、フランス文学の先生が言っていたことを思い出しました。
「僕はシンデレラの話しが嫌いです」

あんな風に虐待されて育ったら、美しく育つはずはないし、性格はひねくれる。「物語の主人公になれるような美女は、やはり良家の子女ですよ」なんて言っていた!


親をどう呼ぶか?

Aさんは、母親の再婚相手が正式な父親になっていたわけです。彼女の本当の父親は、亡くなったのか、父権を放棄したのかは知りません。

この日、食事会が終わった夕方に、外に出てペタンクをしたのですが、そのとき、ふと気がついたことがありました。

Aさんは、実子として認めた父親のことをファーストネームで呼んでいたのです。

後で友人に聞いてみたら、フランスには血の繋がった実の親のこともファーストネームで呼ぶ人たちがいて、それは全く不自然ではない。最近は、むしろMaman、Papaと呼ぶより、親をファーストネームで呼ぶのが奨励されてもいる、とも言っていました。

インターネットで調べてみたら、やはり抵抗を感じる人もいるようでしたけど...。

法的な結婚をしていたにしても、そうでないにしても、カップルの関係が解消するケースが多いフランス。両親が別れた後にも、子どもの権利を守るために両方の親と付き合い続けるし、親の再婚相手が入れば、そちらとも付き合う。それで、famille recomposée(再構成家族)の関係では、とてつもなく人数が多い家族も出来てしまう。

この単語はフランス語で登場したときに覚えたのですが、日本ではステップファミリーと呼ぶのですね。日本では離婚には暗いイメージもあるように感じますが、フランスではごく普通。18歳未満の子どものうち、150万人がステップファミリーで暮らしているという統計がありました(2011年)。

パパもママが複数いたりすると、ややっこしい。ファーストネームで呼んだ方がはっきりしていて良いとも思う。それに、親の勝手で押し付けられた人をパパとかママとか呼ばせられることに抵抗を感じる子だっているはずだし。

Aさんが父親をファーストネームで呼んでいたのは、ごく自然に感じました。かえって2人の仲が良いという印象も受けました。

ブログ内リンク:
★ 目次: フランス人の古民家を修復する情熱、建築技術
★ 目次: フランスに結婚に関する風習、夫婦・家族関係、生き方
★ 目次: プレゼントや土産物に関して書いた記事

外部リンク:
☆ Insee: Un enfant sur dix vit dans une famille recomposée
Pourquoi certaines personnes appellent leurs parents par leur prénom
Appeler ses parents par leur prénom
Mon enfant m’appelle par mon prénom. Que faire ?
☆ 生きたフランス語見聞録: 家族関係の単語


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2017/07/27
フランス人は何にでも文句を言います。

政治について、税金の使い道については非常に厳しく批判する。友人たちと集まったときには、行政がしていることの批判を始めると語気が荒いので煩くてたまりません。なんであんなに議論が好きなのだろう?...

彼らが喧々諤々と政治や社会保障について文句を言っているのを聞いていると、つい「日本なんか、もっとずっと酷いよ~」と言いたくなります。

悪い例を挙げられても、フランス人たちは一向に気にしないみたい。「そうか、フランスはそんなに悪い国じゃなかったんだね」と言った人には出会ったことがありません。日本の例を挙げても、質問も返してこないほど無関心。

先日の友人たちとのおしゃべりでは、失業保険で生活していたけれど、あと2年働かないと老齢年金がもらえないということで、役場に雇われて2年間だけ働くことになった人の話題が出ました。

まだ50代半ばの男性なので、年金支給まで2年というのは短すぎると思ったのですが、若い頃に軍隊に入っていたので、働いた年数の計算が優遇されているのだそう。生命の危険がある戦場に赴任すると、1年働いたのが3年分に計算されるとか、そういうのがあるのですよね。

でも、彼の報酬は最低賃金(SMIC)の時給なのだそう。毎年スライド制で上がるもののSMICの賃金が低すぎる、とフランス人たちは文句を言う。まあ何とか生活していける金額に定めている。汚いやり方だ、とか怒っている。

フランスの最低賃金はそう悪くもないのだし、パートタイムで働いても年休や社会保障が付くのだから、日本よりははるかに労働条件が良いと思うのですけどね。

話題に出たSMICで2年働くという人は、村の道路や墓地などの除草をしたりする肉体労働の仕事でした。雇ったのは小さな村なので、仕事は大してないし、村の予算もないので、彼をフルタイムでは雇えない。とすると、収入が少ないでは? と思ったら、雇用促進支援プログラムの枠内で雇用されるのだと説明されました。

週の半分だけ働き、役場からはフルタイム労働の半分に相当する報酬が払われるのだけれど、それと同額の援助が国から出るので、SMICの1カ月分が月収として支払われるのだそう。

つまり、週に2日半働いて、月に20万円近い収入を受け取るわけ。羨ましく思ってしまった...。

こんな手厚い弱者の援助をしているし、いくら経済不況でも労働条件を悪くすることはしないから、フランス経済は落ち込んでいるのだろうと思うのですが、それでも国がつぶれないでいるのだから良いではないですか?


最低賃金

日本のニュースを読んでいたら、最低賃金の引き上げが話題になっていました。最低賃金が、ここ2年連続で3%引き上げられたとのこと。

現内閣の支持率が下がったという報道を隠し切れなくなったらしい今、政府だって良いこともやっているのだというニュースをクローズアップしたかったのかな。NHKのニュースでは、「大幅な引き上げ」と記述していました。3%アップで「大幅!♪」と言うのはオーバーだと思ってしまった...。
 
全国平均で、時給が25円値上がりしたとのこと。でも、そんな程度では日本の最低賃金は先進国並みにはならないですよ。

日本にも「最低賃金」というのがあると知って、調べてみたことがありました。1ユーロが170円という為替レートだったときなので、フランスの最低賃金を円に換算してギャフンとしました。フランスでは労働条件が良いだけではなく、最低限保証されている時給も日本よりずっと高いのでした。


このたび日本で発表された17年度の最低賃金は、全国平均で848円。都道府県で異なるシステムなので、最も高い東京が958円で、最も低い宮崎と沖縄が736円でした。

フランスの最低賃金としては、SMIC(Salaire minimum interprofessionnel de croissance)というのがあります。物価と平均賃金の伸びに連動して、最低賃金が自動的に引き上がるスライド制のシステム。

フランスと日本の物価を比べると、1ユーロ=130円くらいかな、と私は感じています。今の為替レートはそのライン。それで計算してみました。

今年(2017年)のSMICは、全国一律で時給9,76ユーロ(約1,269円)。フランスの時給の最低基準は、日本の大幅値上がりしたという最低賃金の1.5倍です。


ヨーロッパの中で、特にフランスの最低賃金が高いというわけではありません。フランス人たちが給与が高いことで羨ましがるのはルクセンブルクとスイス。国境に近いフランス側に住んで通勤している知人も何人かいます。

1カ月の労働の最低賃金は、フランスでは週35時間労働で計算して、1,457,52ユーロ(約19万円)。

EU圏内での最低賃金が高い国のランク付けでは、フランスは第6位というところでしょうか。トップはルクセンブルクで、最低月収が1,923ユーロ(約25万円)。


フランス人たちは、最低賃金なんて、なんとか生活できて、文句を言わないレベルで作っていると批判するのだけれど、日本では、その計算での報酬を得ないで働いている人たちがたくさんいると思うのですよね。私自身の経験も含めて!

それに、日本の最低賃金というのは、フランスのように厳格には守られていないのではないかと思います。時給ではなくて、月給制で働いたら、どのくらい酷い報酬か、残業しているから全体として満足できる給料をもらっていると思っているかもしれない...。


時間当たり賃金(製造業、2014年)|データブック国際労働比較2016|JILPT


貧富の差

ひところの日本では、大半の人たちが中流の生活をしていると思っているという時代がありました。いま思うと懐かしい...。入社すれば終身雇用という安心感があり、会社は従業員を家族のように大切にし、従業員は会社に忠誠心を持つという日本の良さがあった時代...。

それが日本経済を支えた原動力だったと思うのですが、時代は変わりましたね...。

最近の日本では、貧富の格差が酷くなっていると感じます。フリーで働く場合の報酬が劇的に低くなったと見ているのですが、東京の繁華街に行くと消費者であふれかえっているので、豊かな人たちがいるらしいのは確か。


貧富の差と言えば、フランスの方が日本より激しいのではないかという感覚を持っていたのですが、日本は先進国の中ではかなり貧富の差が大きい国なのでした。

フランスで貧富の差を感じるのは、住んでいるお家の違い。お金持ちと言えば、広大な庭園がある城に住んでいる人たちがかなりいるからです。

下は、個人が所有している城としてはもっとも規模が大きいヴォー・ル・ヴィコント城

ヴォー=ル=ヴィコント城
Château de Vaux-le-Vicomte

城の敷地は500ヘクタール(フランス式庭園が33ヘクタール)、建物の屋根の面積は2ヘクタール。

もっとも、こんな文化遺産をご先祖から相続すると、何かに利用しないと維持していけない。この城もミュージアムとして一般公開されています。

映画のロケやレセプション会場として使わせたり、年間28万人の見学客があるので収入は入るのですが、建物の維持費やスタッフの人件費が必要なので、結果としては毎年40万ユーロ(約5,200万円)の赤字経営なのだそう。これほどの城ならのでメセナもいますが、こんな城を維持できるほどお金持ちということですよね?...

外部の人が出入りしている城には持ち主が住んでも楽しくないだろうと思ったのですが、オーナーの貴族は城の建物の一部を住居として使っているようです。


日本では、6人に1人が貧困

私は東京での生活費しか分かりませんが、ご自慢する引き上げられた最低賃金の時給が千円にも届かないというのは酷いと思う。だって、日本は要らないものは安いけれど、食事や住居費など、最低限必要なものがフランスよりずっと高いのですよ!

日本人はフランス人ほどには食べないし、狭い家に住んでも耐えるし、一点豪華主義で満足できる国民性があるから、そんなに貧しいとは感じていないかもしれないですけれど。

日本の貧困率は1985年には12%だったのに、2015年には15.6%。
ひとり親家庭の貧困率は50.8%だそうです。

母子家庭が貧しいというのは本当なのですね。東京の友人の中に、ご主人に家出されて、女手一つで息子さんを育てている人がいるのですが、子どもさんの遠足の参加費が出せないとか、高校に入れるお金がないとか言っていました。彼女の仲間の単身で子育てをしている人たちの大半は、義務教育が終わったらもう働いてもらうケースが多いのだと言っていた。

フランスでは、女性たちが簡単に離婚するのですが、あれは生活費の心配がないから決心できるのだろうと感じています。

あれだけ超お金持ちに見える人たちがいても、日本より状態が良いのは、最低限の生活をしている人たちがそんなに貧困ではないからなのでは? フランスのニュースで、生活保護を受けている人たちの映像が出るのを見ると、私が東京で生活している環境よりずっと豊かそうに見えてしまっています。

最近の日本では、どう使われるのかも怪しげな国々にまで、海外支援に億とか兆の単位で支払っているのですが、日本国内の人たちを助けようとは思わないのかな?...


世界141カ国を比較した「収入不平等指数(ジニ係数)についてのランキング」を見てみました。

日本の収入不平等指数は、37.9%で、世界141か国の中で73位となっていました(2011年)

フランスのジニ係数は30.6%で、世界117位。


経済的な格差があると、普通なら、社会の不満となって暴動がおきる。

ジニ係数が60%以上だと「危険ライン」で、40%以上は社会騒乱の「警戒ライン」とされているのだそう。最近の日本の政策では、どんどん格差を広げている感じがするので、警戒ラインに入っているのではないかな...。

日本人は我慢強いから耐えるのかもしれない。あれだけやりたい放題、嘘八百を並べても、今の内閣を支持する人が3割もいるというのは、政治家が何をしても、まず批判する傾向にあるフランスではおこえないことだと思う...。


外部リンク:
1日5人が餓死で亡くなるこの国
飽食日本で起こった悲惨な餓死事件まとめ
悪化する日本の「貧困率」 2014.08.29
世界・収入不平等指数ランキング
国の所得格差順リスト

最低賃金、過去最大25円上げ=全国平均で848円-政府目標3%を達成 2017/07/26
社説:最低賃金の引き上げ それでもまだ低い水準だ 2017/07/27
☆ 厚生労働省: 地域別最低賃金の全国一覧
労働政策研究・研修機構: データブック国際労働比較2016 » 5. 賃金・労働費用
国際比較で考える日本の最低賃金 課題は「地域」「産別」の役割発揮にあり 2017/06/14
国際水準の「最低賃金」に及ばない時給引き上げ  2016-10-02
世界一「最低賃金」の高い国は? 日本12位、韓国13位 2016/02/21
国連が衝撃発表!国連「日本の最低賃金は先進国最低。生存基準を下回っている」フランスの最低賃金は9.43ユーロ(約1311円) 2014.01.13
☆ Wikipedia: 最低賃金 » Salaire minimum
☆ Wikipedia: Salaire minimum interprofessionnel de croissance
☆ Wikipedia: 各国の最低賃金の一覧
「月給制で働く人」が見落とす最低賃金の基本

☆ なぜ、「人づくり革命」に違和感を覚えるのか? 2017/08/08
☆ 悪評紛々! 安倍政権の「人づくり革命」 2017/08/10
☆ 人間をマシンに…安倍政権「人づくり革命」の露骨な魂胆 2017/08/12

安倍内閣の支持率、40%〜30%台に下落 各メディアの世論調査、加計問題が響く? 2017/06/19
マクロン仏大統領の支持率54%、前月から10ポイント下がる 2017/07/23
CHÂTEAU DE VAUX LE VICOMTE ; Une pme unique, qui a l’histoire en héritage
安倍首相のいきつけ 赤坂・日本料理店は超絶ブラックだった

ブログ内リンク:
★ シリーズ記事: 「奴隷のように働く」という例え 2014年
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ
★ 目次: フランスのホームレス、貧困者


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2017/07/06
6月の中旬に突然暑い日が来たら、虫たちが草むらで激しく鳴いているのが聞こえてきました。でも、虫が鳴いているなと思ったのは1日か2日で、また小鳥の鳴き声しか空に響かなくなっていました。

フランスにいて虫の音が気になるのは暑いときだけのような気がします。秋になっても虫が鳴いているのか観察してみたいと思いながら、毎年忘れてしまっています。

フランスの田舎で賑やかに聞こえてくるのは小鳥の鳴き声です。虫の声はそれにかき消されてしまっているのかも知れない。ともかく、鳥の方は色々な鳴き方をするので、こちらの方に興味を持ってしまうのは確か。


フランスで鳴き声が好かれる虫の代表は、コウロギ?

だいぶ前に見つけたサイトで、フランスで聞く小鳥の鳴き声の見分け方のレッスンをしているので、時々聞いているのですが、その中に虫の音のレッスンもありました。

やはり、虫の音はフランスでは夏の風物詩のようですね。レッスンは「夏の夜の雰囲気」と題しています。


Ambiance des soirs d’été : grillon d’Italie et grande sauterelle verte


ここでは、前半と後半い分けて、次の2つの虫の鳴き声を紹介していました。

Grillon d'Italie
イタリアコウロギ(?)
Oecanthus pellucens
Grande sauterelle verte
マンシュウヤブキリ
Tettigonia viridissima


これがよく知られている虫の音なのでしょうね。私も、フランスで聞く虫の音は、この2つが中心になって聞こえている気がします。品種は違うのでしょうが、コウロギとバッタ。

夜の9時頃から鳴きだすと説明しています。黄色い「イタリアのコウロギ」という虫の音が美しい。単調な鳴き声なので、寝付くのに効果的ですね。

「イタリアのコウロギ」という品種が実際に鳴いているのを撮影した動画がありました。


GRILLON d'Italie / Oecanthus pellucens / Chante la Nuit ! BRUITX


フランス語で「虫の音」というようなときには、「chant(歌)」という単語を使います。人間が歌うのもそれだし、小鳥の鳴き声も同じ。でも、昆虫は口で歌うわけではないので、歌と表現するのは適当でがないのでしょうね。


フランスには、美しく歌う虫が少ない

夏の夜の虫の鳴き声レッスンでもう1つ紹介されていた「緑色の大きなバッタ」という虫の方は、鳴き声が高音なので、聞き取れない人もいるそうです。


GRANDE Sauterelle Verte / Chant la Nuit ! BRUITX

言っては悪いけれど、つまらない鳴き声ですね...。

日本には特徴のある鳴き方をする昆虫がたくさんいますが、フランスにはそんなにいないと感じます。セミも南仏に行けばいますが、日本のように色々な鳴き方はしないで煩いだけ。

日本にいる虫の音には風情を感じますが、フランスでは雑音くらいにしか思わない人が多いのではないかという気がします。

コオロギが鳴いていると私に教えてくれるフランスの友人は、夏休みにバッタやコウロギを捕まえて籠に入れていたと話したので、子どもの頃のことを懐かしく思い出すから喜んでいるのではないかと思いました。


日本人が虫の声をめでるのは秋

俳句では、「虫」は秋の季語でしたよね?

フランス人が「虫が鳴いているよ♪」と言ってくるのは夏だと感じています。

日本には『虫のこえ』という童謡があったので聞いてみました。


10月虫のこえ(童謡・唱歌)

日本人が虫の音をめでるのは、やはり秋のようですね。この歌の中「秋の夜長を 鳴き通す」という歌詞が入っていました。

日本の夏は暑いので、秋になって虫の音が響いてくると、涼しさを感じて嬉しいのではないかな? フランスでは、夏が終わったら途端に寒くなるので、夏が終わってしまったのが寂しいし、虫の音に風情なんか感じていられないと思います。


虫の音を聞き分けられるのは、
  日本人とポリネシア人だけ、というのはオーバーでは?


むかし、イギリスで初めて野外コンサートに連れて行ってもらったときのことです。湖の畔に会場が出来ていて、庭でくつろぐときに使うような椅子を持ち込んでいる人たちもいてリラックスした雰囲気。

ところが、そのとき私は驚いたのでした。クラシック音楽なので音が非常に小さくなる時もありました。すると、私の耳には回りから聞こえてくる小鳥や虫の鳴き声しか聞こえてこない! みなさんは、そういう環境が全く気になっていらっしゃらない様子。

それで、なぜ私の耳には音楽より小鳥や虫の音が陣取ってしまうのか調べてみました。

日本人の演奏家だったか指揮者だったかが書いた文章があって、私が感じたことを裏書きしていました。ヨーロッパの人たちは野外コンサートを堪能できるのに、日本人はできない、と言っていたのです。

人間の脳は右脳と左脳とに分かれ、日本人は音楽や小鳥や虫の声を同じ側でキャッチしているので、全部混じってしまうのだ、ということでした。なるほどな、と納得。

この説明では、日本人は言語脳で日本語を感知しているけれど、外国語は音楽脳の方で処理している、というものでした。これも納得。日本語で何か考え事をしているとき、いきなりフランス人から話しかけられると、全く何を言われたのか分からないのです。「これからしゃべるよ」とか前置きをしてくれれば頭のスイッチを切り替えられるのに、いきなり言われたことを全く認識していないので、耳が悪いのじゃないかと思われてしまうのが悔しい!


再びインターネットで情報を調べてみたら、あの時に私が得たのは誤解していたのか、その後に新しい学説が出たのか、違うことが書いてありました。

西洋人は右脳(音楽脳)で虫の音を機械音や雑音を処理するが、日本人は虫の音は左脳(言語脳)で受けとめる、という説明でした。そうかな...。

さらに、日本人は虫の鳴き声を聞き分ける能力がある、という記述も目立ちました。何だか、ヨーロッパの人たちに「日本には四季があるのですよ」と自慢しているのと同じレベルではないかと思ってしまう...。


リムスキー=コルサコフが、熊蜂がブンブン飛んでいる音は聞かずに、飛び回っているのを見ただけで作曲したとは思えないのですけどね...。


ユジャ・ワン演奏による『熊蜂の飛行』


コウロギには、フランス人たちにも親しみがあるようです。シャンソンでもコウロギを扱ったものが幾つかありました。

マルセル・アモンの『コウロギのシャンソン』という曲では、コウロギを友達にして楽しくおしゃべりしている様子を歌っています。


Marcel Amont - La chanson du grillon

日本語訳の紹介がありました:
マルセル・アモン歌唱の「こおろぎ」の仏語 - よしだゆきおのシャンソン勉強会


ブログ内リンク:
日本の蝉(せみ)と、フランスの cigale の比較 2009/07/28
葡萄ジャムからワインを作るなどという醸造法があったの?! 2011/07/28
ちょっと怖いな... 最近の日本礼賛ブーム 2015/03/01

外部リンク:
日本人の音意識
なぜ日本人には虫の「声」が聞こえ、外国人には聞こえないのか?
秋の虫の声が心地いいのは日本人だけ?音と脳の働きについて
虫の鳴き声を「声」と認識する 日本人とポリネシア人だけだった
Insectes de France: Le chant des Orthoptères
☆ Chants d'oiseaux en Bourgogne: Insectes
Le grillon, son chant de cri-cri
虫の音って英語でなんて言うの?
虫のこえ(虫の声) 童謡・唱歌 歌詞と試聴



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2017/06/26
友人が面白いものを見つけたといってリンクを送ってきました:
こちらのページ

この絵に友人は「Une histoire de grands dadais et de nains malfaisants」なんていう皮肉な題を付けていました。



1958年に始まった第五共和政の歴代大統領と、一部の首相たちの身長を絵で表しています。

絵はオーバーに描いているのですが、数字を見てもかなり差があるのが見えます。

フランス人たちが身長を話題にする大統領の代表は、ノッポのシャルル・ド・ゴール(1.96 m)と、真ん中でカーボーイ姿に描かれているニコラ・サルコジ(1.68 m)でしょう。

ド・ゴール将軍は、ほとんど2メートルという身長。あだ名はgrande aspergeだったのだそう。細身で背が高いと、フランスではよく伸びたアスパラガスに例えられるらしい。右に立っている人ですが、アスパラのイメージかな...。


Sikorski、McNaughton、Churchill、de Gaulle (1941年)


最近大統領になったエマニュエル・マクロンは、テレビで見ていると背は余り高くないなと思っていたのですが、1.73 mとなっています。まあ、フランス人としては普通くらいの背の高さでしょうね。

実物にお目にかかって巨体だなと感じたジャック・シラクは1.89 m。やはり、かなり背が高かったのだ。シラク氏に目の前に立たれると圧倒される体格だと思った想い出があるので、その後にお忍びでトルコに来ていたミッテラン大統領にスークでばったり会った時は、小さいなと思ってしまった。でも、マクロン氏と同じ身長なのでした。


背が高すぎるのは殆ど茶化されせんが、可愛そうなのはチビの方。

「小人」なんていう悪口も言われたニコラ・サルコジ氏は、そんなに特別に小さいというわけではなかったのですよね。ナポレオンと同じに1.68 mです。ナポレオンの方は、この英雄が嫌いな人でもチビとは呼ばないと思います。

サルコジ氏の背が低いことが風刺ニュースで盛んに取り上げられたのは、彼が身長に対して強いコンプレックスを持っていたからだったと思います。

5センチくらい背が高くなる特製の靴を履いていたり、演説するときに小さな台に乗っていたり(後ろからカメラを向けられればバレルのに!)、外国の首相に会うときにはお抱えのカメラマンに彼の方が背が高いように見える角度で写真を撮らせたとか。

からかわれるのに事欠かないほど、ご本人が変なことをやっていたのでした。


Sarkozy, mon nain à moi


描かれている政治家たちの中には、サルコジ氏よりも小さい人がいました。ベルナール・カズヌーヴ首相。この人も背が低いことにコンプレックスを持っていたようなのですが、サルコジが背が低いと散々からかわれた後に首相になったからではないかな?... 風刺ニュースでからかわれていた記憶は私にはありません。

絵を眺めて、1メートル70ないと、フランス人の男性としては小さいと言われるかな、と思いました。ちなみに、フランス人の身長も昔より高くなってきていて、現在に18歳の男性の場合の平均は1.8 mらしいです。

イギリスでは上流階級は背が高くて、下層階級は背が低いのだ、と聞いたことがあります。背の高さを見ただけで、歴然と階級が分かってしまうのだとか。フランスでは、そういうことはないように思うのですけれど。





堂々とした姿の肖像画を見慣れているルイ14世は、サルコジよりさらに5センチ小さい1.63 mだったそうです。昔の平均的な身長は今より低いですから、小さいということはなかったでしょうね。

Louis XIV of France

ヒールのある靴を履いているし、鬘も高くしている。この当時の流行なので、違和感はなかったのでしょうね。


外部リンク:
En images la taille des présidents de la République française
Taille des Présidents  il manque 1 cm à Hollande pour battre Sarkozy
Pour gouverner, la taille, ça compte
☆ Taille moyenne homme
A quoi ressemble le Français moyen?
世界各国の平均身長
☆ Wikipedia: Liste des présidents de la République française » フランスの大統領
Top 10 des tailles de personnages historiques et politiques (pour bien se rendre compte)


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2017/06/17
少し日本を離れていてから帰国すると、日本の空気が違ってきているな、と感じることがあります。

それを強烈に感じたのは、1990年代に入った頃でした。日本で滞在するのは東京なので、日本が変わったというより、東京が変わったと言うべきかもしれません。

なんだか日本人がヒステリックになってきた、と感じて、日本が危ないような予感を感じたのです。戦前を知っている世代の日本人に、戦争が勃発する前にはこんな雰囲気なのではなかったかと聞いてみました。

もっと暗かった、と返事されて、なんとなく安心しました。でも、それから3年もたたないうちに、地下鉄サリン事件をフランスで知ったのでした。やはり何か不穏な空気が流れていたよな、と思ったのです。あれは1955年でしたか...。


当時は、今のように外国にいてもインターネットでニュースを見ることはできない時代だったので、余計に帰国したときに変化を感じたのだろうと思います。今はもう、空気が変わったなどという漠然とした感覚は味わわなくなりました。

あの時、戦争に突入する前の日本がどんなだったか聞いた人は、もう亡くなりました。いま聞いたら、何と答えられたかな?... 最近の日本は戦争にまっしぐらで突進しているようにしか私には見えないのですけれど...。平成の治安維持法と呼ぶ人もいるような法律も強行採決で通ってしまいました。


独仏共同出資のArteというテレビ局は、時々とても良い番組を作っています。先日は、「Tokyo, cataclysmes et renaissances」と題したドキュメンタリー番組があったので眺めました。「東京、破局と再生」とでも訳したら良いですか?

関東大震災(1923年)と、東京大空襲(1945年)で焼け野原となった東京が、現在の巨大都市になる過程を記録映像で見せていました。

空襲で、真っ黒に焼けただれた死体にあふれた東京。一緒にテレビを見ていた友人が、アメリカは日本に2回も原爆を落としたのだし、戦勝国になっていなかったら、史上最大の戦争犯罪をしたとして断罪されていただろうと言いました。

イギリス軍などは、軍事施設などを標的にして狙いうちするので安心だったけれど、アメリカは狙いを定めずに何処でも攻撃するので、フランス人たちは怖がったのだそう。

でも、東京大空襲も、全く無差別でもなかったと思えるのです。焼け野原に天皇陛下が見えていたので、皇居は空爆されなかったということでしょう? 本郷に住んでいた友人は、飛行機から爆弾が落ちてくるのを眺めていると、そこでは爆発せずに、少し先にある上野のあたりで破裂するとこになっていると分かっていた母親は自宅で呑気にしていたそうだ、と話していました。アメリカ軍は、戦争が終わったら東京大学を利用する目的のために、本郷は破壊するのを避けたらしい、とのこと。余裕ですかね。

ナチスは未だに卑劣な行為をしたと責められていますが、無差別殺人をしたアメリカはナチスより残忍だったと言うべきかもしれない...。


フランスでは広島の原爆がいかに残忍だったかをテレビで報道することが多いので、原爆投下に関する映像はよく見るのですが、関東大震災と東京大空襲の映像は、日本でも見たことがなかったように思います。それで、この番組は私にとって貴重なドキュメンタリーでした。

映画が発明されて、東京で一番初めに撮影されたのは1898年(明治31年)だったのだそう。


日本人は、逆境にもめげずに頑張る! という姿が痛々しいほど見えるドキュメンタリーでした。こんなに頑張って平和な社会を築こうとしてきた日本。それなのに、どうして戦前に戻ろうとしているの?...

太平洋戦争には負けたけど、次の戦争では勝つぞ ♪、という機運が最近の日本に生まれているのでしょうか?...

日本はキリスト教とイスラム教の憎悪問題からは外れているという恵まれた立場だったのに、イスラム教徒のテロリストを逆なですることもやってしてしまった。そこまでしてまで戦争をしたいの?... 戦争をすると儲かるという図式はありますが、収益を得るのはごく一部の人たちなのだから、皆で賛成するというのは理解できない...。 


この記録映像を見て気になったのは、ひと昔前の日本人の顔が今とはかなり違うということ。顔だちも、表情も、身のこなし方も違う。一場面を切り抜いて「これは何人でしょう?」というクイズを出したら、日本人だという回答は出ないのではないかという場面もありました。

栄養の関係もあったでしょうが、自我を無くして、お国のために生きることを強要されていた時代だったからなのでは?...


1時間半のドキュメンタリーでした。放送があってからしばらくは、全編をYouTubeでもARTEのサイトでも見ることができたのでリンクを入れていました。ところが、まもなく有料でないと見れなくなっていていたのに気がついたので訂正しました。

☆ ARTE Boutique: Tokyo, cataclysmes et renaissances

予告編のようなものは見ることができるので、リンクを置き換えておきます。


Tokyo, Cataclysmes et Renaissances - Bande annonce (En anglais)




日本人が優れているというのは、誰が何を言おうと、確固とした事実だと思っています。優れた頭脳の国民だといううだけではなくて、私欲を無くしてまで尽くし、なにしろ頑張る! さらに、昔から中国の文化を受け入れた歴史があるので、外国の良いところは吸収して、さらに優れたものに改善する原動力が日本にはあった。これがスゴイ日本の力だと思っていました。

フランス人は、文句ばかり言っている。身をこにして働かないでいたら、国際競争には負けて経済が落ち込むわけですが、それでも国がつぶれないでいるし、最低限の生活保障は日本の比ではないほどできているのだから不思議...。

日本が、日本人の素晴らしさを伸ばさないで、最近は行き止まりがあるような方向に走っているのが残念でなりません。日本を離れてみると、日本だけにいたら持たなかっただろうと思う祖国に対する愛情が生まれるのです。でも、外国に足を突っ込んでいる日本人は、最近の日本では「反日」とされてしまうのですよね...。

日本の政治家は、国際的な駆引きをする能力に欠けている。お金をばらまくけれど、どうせ日本はお金持ちだから出すのだろうという程度にしか外国では扱われない。戦争中に日本軍がしたことの収集だって、いまだに引きずっていている。あれほど国際的に批判されるほど残虐なことをしたドイツが、あればナチスの仕業だったということで政治t機に収集したのを見ると、上手くやったと感心してしまいます。


映像を提供した男性がいました。東京大空襲で住む家を失った当時2歳だった姿の映像です。家族でガレキをかき回して、何かお金に換えることができるものが見つかるかを探すのが、その人の遊びだったのだそう。痛ましいと思う光景でしょうが、男の科は無邪気で、お兄ちゃんに手を引かれて楽しそうに歩いている...。感動的な画面でした。

日本人は我慢強くて、逆境にも負けずに立ち上がれる国民なのだ、と見せたドキュメンタリー番組。淡々とした語り口で、日本を褒めて、見習わなければならないというのでもなく、ましてや日本人は異常だと貶したりはしていない。優れた報道番組で、日本人の私には感銘を与えてくれた内容でした。


日本の異常なほどの頑張りが間違った方向に向かってしまったのは、1964年の東京オリンピックからだった、と言っていた原子力発電に反対する先生がいました。それまでの東京は、のどかで住みやすかったけれど、殺伐としてしまったと感じたのだそう。

そうかもしれないな...。
でも、平和ボケしている私。

なぜか、命の危険を感じるような大事件のときには、現場にはいないのです。地下鉄サリン事件のときも、東日本大震災のとき、福島第一原子力発電所事故のときも、私はフランスにいました。さらに子ども時代にさかのぼっても、学生運動が荒れ狂った60年代末には、父親が地方に転勤していたのに同行していたので、東京で何がおこったのかは全く実感しませんでした。

最近にパリで大きなテロ事件があったときには、音信が途絶えていた日本の友人たちからも「大丈夫?」という連絡をもらったのですが、その2度とも、私は東京にいたのでした。なんなのだろう?!

日本の友だちに、危険を避けたかったら私と一緒に移動していたら良いのだ、なんて、悪い冗談を言ってしまう私。でも、戦争が始まったら、そんなことは言っていられません。戦争はなくて、生き地獄は見ないで済む幸運な人生を過ごしてきたのだから、長生きはしたくない、と思っているこの頃です。 

ブログ内リンク:
★ 目次: 文学者・哲学者、映画・ドキュメンタリー
★ シリーズ記事目次: フランスとドイツの友好関係を考える 2010/11/08
ちょっと怖いな... 最近の日本礼賛ブーム 2015/03/01
最近の東京は怖い...  2014/02/13

外部リンク:
Loi contre la conspiration et si le Japon renouait avec son passé le moins glorieux... 15 Juin 2017
「共謀罪」を何と訳すのか?
追悼…野際陽子が語った戦争を知らない政治家へのメッセージ「戦争の真実を知ってほしい」
作家・池澤夏樹氏が危惧「筋交いがない日本という家は潰れる」


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2017/06/01
フランスにいて面倒だなと思う風習に、手を握り合う握手と、相手を抱いてキスの挨拶があります。

私が苦手なのは、何十人も集まっている場に行ったときの挨拶。全員に向かってお辞儀をしたり、「こんにちわ♪」と手を振ったりして挨拶するわけにはいきません。一人一人に挨拶して回らなければならない! しかも、相手によって、握手にするかハグにするかを即断しなければならないので複雑です。

友人たちと例によって数時間も続く食事をしていたとき、彼らの知人についてうわさ話が出たとき、彼は自分に握手をしなかったことを理由に嫌っている人がいました。その男性と会った時、ご主人とは握手をしていたのに、その隣にいた彼女には挨拶をしてくれなかったのだそう。

数年前の出来事で、その話しは前にも聞いていたと思うのですが、そんなに挨拶されなかったことに恨みを持つものかと思ってしまいました。

このブログでは既にフランス式の挨拶について色々と書いているのですが、最近気になったのは握手の仕方でした。


握手の仕方で意思表示をしたマクロン新大統領

北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の報道をテレビで見ていたら、フランス大統領に就任したばかりのマクロン氏が握手する場面が映し出されたのですが、それがとても奇妙だったのです。

マクロン氏が、待ち構えている皆さんにご挨拶するという場面です。

青い絨毯の真ん中から少し左にずれて歩いて行く。そのまま歩いていけばアメリカ大統領のトランプにぶつかるはずなのに、方向転換をして、まずドイツのメルケル首相と抱き合って挨拶。マクロン氏はEU存続を主張して大統領に当選しているので、この画面は自然。相手は女性だからレディーファーストを見せたとも受け取れる。

次に、メルケルさんの隣にいたNATO事務総長と握手の挨拶。普通なら、その隣にいるトランプ氏と挨拶になるはずなのに、また方向転換して、メルケルさんを挟んで反対側にいたベルギーの首相に挨拶。

トランプ氏は、「俺様に挨拶しろ」とでも言うかのように手を差し出してくる。マクロン氏が握手すると、トランプ氏は握手した相手を引っ張るといつものやり方をしますが、マクロン氏は左手でトランプ氏の腕に静止をかけます。

さらに、トランプ氏がよくやる動作で、相手の肩をマクロン氏が叩いている。間をおいて、トランプ氏もマクロン氏の肩を叩く。ところが、そうした挨拶が終わった後、トランプ氏は口をあけて「やられた~」という顔をしたのでした。

動画で見るとスローモーションにできるので、再び眺めてみます。


Macron appears to swerve away from Trump at NATO summit

マクロン氏は、アメリカには負けないで、ヨーロッパでやっていくのだという意志表示をするために、計算づくでやったのだろうと思いました。


雌雄(しゆう)を決するトランプ・シェイク?

マクロン氏がアメリカには負けないのだという強気を見せた行動が面白いと思ったのは、我が安倍首相がトランプ氏と会って握手をした画面でした。ヘラヘラ笑わないで頑張れ! と言いたくなりました。

「お前は俺様の子分なんだぞ。言いなりになれよな」
「はい、そういたしますよ~♪」
「よし、いい子だ」
... としか見えなかった映像。


Trump shakes Japanese PM's hand for 19 seconds

握手が終わったら、安倍首相はのけぞって口を大きく開けて「参った~!」という表情をしています。

とは言え、口を開けて笑顔でいるのは恍惚状態のようにも見えるので薄気味悪い。道を歩いていた日本人が転んで起き上がる時に笑顔を見せるのと同じかな?... 外国人には奇妙に見えると聞いたとき、確かに変だと私も思って、そういう笑顔は見せないよう気をつけていますけれど。

ともかく、マクロン vs トランプの時と同じで、勝負は決まったという2人の勝敗を見せる表情が面白いと思いました。



トランプ氏の握手の仕方には特徴があります。アメリカが優位を持っているのだ、と見せる映像にするテクニックに見えます。

日本語でカードゲームを意味するトランプは、ポルトガル語の「切り札」から来ているのだそう。とすると、トランプのトランプは握手?

各国のトップに立つ政治家たちは、トランプ氏と握手する時にはどうするか対策を練っているのではないでしょうか?
Justin Trudeau
カナダのトルドー首相も、マクロン氏(38歳)より少し年上ですが、45歳と若い。

首相になりたてのときは、外国の要人と会ったときの握手にぎこちなさがあったようなのですが、トランプ氏との握手では、見事に負けてはいなかった、と評価されていました。


マクロン氏が別の場面でトランプ氏と握手している映像もありました。


トランプ氏の「握手外交」 マクロン氏は放さず

トランプ氏がやりたいままにグイグイと好きなだけ引っ張らせてしまったのは、日本の首相だけでもなかっただろうと思うのですが、日本人としては残念...。


マクロントランプ氏との握手バトルで、完全に勝っていたのはオバマ氏ではないでしょうか?


Smiles and a handshake; Trump meets Obama at White House

普通の握手の仕方をトランプ氏がしたのは、戦いの前から自分が負けている本人が思っていたからではないかと感じました。


国のトップに相応しい気迫

日本に隠し財産や愛人も作るほどの親日家だったシラク氏が大統領だった時代、こんなことを言っているフランスの友人がいました。

フランス人は、外国に行ったときなどに、フランス人は偉いんだと思わせるような風格のある人を大統領に選ぶ。

シラク氏は、テレビで見ていると愛嬌があってお人よしのように見えますが、目の前に立たれると、かなり威圧感がありました。背が高いし、体格が立派。こちらがタジタジになるほど怖い感じに見えました。

友人が言ったことも、そうかな... と思ったのです。ドゴール将軍も巨人と言えるくらい背が高かった。ミッテランは背は低いけれど、頭の回転はよく、威圧感がある。

でも、その後に大統領になったサルコジ氏とオランド氏は、ドジをやったりしていたので、友人の言葉には全く反した人でした。マクロン氏は、久しぶりに現れたフランス大統領のタイプかな?...

いまだにお笑い草になっているサルコジ大統領の失態の1つには、こんなのがあります。


Pourquoi Sarkozy était-il en situation de malaise après avoir rencontré Poutine?

プーチン大統領との話し合いを終えて、記者会見の会場に登場したサルコジ氏が、「ご質問はありますか?」と言っているのですが、どうにも変。ウオッカでも飲まされて、アルコール飲料は一滴も飲めない彼は酔っていたのだろうと言われたのですが、最近は、2人は酒は飲んでおらず、サルコジ氏がプーチン氏に威圧されて精神的に動揺し、異常な状態になっていたのだ、と言う人がいます。

マクロン大統領は38歳と若いし、政治経験にも乏しいのですが、かなり堂々としていて頼もしく見えます。プーチン大統領と会ったときも、相手にへつらわないで、真っすぐに主張していたようです。

大統領選挙の決勝戦の前に対立候補だったル・ペン氏との討論会を見るまでは、私にとってのマクロン氏は全く魅力を感じていない男性だったのですが、この人は、もしかしたらフランスを立て直すことができる人物なのかもしれないと思えてきています。


日本にも、外国の政治家を打ち負かすほどの風格があって、まともな議論もできる政治家がトップに立って欲しい。今回のG7の様子を見せるテレビのニュースでは、誰からも相手にされない孤立した姿の首相が映っていたので面白くない。記念撮影では笑顔を振りまいていましたが、日本人に受けることが欧米社会では通用しないことも多いので、私たちは不利なのだろうな...。

冷たい握手

変な握手には、トランプ氏とは逆に、やたらに味気ないやり方をする人がいます。

握手は相手の手を適度な強さで「握る」ものだと思うのですが、手を出すだけで、全く握らない人がいるのです。少し前にアキード事件を話題にしていたとき、その首相夫人と握手をしたら、余りにも味気ないので、「この人は、なんだ?!」と不快に思ったと言う日本の友人がいました。

私が経験したのは、若いフランス人女性との握手。誰だったかは忘れましたが、ずいぶん前のことなのに、あの時の異様な感覚は未だに残っています。

それから、手がやたらに冷たいのも奇妙でしょうね。

ミッテラン大統領の内閣のポストに就いていたことがある友人は、ミッテラン氏と握手すると、いつも手が異常に冷たかったと言っていました。後にミッテラン氏は癌を患っていたのに大統領の2期目に立候補したと批判されたので、冷たい手だったのは病気のせいだったのだろうと思いました。

冷たい手ということで好きなフレーズは、Pierre Alexis de Ponson du Terrailが書いた文章。

こんな感じだったと思います:
Sa main était aussi froide que celle d'un serpent.

その手は蛇の手のように冷たかった。

フランス語では「蛇のそれ」と言っているので、そのまま意味をとってしまうのだけれど、日本語では言葉遊びができないですね。


それにしても、トランプ氏の握手は面白い。というか、少し薄気味悪い。

こんなフェイク動画を作りたくなるでしょうね:
「ローマ教皇がトランプ大統領との握手を拒否したって本当?」決定的瞬間の真偽は…

トランプ氏が大統領選挙に出馬して発言していたことについて、ローマ教皇は、彼は本当のクリスチャンではない、と言っていましたっけね。

ブログ内リンク:
★ 目次: フランス式挨拶、親しさの表現

外部リンク:
☆ CNN: もはや代名詞? トランプ氏の印象深い「握手」集
☆ CNN: マクロン仏大統領、トランプ氏との握手は「決定的瞬間」
トランプ大統領の「変な握手」をボディランゲージの専門家が分析
ガーディアンの動画が暴いた「トランプ大統領の異常な握手マナー」、トランプ・ノーマルを許してはならない
トランプ氏との握手合戦は意図的と仏大統領 あれは「真実の瞬間」
トランプ大統領の凄すぎる握手 安倍首相は餌食になったが、あのイケメン首相は…
トランプ氏との握手「無邪気なものではなかった」 マクロン仏大統領の外交デビュー「合格」 米露首脳に「妥協せず」
安倍首相がサミットデマ吹聴!“G7が共謀罪後押し”“国連事務総長「共謀罪批判は国連の総意でない」”は全部嘘だった!
insolite あるいは ridicule ?


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2017/05/30
むかし日本でフランス語を勉強していた頃は、日本語で書かれたフランス語の学習書や、フランス社会を紹介した本は、全部と言えるほど買っていました。それだけ、フランス関係の本が少なかったということですけれど。

最近は、いくらでも本が出版されているのできりがないのと、勉強心がなくなっているので、ちっとも読んでいません。私が見ているフランスは一面だけですから、素直な気持ちで学ばないといけないとは思うのでしょうが、そうも言えるかな?... と考え込んでしまうことがタイトルになっていることもある...。

前回に書いた「フランスにはシャッター通りがない?」の続きです。

こちらは現実とは正反対ではないかと思ってしまった ↓

フランス女性は太らない
― 好きなものを食べ、人生を楽しむ秘訣


ミレイユ・ジュリアーノ (著)


極端なダイエットはしない。頭を使って毎日3食、栄養あるものを適量、心から味わう。そして、歩くことや階段を上ることなどのちょっとした運動を生活にとりいれる。フランスの田舎の四季と食べ物の思い出話とともにカラフルに語られる優雅で健康的な生き方。世界300万部のベストセラーを簡単なレシピ付きで文庫化。

フランスにはスマートな女性もいますが、日常生活で出会う人たちや、テレビに映し出されるフランス女性を見ていると、「太らない」とは絶対に言えないと思うのだけれどな...。少なくとも、太った人が少ない日本人に、フランス女性はスリムです、とは言えないですよ...。

パリのような大都会にはスマートな人たちがいる。それから、生活レベルが高い階層だと、フランス女性はカッコイなと思う体形の人がかなり多いと言えるかもしれない。それと、子どもや若い人たちは、余り食べないからだと感じますが、痩せている場合が多い。

でも、フランスの田舎で見かける女性たちは、30歳過ぎれば太っている方が普通に感じます。

こんな感じ ↓



別のテーマでブログを書くために、先日行ったレストランで撮影していました。こちらに背を向けているのはの利用客らしく、それ以外の2人はレストラン経営者の家族としてお給仕をしていた女性たちです。

私がフランスで付き合っている中年女性は、ほぼ全員が痩せたいと言っています。

無理してダイエットしたり、毎日その辺を散歩をするという努力までしないで良いのではないの... と思いながら観察してしまったら、彼女たちはお尻が大きくなってしまうのだ、と気がつきました。



フランス人が言うには、女性はお尻が大きくなり、男性はお腹が膨らむ、というのが普通の太り方なのだそうです。「私が太ったらお腹が出る」と言ったら、「あなたは変だ」と言われてしまった! でも、日本人の場合はそうではないですか?...

「私のお尻の肉を少しあげたいけどね...」なんて私に言う友達もいました。痩せているのもまた、良いイメージはないのです。

「痩せる」をフランス語に訳すとmaigrir。それから作った単語らしい「maigre」という形容詞があります。それで、若い女性に「あなたはスリムだ」と言うつもりでmaigreを使ったら、「そんなことないわよ~!」と不快な顔をされてしまったことがありました。傍にいた別の友だちが、貶すつもりはないのなら「mince」を使うべきなのだと教えてくれました。


太っていても、痩せていても、ご不満なフランス女性たち...。

ここに写真を入れた女性たちは、理想的な体重を少しオーバーしている、というレベルだと思います。

肥満体とは?...

フランスで「肥満体」と呼ばれる太り方は、このくらいでないといけません ↓

http://www.20minutes.fr/sante/2073071-20170522-video-obesite-efficacite-ballon-gastrique-prouvee-scientifiques-italiens

このレベルになった人たちを見ると、何とかした方が良いのに... と思ってしまいます。歩くのさえ、とても辛そうなので。


太っているかどうかを判断するには、日本でもフランスでもBMI(ボディマス指数)というのを使っていました。

BMI = 体重(Kg) ÷ 身長の2乗(m)

フランスなど欧米諸国では、BMIが25を超えると過体重、30以上は肥満。
日本の厚生労働省は、25を超えたら「肥満」としているそうです。

つまり、身長160cmで体重が65Kgの場合、フランスでは過体重で要注意レベルですが、日本では肥満とされてしまう。この人の体重が78Kgまで増えれば、フランスでも肥満とされる、という違いがありました。


30歳~69歳のフランス人を対象にした最近の調査では、2人に1人が体重オーバーだったのだそう。

フランス人男性の41%が、BMIが25を超える過体重で、そのうち16%がBMI 30を超える肥満体とされたとのこと。女性の場合は、体重オーバーは25%だけですが、その中で肥満体とされたのは男性と同じに16%でした。

女性の方がスマートな人が多いとは言えますが、日本の基準でいったら、フランス女性の4人に1人は肥満体なわけです。

なぜ「フランス女性は太らない」などという断定的な言い方にできたのか不思議だったのですが、この本を書いたのはアメリカ人なのでした。

アメリカ人は太った人が多くて、日本の基準では「肥満」とされるBMI 25以上は7割近いらしい。

OECDが行った成人の肥満率調査(2015年)を見たら、アメリカの肥満率は38.2%でトップですが、フランスは15.3%でした。それからいくと、アメリカ人がフランス人のように太らない方法を知りたがるのは分かります。

でも、日本の肥満率は3.7%と、調査対象とした国々の中で最も肥満率が低くなっていたのです。こちらのPDFの5ページ目に各国の肥満率比較のグラフが入っています。

日本人がこの本を読んで学んだら、太れる方法になってしまうかもしれないではないですか?!...

この本の英語版のタイトルは『French Women Don't Get Fat』 でした。フランスでも翻訳が出ていましたが、フランス人はタイトルをそのまま訳すには気が引けたのではないでしょうか? あるいは、そのまま訳したら、皮肉を言っている、と反感を持たれてしまうと翻訳者は心配した?

フランス語版のタイトルは『Ces Françaises qui ne grossissent pas : Comment font-elles ?』となっていました。「フランス女性」に「Ces(これらの)」を付け、太っていないフランス女性たちのことを書いていると受け取れるようにしたのではないかな?....





もう1つ、こんな言い方ができてしまうの? と思った本もありました。

フランス人は年をとるほど美しい

ドラ・トーザン (著)

年をとることは成熟すること。わがままに生きる、自由に生きる、細かいことは気にしないのが若返りの秘訣。東京在住のフランス人が教える最高にHAPPYな年のとり方。

成熟することで女性は磨かれる。もっとわがままに生きていい。東京在住パリジェンヌの“美”の教科書。

フランスでは、日本のように女性が年をとったことに対する軽蔑的な見方はないので、このタイトルは間違ってはいないと思います。

悲しみよこんにちは』の著者として日本でも知られているフランソワーズ・サガンが来日したときには、インタビューされると必ず年齢のことを言われると怒っていました。彼女は日本人が描くような素敵なフランス女性ということで、美しく年をとることについて日本の記者は聞きたかったのではないかと想像したのですが、彼女には侮辱だったらしい。

歌手のリアーヌ・フォリーに電話インタビューするのを手伝ったときも、質問文の中には年齢に関するものがありました。30歳になった彼女は、もう若い女の子という魅力だけではやっていけなくなったわけだけれど、それをどう考えているか、という質問でした。そういえば、日本には「三十路(みそじ)」というのがあった。でも、30歳になった程度で、もう若くはないのだ、なんてフランス人に言ったら怒りだされてしまうだろうと思って、婉曲な言い方に変えるのに苦労しました!

日本では、女性が年をとったら女ではなくなるような目で見る傾向がある...。東京都知事だった石原慎太郎が言った「女性が生殖能力を失っても生きているってのは無駄で、罪です」などというババア発言を、もしもパリ市長がやったら、政治家としての道は完全に閉ざされただろうと思います。


でも、「フランス人は年をとるほど美しい」とまで言えてしまうかな?.. 「美しい」と感じる人になるかどうかは、人によって大きな差がありますよ~。


★ フランス人って、どうしてこんなに食べられるのだろう?...【2】 2006/05/28


高齢になっても、フランスの女性たちが美しくあろうと努力する度合いが強いのは確か。でも、派手な服装やアクセサリーを身につけるのは平気だし、厚化粧もするので、それを下手にやられると化け物だと感じてしまいます!

役場の多目的ホールではよく食事会が開かれて、食事が終わる頃にはダンスを楽しむ時間になります。こういう集まりに来るのは、熟年以上の高齢者たちばかりです。先日も終戦記念日に開かれた集まりに行って、私は踊らないので、高齢者たちが踊っていまるのを眺めていました。フランス女性はセンスが良いというイメージを持っている日本人に見せたら、これがフランス?! と言われてしまうだろうな... と思ったのでした。


ひところの日本では、オバタリアンという言葉が流行りました。1989年に流行語大賞で金賞を取っているので、30年近くも前でしたか。知らない方もあるかもしれないので説明すると、図々しくて、羞恥心がないのがオバサンの特徴だとして、中年女性を貶す言葉です。

でも、フランスの高齢女性たちの図々しさに比べたら、日本のオバタリアンなんて可愛いものですよ~!

フランス女性を京都の案内したとき、お寺の庭でモンペ姿の年取った小柄な女性が掃除をしていたのを見て、「可愛い! なんて可愛らしいのでしょう!」と感激していたのを覚えています。

そう言われたら、フランスの高齢女性には、こういう風に愛らしいと感じる可愛らしさはないはないな、と思いました。威張っていて、憎らしく見える人の方が多いのです。

1970年代に女性解放が進む前に生きたフランス女性たちは、徹底的なレディーファーストを受けて育ってきたので、自分は偉いのだという思いが強いから図々しいのが1つ。さらに、年をとったら大切にされるものだ、と思っているから図々しいのが2つ目の理由。

フランス女性は「わがままに生きている」と言えるかもしれないけれど、それが美しいこととイコールにできるのだろうか? 美しい姿を保っていて、上流階級にいれば、いくらでもチヤホヤしてはもらえるでしょうが、ごく一部のはず。自分勝手で憎らしい高齢女性は、やはりフランス人の男性からは嫌われています。

著者はフランス人らしいので、フランス人向けにはどういう風に言っているのか知りたかったのですが、フランスのアマゾンサイトでDora Tauzinを検索したら、日本語の本しか出していらっしゃらないようでした。


もしも太らなかったり、実際の年齢よりも若く見えるということなら、フランス人の方が日本女性から学ぶことの方が多いはず。... と思ったら、そういう本がフランスでは出版されていました。

日本女性たちはなぜ年をとらず、太らないのか、ということを書いているらしい本 ↓


Pourquoi les Japonaises ne vieillissent pas et ne grossissent pas : L'art de vivre japonais au service de la santé et de la minceur 

他にも、日本人が健康的に痩せていられる秘密は何かという感じで、『Secrets santé et minceur du Japon』という題名の本など、数冊が見つかりました。

最近のフランスで日本食が流行っているのは、健康に良いし、太らない料理だ、ということが大きな魅力になっているからです。タイトルにはしないでも、内容としては日本人を見習おうという本はもっとあるだろうと想像します。


フランス女性は年をとっても美しいと言うよりは、男性たちが高齢でも女性として扱うから、彼女たちは生き生きしていると強調するのなら納得します。でも、それを前面に出したタイトルにすると日本の男性たちには不快感を与えてしまいそう。

最近の日本礼賛ブームの中で、日本に住んでいるフランス人がそんなことを言ったら「反日」とか言われて袋叩きにされるから避けたのかもしれない。もっとも、書籍の批判コメントを見ると、反日扱いしている人たちがいますね。



↓ こちらも、同じようなテーマ?


セクシーに生きる
- 年を重ねるほどに、フランス女性が輝きを増す秘密
ジェイミー・キャット・キャラン(著)

フランス女性はファーストフードを好みません。同じように、即席のセックスも好みません。もちろんアバンチュールに身をやつす瞬間はありますが、その際はすべてが秘密のまま終わるよう、細心の注意をはらいます。愛に関するほとんどすべてにおいて、フランス女性は時間をかけ、ふざけ合いや誘惑、相手を惹きつけるプロセスを愉しむのです。


そういうフランス女性もいる、という程度だと思いますけどね...。





ついでに、不思議に思ってしまった本のタイトルを、もう1つ挙げておきます。

フランス人は10着しか服を持たない
~パリで学んだ“暮らしの質"を高める秘訣~


ジェニファー・L・スコット (著)

間食はせず、食事を存分に楽しむ。上質な物を少しだけ持ち、大切に使う。日常のなかに、ささやかな喜びを見つける。典型的なカリフォルニアガールだった著者は、フランスの貴族の家にホームステイすることになる。その家を取り仕切るマダム・シックから学んだ、毎日を“特別な日”のように生きること。

服をたくさん持つか否かは、人によりますけれどね...。頻繁に会う中なのに、会うたびに違う服を来ている友人も多いです。男性でも、女性でも。

フランスはファッションの国と言われますが、素敵だと感心するようなファッションでいる人は例外的だと思う。生活費の中で最も重きを置いているように見えるのは「住」の部分で、経済的に余裕がなかったら、まず衣服費から節約するかもしれない。

服をたくさん持たないことにしているフランス人もいるでしょう。フランスには四季がありますが、真夏でも真冬の服装を着るほど寒い日もあるし、ジメジメと暑い日はほとんどないので、真夏用の服を持たなくても生活できるかもしれない。

でも、10着というのは余りにも少なすぎるではないですか?!

フランス式のかっぽう着のようなものがあって、ひと昔前の田舎では高齢女性たちのユニフォームのように見えるほどでした。


★ フランスのエプロン 2009/02/10


これで毎日を過ごせば10着で足りるかもしれない。でも、そういう話しではないですよね? フランス人は洗濯をほとんどしない、という話しでもないでしょう?...

突拍子もないことを書いたタイトルにすると読んでみたい気にさせるから、というのが狙いではないのかな?...



ところで、ここに並べた書籍の著者は、全て日本人ではないのでした。

特にアメリカではフランスに対する憧れが強いようです。フランス女性は美しいし、子どもの躾けも良いのだという本が最近はたくさん出版されているのだそう。そうなると、アメリカに住んでいるフランス人たちは、イメージを破ってしまわないようにしなければいけないわけで、居心地が悪くて困っているのではないか、なんて書いているフランス人もいました!

いずれにしても、日本でもアメリカでもフランス女性が素晴らしいという主張は、パリなどの大都会で生活するセレブたちに代表させているイメージだと感じます。私はそうではないフランス人たちの方が好きなのだけれどな...。


ブログ内リンク:
スリミ・ダイエットをしている友達 2013/07/08
カフェで「ボクの愛しい人」と呼ばれてしまったのには理由がある 2006/08/14
フランスのイメージは良すぎるのでは? 2013/08/02
ちょっと怖いな... 最近の日本礼賛ブーム 2015/03/01

外部リンク:
La femme française, un rêve toujours américain
Le surpoids gagne du terrain, l'obésité stagne en France  26-10-2016
Obésité En France, 15% des adultes sont concernés et la tendance va s'aggraver 19.05.2017
☆ Marie Claire: Les Françaises ne grossissent pas : notre silhouette vue par les Américaines
Mensurations à quoi ressemble la (vraie) femme française
☆ OECD: Obesity Update 2017
☆ Wikipedia: ボディマス指数(BMI) » Indice de masse corporelle(IMC)
☆ PRESIDENT Online: なぜフランス女性は「年を取ること」を恐れないのか?


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2017/05/21
フランスの地方都市で閉店している商店が軒を連ねている風景には慣れていたのですが、先日行ったディジョンにも同じ状態になっている商店街があったので驚きました。

ディジョンはブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏で最大の都市で、コート・ドール県に住む人たちの約半分がこの都市圏に住んでいます。つまり、ブルゴーニュでは最もにぎわっているはずの町なのに、あれほど賑わっていた通りに閉まった店がたくさん並んでいたのでした。しかも、ディジョンの中心地にある商店街といったら、ここは2番目くらいに代表的なところだったのに...。



この通りでは買い物しなくなってから何年もたっていたように思います。歩行者天国になったので、車で通り抜けることもなくなっていました。



日本には「シャッター通り」という言葉がありますが、フランスでは同じような言い方を聞かない気がします。シャッターは閉めないものかなと思って眺めてみると、あることはあるのでした。



でも、シャッターは下さないで閉店している方が多いかな... と、つまらないことを観察。



この通りで、何割くらいが閉店していたり、閉店セールをしているか知りたいとは思ったのですが、そこまでは計算してはみませんでした。

営業している店を見ると、昔とはかなり変わっているのに気がつきました。以前は洒落たものを売っている衣料品店などが多かった商店街だったのに、今では安物を扱ったりしていて、魅力がない店が目立つのです。不況からの生き残り作戦かな?...


いくらフランスの経済が滞っているといっても、こんな大きな町で商売ができなくなっているほどではないと思うので、フランスが深刻な不況だからというだけの理由ではないかもしれない。

ディジョンの町はずれに大きなショッピングセンターが出来たとき(1990年)、そこに入ったのは町の中心部にある商店でした。2カ所に店舗を構えるのは不経済なので、町中の方は徐々に閉店していったのかも知れません。

 

フランスでは夫婦共働きが普通で、日曜日は商店が営業しないので、買い物をするとなったら土曜日しかない。となると、何でもそろっていて広い駐車場があるショッピングセンターや巨大スーパーに行って買い物する方が便利なのです。


私がフランス語を勉強するためにたまたま選んだのがディジョンだったので、一番初めに住んだのはこの町でした。下宿先の家庭と親しくなったので、東京で就職してからも毎年遊びに通っていました。何年たっても何の変化のない美しい古都という感じで、町の目抜き通りにある一番美味しいケーキ屋さんが閉店して、マクドナルドになるらしい、なんていうのが大ニュースになっていた程度でした。

ところが、21世紀になってから、ディジョンの街並みはずいぶん変わりました。

歩行者天国が増え、道路や広場は美しく整備され、若者の姿も目立つようになって活気づいたのです。昔は、日が暮れると人影もまばらになり、商店が休みの日曜日にはゴーストタウンになるような記憶が残っているのですけれど。

歩行者天国が増えた見返りに、駐車場は激減したので、車で買い物に行くには非常に不便になりました。ディジョンの中心部で大きな朝市が開かれるので時々行くのですが、駐車スペースを見つけるまでに、いつも1時間くらい町の中をグルグル回っているように思います。


ディジョンの町が大きく姿を変えたのは、社会党の市長さんになってからでした。この日、その市長さんが歩いているのを見かけたので、観光客が街並みの写真を撮っているような顔をしてカメラに収めてしまいました。



ブルゴーニュ公国時代の宮殿の裏にある小さな公園。ここも見違えるほど美しく整備されたので、それをご視察なさっていたのかな?...

私はディジョンの町が美しくなったのは良いことだと思っているのですが、この市長さんがすることに反対意見を持っている人もかなりいると聞いています。

パリのような大都会に住むのでない限り、車がないと動きがとれないフランスなので、車立ち入り禁止にされた通りに面した商店などは客が減ったと文句をつけるだろうと思います。フランスで誰が極右政党に投票するかというと、1つのパターンは飲食店や商店を営んでいる人たちだと言えるのです。


この日、ブルゴーニュ最大都市でさえも閉まった店がたくさんあることが目についてしまったのは、こういう本が出ていると知ったからでした。

フランスの地方都市には
なぜシャッター通りがないのか:
交通・商業・都市政策を読み解く


ヴァンソン藤井由実 (著)

日本と同じくクルマ社会で、郊外には巨大なショッピングモールがあるのに、なぜフランスの地方都市の中心市街地は活気に溢れ、魅力的なのか。「駐車場と化した広場」から「歩いて楽しいまちなか」への変化の背景にある、歩行者優先の交通政策、中心市街地と郊外を共存させる商業政策、スプロールを防ぐ都市政策を読み解く。


読んだわけではないので何も言えません。フランスの地方都市が美しく整備されてきているのは確か。でも、シャッター通りは増え続けていると私は感じるのだけれど...。

著者によると、人口10万から80万を地方都市と呼んでいるのだそうです。ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏では、その定義に当てはまる都市はディジョン市(15万人)とブザンソン市(12万人)しかなく、県庁所在地レベルでも人口は5万人を超えません。

フランス全体でみると、パリとマルセイユを除いた40の大都市を対象としているということになります。そのくらい飛びぬけて大きな町々についてのことだったら、「シャッター通りはない」と言い切れるかもしれない...。

でも、パリのシャッター通りについて報告がありました。ルーブル博物館の横にあるアンティークモールは、2割位くらいしか店が開いていないらしい。博物館のように骨董品を眺められるのが好きで、何度も行ったことがあるところなので、あそこがそうなったのかと驚きます。やはり不況の影響かな...。


他にも、そう言えるかなと不思議に思った書籍のタイトルがあったので書きました:
フランス女性は誰でも美しい? 2017/05/30

ブログ内リンク:
★ 目次: ブルゴーニュの古都ディジョンの観光スポットや特産品など
★ シリーズ記事目次: フランスの市町村について 2008/11/19

外部リンク:
☆ AFP: 大都市びいきに怒る「忘れられた」地方部、仏大統領選
☆ 現代ビジネス: 極右マリーヌ・ルペンが握る「EU崩壊」の引き金
☆ 教えて!goo: 欧米の都市にシャッター通りはありますか?
☆ Wikipedia: フランスの都市の一覧


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2017/03/12
ル・モンド紙のサイトに、歴史に痕跡を遺した10人の女性を選んだ記事がありました。日付が今年の3月8日になっているので、国際女性デー関連として作った記事のようです。

動画が入って、日本人らしき女性の姿が見える。誰を取り上げたのかなと興味を持ちました。


10 femmes qui ont marqué l’histoire


中野 竹子

10人の中に選ばれていたのは、幕末におこった会津戦争のときに婦女隊(じょうしたい)として武器を持って戦い、二十歳そこそこで命を落とした中野竹子(1847~68年)という人でした。

死後に描かれたという肖像画(法界寺蔵)がWikipediaに入っていました。



聡明で、かなりの美人でもあったようです。日本では、2013年に放映された大河ドラマの『八重の桜』にも登場していたそうですが、私は見ていません。

ル・モンドの動画では、主観的に10人の女性を選んだそうです。フランスだったら、まずジャンヌ・ダルクを入れるべきだと思ったのに入っていません。


中野竹子は、フランスでも知られた人物だったのでしょうか?

Wikipediaでもフランス語ページが出来ていたし、他にもフランス語の記事が幾つか出てきました。
☆ Wikipedia: 中野竹子 » Nakano Takeko


彼女にスポットを当てたドラマ仕立てのドキュメンタリー『Samurai Warrior Queens』が2015年に作られていました。


Samurai Warrior Queens TRAILER



Women Were Some of the Fiercest Samurai Warriors Ever


西洋人は「女サムライ」とか言って、気にいるお話しだろうな、と思いました。フランスでも、このドラマドキュメンタリーは『Takeko et les guerrières samuraï』という題名で放映されたようです。

50分の動画があったのですが、最近の私は「お国のために死ね」という言葉を聞くのにうんざりしているので見る気にはならなりませんでした。

12. 一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ

でも、全編が入っている動画なので埋め込んでおきます。


Takeko Et Les Guerrières Samurai

追記:
見たくないと言いながら、やはり気になったので視聴しました。日本ではこうなのだと紹介しているだけで、中野竹子の心理などについての掘り下げはなく、私には全くつまらない作品でした...。



女武芸者

Wikipediaでは、「Onna-bugeisha(女武芸者)」という項目が、英語でもフランス語でも出来ていました。もちろん、江戸時代の例として中野竹子に触れています。

こんな絵が添えられています。

Onna bugeisha
Une onna-bugeisha armée d'une naginata, l'arme de prédilection de ces femmes combattantes
Peinture de Kuniyoshi Utagawa
『誠忠義士傳』より「大星良雄内室 石女」(歌川国芳作)


女性が戦うとなったら、やはり薙刀(なぎなた)ですか...。

日本語の記事はWikipediaに作られていないようなので、日本では「女武芸者」をどう定義しているのか調べてみました。

江戸時代には「別式女(べっしきめ)」と呼ばれる女性のプロ剣術家がいた。大小(二刀)まで差し、眉を剃り、眉墨もせず、青く眉の跡が残っており、着物も対ツ丈に着て、引き摺っていない勇ましい格好をしていたらしい。

そして、武芸をたしなむ女性は「女武芸者」と呼ばれた。

Googleフランスで「onna-bugeisha」をキーワードにして画像検索すると、漫画風の絵もたくさん入っていました。フランスでは日本の漫画やアニメに人気があるそうなので、女武芸者はその当たりからも入って知られているのかな?...


中野竹子の写真として使われているのは、武芸者ではなくて、芸者?

他のサイトでも、歴史の流れを変えた女性の写真を並べていたので眺めてみました:
21 portraits de ces femmes, parfois méconnues, qui ont changé le monde

21人を選んだリストですが、11番目に大正・昭和期のフェミニスト木村駒子が入っていました。

もう一人、4番目に女武芸者として鎧兜姿の美しい日本女性の写真が入っていますが、名前は書かれてありません。

フランスの記事では、これを中野竹子の写真として入れているものもありました。でも、戊辰戦争のときにこんな記念写真を撮っていたとは奇妙ではないですか?

例えば、こちらは合気道クラブのブログらしきサイトに入っている女武芸者に関するPDFなのですが、スクロールして4ページ目に行くと、中野竹子として、同じ写真を入れています:
Onna Bugeisha ou femme Samuraï

この記事では、彼女は1868年に死亡とあるのですが、タイトルでは明治時代の女性サムライとされています。この写真が撮影されたのは明治時代のようなのですけれど、彼女はそこまでは生きていない!

つまり、フランス人が日本のことを書くといい加減になる? とすると、始めに入れたル・モンドの記事で使っていた写真も別人のもの?



Wikipediaに入っていた中野竹子の肖像画は、きつい性格の女性に見えるのですが、なまめかしい女性の写真もあったので奇妙だったのです。

Googleフランスで「takeko nakano」をキーワードにして画像検索すると、美しい女性の凛々しい姿が色々でてくきます。よく眺めて比較すると、眉毛や口元がかなり違うので、同じ人物には見えません。

どうやら、フランスのサイトで使っている中野竹子の写真は、芸者さんなどがポーズをとった写真のようなのでした:
☆ 写真で見る昔の日本: 鎧と女性

絵葉書らしき書き込みがある写真も多いので、日本にやって来た外国人たちのために作成していたのではないでしょうか?

絵葉書という習慣ができてからの写真だったら、江戸時代ということはありえないでしょうね。

絵葉書が好まれていたことを書いた過去の記事:☆ 洞窟で隠者のような生活した、ヨーヌ県の伝説的な男性の話し 2013/06/30


さすがに、日本で中野竹子について書いている記事では、フランスのサイトで使っているような女武芸者の写真は使っていませんでした。フランスの記事でも、下に情報リンクとして入れる真面目そうな記事ではイラストには使っていませんね。

なぜフランス人が中野竹子のことを知っているのかと思って、フランスのサイトを眺めてしまった私が悪かった! 日本のことなのだから、日本の情報だけを読めば良かったのだ...。

外部リンク:
☆ 会津物語: 戦場に咲き誇った一輪の花 中野竹子
中野竹子(なかのたけこ)と娘子隊(じょうしたい)
☆ 剣客商売の時代の剣術: 女武芸者
☆ 教えて!goo: 女性の“サムライ”は実在した?
Samurai Warrior Queens (TV Movie 2015)
☆ Le Monde: Dix femmes qui ont marqué l’histoire
Nakano Takeko, cheffe de l’ « armée des femmes «L'Histoire par les femmes
Nakano Takeko, femme samouraï
Nakano Takeko et le Jōshitai le mystère des ‘femmes samurai’

内部リンク:
★ 目次: 文学者・哲学者、映画・テレビ番組


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2017/03/03

フランスでは4人に1人は、祖父母の代にまで遡れば外国人の血が入っていると聞きましたが、そうだろうなと感じます。

私がいるような田舎にも移民の子孫はたくさんいますが、ヨーロッパ諸国から来た白人系ばかり。それ以外の出身者と出会うのは、県庁所在地のような大きな町。でも、フランスには色々な肌の人たちがいるのだと実感するのはパリですね。


絆創膏の色

だいぶ前のことですが、フランス人と話していて、想像してみたこともないことを言われました。どこかの会社が肌の色によって選べるバンソウコウを発売したのだそうで、すごいアイディアだ! と褒めていたのでした。

当時はインターネットは普及していなかったので、どんな絆創膏なのか想像してみただけだったのですが、今なら画像を探せました。なるほど...、こんなバラエティがありますか...。



色付きだと、こんなにも違うというのが、こちらの画像で効果を見ることができます。

日本では、いわゆる「肌色」以外のバンソウコウは売っていないのではないでしょうか? 探してみたら... そうそう、子ども用のキャラクター付きのがあった。面白いので、日本で買ってフランスの子どもにプレゼントしたことがあります。
  
それはお遊びで良いのだけれど、子ども用でもなさそうなのに、青やピンクの絆創膏もある!



何かと思ったら、工場内での作業に使うための目立つ絆創膏なのですって。剥がれて何かに紛れ込んでも見つけ出しやすいし、金属探知機で検知もできるようになっているのだそう。

便利になりすぎると、不便になることもあるのですよね。自動車が音もなく走ると、近寄ってきても分からないから轢かれてしまう。だから、ある程度は音を出して走るようにする。


肌の色は何色に分ける?

少し前に聞いたトランプ大統領の就任演説で、1つ気になる部分がありました。

Whether we are black or brown or white, we all bleed the same red blood of patriots.

肌の色に係わらず、人間なら誰でも赤い血が流れている。うまいことを言いますね。でも、彼は国籍で差別したのだから、良い演説だったとは思わないけれど。

こういう場合、血の色を持ち出さないとしたら、他に何が人間に共通と言えるだろうか思いました。

そうしたら、先日書いたフランスのチーズに関するドキュメンタリーの中で、人間が初めて体験する味覚はミルクの味だから、我々はみなミルクの兄弟なのだ、という発言がありました。なるほど...。でも、考えてみれば、それが「哺乳類」と言われる所以なのですから、うまい表現を見つけたと感心することはない...。

ところで、トランプさんが出していた肌の色は、黒、褐色、白でした。アメリカにはたくさんいるはずのアジア系の人たちは無視しているのか、この3つの中の何処かに入るからそれで良いのだろうか?...

フランス語のページでは、肌色の3色をこう表現している人がいました:
peaux mates, noires ou métissées

黒は出しているけれど、白を避けているのは良いかもしれない。

絆創膏の色は5色だったのに、単純に分けると肌の色は3色かな?...

そうすると、日本人としては、黒でも白でもないけれど、褐色と表現するには抵抗があるではないですか? ヨーロッパで子どもを育てている日本人が書いていることを読んだら、私たち黄色人種は褐色に入れられるということのようでした。

20世紀半ばに調査された肌の色の分布図がありました。



8種類に分けていますね。私に意外だったのはオーストリア。アメリカと同様に白人に占領されているようなイメージだったのですけれど...。

もっと細かく分けたのは、こちら ↓


Échelle chromatique de Von Luschan

これだけ並べるなら、濃いピンク色も入れたら良かったのに...。

アメリカに留学した韓国人の友達は、自分よりずっと色黒のインド人たちはホワイトとされていたのだ、と不満をもらしていました。インド人はコーカソイドだから白人なのでした。


フランスで家に来た人が小さな子どもを連れて来たとき、その子は私を見るなり驚いたようで、ママを突っついてこう言いました。

「彼女、黄色くない...」

アジア系の人間を見たのが初めてだったのでしょうね。それはそうですよ。レモンのように黄色い顔をしていたら病気です! ママの方は子どもが失礼なことを言ってしまったと慌てていましたが、私も含めて、全員が大笑いしました。

肌の色は何色に分類するかを調べていたら、あの時の子が思い浮かべたのは、こういうのだったのではないか、と思える漫画風の顔の絵が出てきました。


アップル iOSの絵文字で使っている肌の色

アップルの絵文字は、一部のユーザーが「絵文字は白人偏重、人種的多様性を反映していない」などと抗議していたので、肌の色を選べるようにした、という2年前のニュースでした。



左端は、極端な黄色。黄色人種をこんな色にするなんて、酷いではないですか?!

この黄色は人種差別だと言って、アップルにとっては大事な顧客の中国から反発が出たのだそう。アップル側では、濃い黄色の顔はいわゆる「黄色人種」ではなく、デフォルトの肌色だと説明していたとのこと。

確かに、左端のは位置が少し離れているし、黄色を入れるなら白と褐色の間にすべきなので、アップルの説明はこじつけではなかったような気はしました。

それで、自分のiPhoneで確認してみることにしました。

私は殆ど絵文字を使っていません。iPhoneでは、予定表に書き込むときに分かりやすくするために、クローバーやワイングラスや国旗のマークを入れている程度。それで、顔のマークは気にしたことがなかったし、肌の色でバリエーションまで出来ているとは知らなかったのです。

本当に色分けがあるのでした。黄色は確かにデフォルト用ですね。初めには黄色が出ていて、その色を変えたければ選択肢がある、という風になっていました。



デフォルトは、目立つように金色にしたつもりなのではないかな。色のチョイスが出来なかったら、これが黄色だということは全く意識しなかったと思う。

iOSが肌の色を選べるようにしたのは2015年だったようです。それ以前はどうしていたのだろう? 一番薄い色にしていたのかな。

ともかく、現在のところ、黄色はデフォルト・カラーとして、残りの5つの色が肌の色ということになります。やはり、絆創膏と同じように、肌の種類は5色ですか。

欧米系の人なら、1ダースの半分で6が基本数かと思っていました。
でも、指も5本だった...。


肌色って、どんな色?

私たちには「肌色」という便利な呼び名があります。そうフランス人に言ったら、どんな色と聞かれて、はたと困った。日本人だって、肌の色には違いがありますから。

肌色のカラーコードを確認して、それに近い色をフランス語では何と呼べば良いのか調べてみました。

和色名フランスの色名
肌色
#FCE2C4

Bisque
#FFE4C4


ビスク

Jaune nankin
#F7E269


南京イエロー


の南京色は、さっきのアップルのデフォルト色のような派手さがあるのでびっくりしました。でも、これは南京で作られていたNankinと呼ばれる木綿の布地の色か、中国の皇帝の色ということから来た命名のようです。

のビスクという色が、最も肌色に近いように見えました。でも、フランスではファッションや塗料の色として存在しているものの、普通の色彩図鑑などには入っていない名前のようです。私の仏和辞典でも、bisqueに色関係の訳語はありませんでした。

ビスクはファンデーションの色にもなっていたので、肌色と呼べますね。

☆ ファンデーションとしての
  Bisque色のバリエーション
ところで、ビスク(bisque)という言葉は、ビスケット(フランス語でbiscuit)から来ている? でも、甲殻類で作るスープのビスクと同じ綴りなので、それから来ているという記述もありました。

Lobster Bisque
Bisque de homard

スープの方は色が濃すぎますよ。肌色は、ビスケット色と呼びたいな。

ところで、大発見!


◆ 文房具では「肌色」という言葉を使わなくなっていた

2000年前後から、大手文具メーカーが協議の結果として「肌色」という呼称の使用を取りやめるようになり、2005年から2006年頃には、全てのクレヨンからこの呼称が撤廃されていたのでした。

ぺんてるでは「ペールオレンジ」、サクラクレパスは「うすだいだい」と呼んでいるそうです。

サクラクレパス NO.7 うすだいだい

何色をしていても「自分の顔の色が肌色」だと言えば良いわけですが、「肌色はこれ」と決めておいたら明らかに差別ですね...。


ブログ内リンク:
★ 目次: 色について書いた記事

外部リンク:
☆ Wikipedia: 肌色 » Couleur de la peau humaine
☆ 日本人の肌色カラーイメージ
クレヨンから「はだ色」が消滅 理由は「人種差別に繋がるから」
あなたの肌の色は何色ですか? ~ 日本人が人種差別意識を持っていない証拠
人種差別・英国式「肌の色」分類
アップル、絵文字に人種と肌の色の違いを導入。iOS 8.3 - OS Xベータから
アップル「黄色い顔文字」に中国で批判噴出 「あんな黄色い奴みたことない」「アジア人への偏見だ!」
黄色は皇帝の色?黄色と中国伝統文化はどういう関係?
トランプ新大統領誕生! 就任演説全文(英語)|ロイター発


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