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2017/09/04
最近、テレビの番組で映し出されるバスク地方やピレネー山脈の美しさに惚れぼれしています。


Besiberri en Catalogne : paysage typique avec petit lac et vallée suspendue

ピレネー山脈は、アルプス山脈より美しいと思う。アルプスは観光地化され過ぎているし、人間の手が入り過ぎていて、自然の壮大さを余り感じないのです。

ネパールを旅行してヒマラヤを眺めたときには、この山には神秘的に感じさせる何かがあると感じたのですが、ピネレーも似たものを感じます。

バスク地方は、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまでフランスから旅行した途中で少し観光しているのですが、テレビで映し出される雄大な風景は見ていません。最近は大きな旅行をしなくなったのですが、旅行をたくさんしていた時代に、バスク地方に1カ月くらい滞在する旅行をしたかったな...。

バスク地方は、ヨーロッパの中で、人種的にも、言語の上でも特異な存在なのだそうです。そこの住民は、なぜか日本人に通じる感性があるように感じています。

バスクのスペイン領と、フランス領の、それぞれ1人ずつ知った男性から受けただけの印象なので、勝手な感想ではあります。でも、この2人に共通しているのは、自分のことより相手の気持ちを第一にする優しさがあることです。自分本位な考え方をするのが普通のフランス人を見慣れているので、余計にそう感じる。そういえば、日本人を高く評価したフランシスコ・ザビエルもバスク人だった。


バスク十字

故郷がある人は羨ましいと思う。私の故郷は東京ですが、これは「ふるさと」と言うものではない。日本にいるときにフランスのことを思うと、ブルゴーニュの美しい風景や、笑いころげる友人たちとのひと時のことが浮かんで、帰りたいという気持ちになります。でも、フランスにいるときに東京のことを思っても、殺伐とした風景しか思い浮かばないので、ホームシックなんかにはなれません。

数年前にブルゴーニュに引っ越してきたバスク出身の友人は、バスク地方への愛着にどっぷりと浸っています。先日、彼らの家に行ったとき、バスク地方のリキュールを出してきました。

このお酒については、すでにブログで書いているので省略:
「イザラ(星)」という名前のバスク地方のリキュール 2014/08/17

このリキュールを飲んだら胃の痛みが消えたと私が言ったので、よく出してきてくれるようになりました。甘いお酒を飲むのは余り好きではないのだけれど...。

故郷に帰ったときにボトルを買ったら、グラスのおまけが付いていたらしい。そのグラスに描かれている模様の説明をしてくれました。



フランス人たちは、このデザインが何かに似ているというのを知っているようでした。私には何でもない模様に見えたのですけど...。

バスクを象徴する模様で、バスク語でlauburuラウブル)と呼ぶのだそうです。

少し前にプレゼントしてもらったのでかぶっていった私のベレー帽を並べて記念撮影。



なぜか、バスク十字はナチスのハーケンクロイツという紋章と似ているのですね。

右と左が混乱するという欠陥を持っている私。フランス人の方がちゃんと知っていて、ヒンドゥー教のマークもナチスのと同じ方向で描かれるけれど、日本の地図で寺院の地図マークに使われるのはこれだ、と書いてくれました。

おさらいをしてみます。

バスク十字(ラウブル)
ハーケンクロイツ
ヒンドゥー教 万字
五つ割右万字
まんじ
寺院の地図記号

弘前市 市章


ナチスが使ったハーケンクロイツを見るとゾッとしますが、日本のとは鉤十字の方向が逆なのですよね。でも、バスク十字はハーケンクロイツと方向が同じなのでした。

プラド美術館に展示されているゴヤの絵にも、バスク十字が描かれています。

Marquise of Santa Cruz
サンタ・クルス侯爵夫人ホアキナ・テリェス=ヒロンの肖像、フランシスコ・ゴヤ画
La lyre de Joaquina Téllez-Girón, Marquise de Santa Cruz par Francisco Goya



日本の地図で「卍」で寺や寺院を現すようになったのは、明治13年(1880年)でした。「卍」は、サンスクリット語で「スヴァスティカ」と呼ばれ、吉祥の印。仏教でも「幸せ」、「めでたい」という意味を持っているのだそうです。

とすると、ナチスとバスクは逆を向いているから、めでたくないシンボル?! ナチスはそれで良いけれど、バスクの人に言ったら怒られそう...。


日本はナチスに寛大な国

バスク十字について教えてもらったのは4カ月前のことなのですが、それをブログに記録しておきたいと思ったのは、麻生太郎副総理兼財務相の発言のニュースを見たからでした。

「(政治家は)結果が大事なんですよ。いくら動機が正しくても何百万人殺しちゃったヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくてもダメなんですよ、それじゃあ」

この発言はフランスでもニュースになっていて、次のように翻訳されていました。

Même avec de bonnes raisons, Hitler, qui a tué des millions de personnes, n'était pas un bon responsable politique.

麻生氏は、2013年にも、憲法改正論に関して、ナチス政権の「手口を学んだらどうか」などと発言していました。後に「ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい」と述べたのですが、また出してきちゃった。

このときの発言は、こんな風に訳されていました:

La Constitution de (la république de) Weimar a été discrètement remplacée par la Constitution de l'Allemagne nazie: pourquoi ne pas s'inspirer de leur tactique?

こちらの発言の方が凄みがありますね。

よほどヒトラーがお好きなのでしょうが、先進国ではユダヤ人虐殺したナチスを礼賛するのはタブーなので、外国向けには政治家として自粛すべきだと思うけれど...。


日本ではナチス関係のグッズが普通に販売される

ル・モンド紙の日本特派員が書いた記事に、日本の戦争グッズを売る店ではナチス関係のグッズも売っていると書いてあった、と友人から言われたのは2年前のことでした。

フランスやドイツでは、ナチスやヒトラーを想起させるもの販売は禁止されているのだそうなので、フランス人を驚かせることだったようです。でも、ドイツにはネオナチがいて、あの人たちはそういう服装をしていたのではなかったでしたっけ?...

日本では自由にナチスグッズが販売されていると言われたのだけれど、本当に売っているのだろうかと思って、ネットショップで商品を検索してみました。

ある、ある。幾らでも出てきました!:
「ハーケンクロイツ ナチス ヒトラー」をキーワードにした商品検索結果




東京五輪で外国人向けの地図を作るにあたり、お寺を示す記号を卍にすると誤解を招くので別のマークにしようという案がありましたが、卍のままにすることにしたようです。私も外国人向けに変えることはないと思う。日本に来たら、すぐに覚えるでしょうし、面白がるはずですから。

でも、ナチスやヒトラーを想起させるグッズを身に着けている人が町を歩いていたら、外国人は仰天するだろうな...。

どのくらい売れているのだろう? 私は日本でも、ナチスやヒトラーを想起させるものを身に着けている人は見たことがないように思います。

... そう思ったら、いらっしゃったのでした。しかも、NHKに登場している!


【堀江貴文氏・ヒトラー?】NHK謝罪 ホリエモン、ヒトラー?柄のTシャツで生出演 ネットは騒然!


この方も、ヒトラーがお好きなのでしょうね。ヒトラーと同じタイトルの本を出していらっしゃいますし。ビジネスセンスにたけた方なので、ヒトラーの絵があるTシャツを着て反感を抱かせることも宣伝になるという思惑もあったのだろうと思います。この手法は、ベネトンがよくコマーシャルでやっています。


我が闘争 (幻冬舎文庫) 堀江 貴文


ヒトラーの著書『Mein Kampf(我が闘争)』は、フランスで話題になっていました。2015年の年末をもって70年の版権(著作権)が消滅し、誰でも『我が闘争』の出版が可能となるというというニュースでした。

ところが、そのときに知ったのですが、日本はこの『我が闘争』を自由に出版してきていた数少ない国のひとつだったのです。

戦前にはドイツと日本は同盟国だった関係から、初版発行から7年後の1932年に抄訳版『余の闘争』が出版され、その後も次々と注釈を加えた新版を発行してきたとのこと。戦後も、1973年に角川書店が文庫版で新たな翻訳本を刊行。さらに2008年には、漫画版『わが闘争 (まんがで読破)』が出版され、発売から半年で45,000部の売り上げを記録したそうです。

日本人は独裁者が好きなのでしょうかね。

ナポレオンも、フランス人よりは日本人の方が好いている感じを受けます。彼にはヨーロッパ諸国を開放した功績がある、とまで思っている日本人に出会ったこともあります。ナポレオンは侵略しただけですよ。おまけに戦争ばかりしていたから、フランスの人口は減ってしまったし、畑で使う作業馬まで没収したので農業を衰退させています。

外国人を驚かせた麻生太郎副総理の発言は、独裁者が好きな人たちが日本にはいるから、喜ぶ人たちもいると分かっていてやっているのかもしれない。としたら、写真にヒトラー髭を書き込まれたお仲間の方が、名誉棄損だと怒ることもないと思いますけど...。


ブログ内リンク:
★ 目次: 右と左の違いが気になる
★ 目次: 戦争、革命、テロ、デモ

外部リンク:
☆ Wikipedia: ラウブル » Croix basque
エハン・デラヴィの十字架の研究 ⇒ 「バスク十字」と「カギ十字(卍)」・・ヨーロッパ先住民族の十字マーク
謎に包まれた民族!? スペインとフランスにまたがるバスク地方に生きる『バスク人』とは
☆ Wikipedia: ハーケンクロイツ » Croix gammée nazie
☆ Wikipedia: 卍(まんじ) » Svastika
日本のお寺やナチスの党章などに使われる「卍」マークの意味
なぜ地図記号「寺院」は「卍(まんじ)」なの?
麻生副総理「ヒトラーの動機は正しかった」発言は本音! 安倍自民党に蔓延するナチス的価値観
麻生氏「ナチス発言」、揺れる大手新聞報道 最初は問題視せず、後から大きく取り上げる 2013/8/29
<麻生太郎氏>ヒトラー発言撤回 釈明と反論も展開
ヒトラー発言に米怒り 麻生副総理は経済対話で大幅譲歩も 2017/08/31
ヒトラーがブーム! でも「我が闘争」が読めるのは日本だけ!? 2014.07.20
L'Express: Japon nouvelle bourde du vice-premier ministre sur Hitler
Le Figaro: Japon: bourde du vice-premier ministre sur Hitler 30/08/2017
Le Monde: Au Japon, le nazisme s’affiche toujours librement 14.10.2015


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2017/08/20
何カ月も前のことですが、インターネットで検索していたら、こんなのは意味がないと思える心理テストに出会いました。

洗脳されやすいか、騙されやすい性格かどうかの心理テスト

人に教えてもらった道を歩いていても目的地にたどり着けなかったら、どうするかという質問です。そういうのは、日常生活でよくあることですよね。


洗脳されやすさがわかる心理テスト あなたのメンタル面の落とし穴はどこ?

私なら、迷わず別の人に聞いてみます。始めに聞いた段階で、そっちの方向ではないはずだと疑ったら、その人の姿が見えなくなったところで、他の人を捕まえて聞いてしまいます。

他に聞く人がいなかったら、いつまでも探さないで、行くのは諦めるかな?...

フランスの田舎を旅行していると、牧場には家畜はたくさんいるけれど、人間は全くいないということが多いです。友人の車に乗せてもらって百キロくらい走ったとき、暇なので人間の姿を何人見るかと数えたことがありました。家畜の姿は数え切れないほど見えるし、車とも少しはすれ違いましたが、人間が歩いているのはちっとも見えないのでした。ですので、スマートフォンでGPSを使えなかった時代は、観光していて行きつけなくて諦めたことがたくさんありました。

人に教えられた場所を信じないというのは、フランスで私が受けた悪い影響かもしれないとも思います。フランス人たちは、聞かれたら何でも良いから答えなければならないと思うらしくて、いい加減な返事をされた苦労を味わっているのです。知りません、分かりません、と答えるのが嫌いだという国民性なのか、フランスの不思議と思っている局面の1つです。

初めにそれを感じたのは、フランスの大学に留学した時のこと。必要な事務手続きをする部署は何処かと聞くと「あっち」と答えられて、そちらに行くと、さっき行ったところが担当だと答えられる。それで、広大な大学のキャンパスの中を行ったり、来たりということになりました。フランスに留学した人たちは、皆さんがご経験なさっているのではないでしょうか?...


洗脳されやすいかどうかの日本の心理テスト。教えられた道を歩いて行っても目的地が見つからなかったら、別の人に聞いてみるというのは誰だってそうすると思ったので、このテストは馬鹿らしいと思いました。それを話すために、日本の友人にこのテストを入れているURLを教えて回答を選んでもらいました。

すると、「もう少し探してみる」を迷わず選ぶと答えたのです。驚きました。私は無駄かも知れないと思えることを続ける根気なんかは、全くないですから...。

その人はとても真面目な男性なのでした。勉強して資格を取るのが好きらしくて、あちこちに高い研修費や受験料を払っているので、私は呆れていました。パソコンの使い方の研修も、彼は何十万円も支払っていたと思う。私は何もお金をかける勉強はしていませんが、その人よりは遥かにパソコンを使いこなしています。

実際、彼のパソコンがおかしくなったときには相談してくるので、直し方を指導しています。今はインターネットで情報を発信している時代なので、知りたいことはほとんど全て回答を見つけることができるのです。その前の時代は、パソコンも単純なシステムなので、色々やっていれば解決してしまうのでした。

国家試験とか、定評のある検定試験ならともかく、そんな小さな組織がくれる資格なんて意味がない、と言ったこともあります。

私もフランス語関係では、就職に有利なように、仏語検定試験(自分の実力が分からないからと下のレペルから受けていくと受験の費がかさむので、いきなり1級を受けてみた)や、パリ商工会議所の仏語認定試験などを受験しましたが、全て1発で受かったのでお金の無駄遣いはしていません。合格してしまうと、さらに勉強して頑張ろうという気がそがれるわけなので、資格獲得を勉強のモチベーションにしようとするのは無意味だと思いました。

教えてもらった道で探し続けると言った友人は、どういうわけなのか、何度も何度も資格試験で不合格になるのです。それだけ落ちたら、もう止めようと思っても良いと思うのに、そのたびに研修を受けなおしています。つまり、すごくお金をかけている! その資格を与える組織は、受験費や研修費を稼ぐために、わざわざ何回も受験しないと合格させない悪質な事業をしているのではないか、とケチをつけたこともあるのですが、彼は諦めないで勉強を続けるのです...。


上に挙げた心理テストで、あくまでも教えてもらった道を歩いて探し続けると答えた人は、洗脳されやすさが90%で、最も洗脳されやすいタイプとなっていました。私が選んだ答えだと10%で、最も洗脳されにくいタイプだという診断。

私は疑り深い性格だと言われると、そうかも知れないと思います。フランス人から何か教えてもらっても、その後にはたいていインターネット情報で本当なのかを確認していますので。

同類の性格診断テストは他にもあるので、少しやってみました。少し騙されやすいタイプだという結果も出たのですけどね。いずれにしても、こういうテストというのは、かなりいい加減なものだと思っています。あぁ、やっぱり私は疑い深い性格なんだ!...

これは母親ゆずりかもしれない。母のところには、息子だと名乗るオレオレ詐欺の電話が1度かかって来たそうで、相手に「どちら様ですか?」と答えたら、すぐに電話を切ったのだと聞きました。

日本では、オレオレ詐欺とか振り込め詐欺とか言われて久しいのに、相変わらず被害が出ているのだから不思議でなりません。そもそも、即座に出してこれる大金を持っているのがいけない、とも思うのですけど...。フランスでも振り込め詐欺があるというフランスの記事を読んだことがあるのですが、詐欺の対象にされているのは個人ではなくて、会社なのでした。せしめられたお金は中国に送金されている、という内容...。


マスコミ報道の「鵜呑度」を国際比較

一般的な日本人は善良で、つまり私のようにへそ曲がりではなくて、何でも信じてしまう人が多いかな、という印象は受けています。

調べてみたら、それを裏付けるデータが出てきました。

マスコミ報道の「鵜呑度」を国際比較調査があって、報道をそのまま信じる割合が日本は先進国の中ではダントツなのでした。

報道をそのまま信じる人の割合は、イギリスが最も少なくて、14%。
フランスは、第5位で35%。
日本は、なんと、70%!

イギリスがトップには変人が多いと感じているので、当たっているかなという気はします。

フランス人は「我が道をいく」という感じの生き方をしているように見えるのですが、意外にも、聞いたことを単純に信じる人たちが多いので、鵜呑み度がイギリスの倍になっているのは当たっているかもしれない。

先日は、友人がしでかしそうになった失敗が面白かったと話していたら、そういうことを知人たちに話したら、尾ひれがついて、本当におこったことだという噂になってしまうから口外するな! と本人から止めを刺されました。

そうかも知れないな...。私は疑り深いけど、自分が言ったことを悪くとられるという防備は全くしていない...。


マスコミ報道鵜呑み度の各国比較のデータに私がぶつかったのは、こちらの動画でした。


マスコミ報道鵜呑度 日本人70%、 英国人14%  青山貞一 


マスコミ報道の鵜呑み度についての調査結果を文章で詳しく紹介しているのは、こちら:
検証:世界で最も「情報民度」が低いのが日本人である! 青山貞一

お話しをしているのは、環境相互研究所の青山貞一氏

日本人が言われたことを信じやすい国民性を持っているというのは、良いことなのか、悪いことなのか?....

内部リンク:
庭園に入ることを許可していた親切な城 2017/06/11

外部リンク:
☆ 心理テスト: もしかして騙されやすいタイプ?
【錯覚テスト】あなたは騙されやすい?錯覚テストで自分診断
騙され度診断テスト性格編Ver1.0
【イラスト性格診断】「あなたが道を聞くならどんな人?」
なぜ男性は人に道を聞かないのか?その理由が科学的に解明される(米研究)


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カテゴリー: 日仏の比較 | Comment (4) | Top
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2017/08/03
フランスの魚屋さんで日本人の私が刺身にする海産物を買い物をすると、店の人は格別喜んでくれます。日本人は魚をたくさん食べることで知られていて、特に生で食べられるものを日本人が選んだ店だ、ということで名誉に思うらしいのです。

「皆さん、見てくださいな♪ うちの海産物は質が良いから、日本人が買いに来るんですよ~♪」という宣伝になる?

正直言って、魚について知識に関して、私は日本人としては恥ずかしいほど無いのです! 魚偏の漢字も、ろくに読めません...。でも、せっかく日本人が選んだ店というのを誇りに思ったらしい魚屋さんをがっかりさせないために、さも分かっているような顔で買い物をしています。

でも、私でも、ある程度は魚の鮮度を見分ける目を持っていると思う。切り身の艶の具合とか、魚の目つきとかで、これは刺身にはできないという判断ができます。

フランス内陸部では、海産物を食べる習慣が余りありません。ブルゴーニュで最も大きな都市ディジョンでさえも、魚屋さんは1県もありません。海産物を手に入れたかったら、朝市かスーパーマーケットに入っている店に行くしかない。子どものときから魚より肉の方が好きだった私には不便を感じないけれど、魚が好きな日本人だったら辛いだろうな...。

東京には料理が得意な友人がいて、彼女が作った魚料理は絶品だと毎回感心するので、私は魚が嫌いなわけではないと思う。でも、食べ方も下手。友人たちと魚料理を食べ終わったとき、みんなの皿には骨くらいしか残っていないのに、私はいっぱい残っている。「あなたは魚の食べ方を知らない!」と呆れられています。


フランス式? 魚の下ごしらえ

フランスでも、優れた魚屋さんはあります。刺身にするための鯛を3枚におろしてもらうときに技量が分かりますが、よく切れるナイフを使っていて、みごとに皮まで剥いてくれます。



これは、カメラを向けたからおふざけのポーズをとってくれた場面ですのでご心配なく!

フランスの魚屋さんで丸ごとの魚を買うと、どのようにするかと聞いてきます。鱗を取るか、臓物を出すだけにするか、3枚におろすか、ということ。

バーベキューにするならウロコは付けたままにした方が良いのだ、とフランスの魚屋さんは言います。日本情報の方が信頼できると思うけれど、確認したことがありません。


前回の日記「魚料理を作るのが苦手」で、ヨーロピアンシーバスを買ったことを書いたのですが、2回目の時には少しイラッとすることがありました。

オーブンで魚の丸焼きにするつもりだったので、鱗と内臓を取り除いてくれるように頼みました。鱗をそいで、腸を出しているのを確認してそっぽを向いていたら、ヒレをハサミで切り始めているのに気がついて慌てました!

そうだ、そうだ。ちゃんと言わないと、フランスの魚屋さんは、ヒレと尻尾を切ってしまうのでした。しばらく行きつけの魚屋さんでしか買っていなくて、店の人は私の好みを覚えているので、ヒレと尻尾は切らないように言わなくても良かったのでした。

ヨーロピアンシーバスは、こういう魚です。ヒレや尻尾がちゃんとありますが、これを全部切ってしまった魚の丸焼きをどう思われますか?


Bar commun

私は魚の姿焼きにするときには、ヒレや尾には塩をまぶして、わざわざピンと立ち上がるようにします。プロの人は、魚を串刺しにして、まるで魚が泳いでいるみたいな姿にしますよね。囲炉裏に串刺しの小魚を立てたりするのは、見ただけで食欲をそそらせると思う。

私にとって、頭と胴体だけになった姿の魚というのは最悪。気持ち悪くて食欲が減退します。どうせ死んでしまっているわけだけれど、いかにも死体に見えるのだもの...。

魚屋さんが背ビレをハサミで切り出したのに気が付いたので、私は大声でストップをかけました。そのままいったら尻尾も切られてしまうでしょうから。

すると魚屋さんは言葉を返してきました。

背ビレは取り除くものなんだ。

食べる時にナイフとフォークで魚を切り分けようとするとき、背ビレがあると邪魔になって上手く切れないのだそう。

そういう風に魚屋さんの学校で教えられるのでしょうね。その説明を長々してきて、魚を持った手を放してくれない。こちらが切らないでと頼んでいるのに、説得して切ってしまうつもり?

私は手足を切られたみたいになった魚は嫌いなのだ、と頑張る。やっと妥協してくれました。こんな頑固な魚屋さんって初めて。普通はお客が望むようにしてくれるのに...。

刺身用に鯛を3枚に下してもらったときには、頭と骨はスープにするので捨てないでと言うのですが、頭の部分が美味しいというのはフランスの魚屋さんたちは全員が知っているように思いました。彼らは、お客の注文で魚をさばいていると、頭の部分は惜しげなく床に置いてあるゴミ箱に入れているのですけれど。

フランスの魚屋さんには、日本で魚の丸焼きにするときには、ヒレも尻尾も切らないのだ、と言っていたのですが、頑固な魚屋さんに会ったら、私が間違っているかもしれないと不安になりました。どうせ嘘だったとしても、彼らは調べようもないでしょうから、どうでも良いのですけど。


私が間違っているのかな?...

フランスで魚が丸ごと出る料理では、みんなヒレは取り除いているかな?... フランス人は魚を加熱し過ぎるが好きではないので、よほど良いレストランに入ったときでないと魚料理は注文しません。海産物を食べる習慣があるはずの海岸部に行っても、美味しいと思う魚の料理をしているレストランは珍しいくらいだと感じています。

イタリアでは、魚はアルデンテで私好みの調理をするので、イタリアに行ったときはよく食べるのですけれど。

写真アルバムで、過去にフランスで食べた魚の写真を探してみたら、丸ごとという姿のものが1枚もないのでした。そうか... 大きな魚を持って来たときには、お給仕の人が切り分けてくれるから、魚にヒレが残っているかどうかが分かる写真などはないのでした。

例えば、前回の日記で書いたヨーロピアンシーバスをレストランで食べたときの写真は、こちら ↓



フィレになっている。この料理の名前では、皮付きのグリルと書いてありました。皮があると気持ち悪いと嫌うフランス人客もいるから但し書きにしていたのではないかな...。


魚料理を作るのが苦手」で書いたのはヨーロピアンシーバスのオーブン焼きでしたが、フランスのレシピに入っている写真を眺めてみました。例えば、こちらの写真。ヒレが残っているかどうかは見えませんが、尻尾は半分切り落とされていますね。

塩で焼いて、魚の姿そのままではないから、尻尾が無くてもそれほど気にならないかもしれませんが、私はやはり好きではないな...。


日本での姿焼きはどう作っている?

丸焼きはどうなるかと画像検索で確認しました。

こちらは姿焼き用にネットショップで売っている魚の写真。


ヒレや尾は全部付いています。まあ、切り身でもない限り、日本で胴体と頭だけになった状態の魚を売ることは無いと思う。


姿焼きにした状態で売っている商品もあるので、そちらの画像も確認。



「魚 姿焼き」のキーワードで画像検索

ヒレや尻尾は残していますね。

焼くときにヒレや尾に塩をまぶすのは、「化粧塩」と呼ぶのだそう。とすると、魚のことを知らない私だけれど、間違っていないはずだと安心しました。

でも、1つ疑問が残っています。日本で魚をさばくプロの人たち、ハサミは使わないのではないかと思うだけれど、どうなのだろう、という問題。

インターネットで検索したら、ハサミでヒレを切っている画面が映っている動画に行き当たりました。アイゴという魚は、ヒレに刺されると危険なので切り落とすらしい。つまり、ヒレを残してはいけない魚があるということ?

やはり、魚は奥が深くて、私の手には負えません...。


外部リンク:
魚の部位と名称
☆ Wikipedia: Nageoire » 
魚を上手に焼く
☆ お料理の基礎辞典: 焼魚の化粧塩って何ですか

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの日本食ブーム
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ


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2017/07/27
フランス人は何にでも文句を言います。

政治について、税金の使い道については非常に厳しく批判する。友人たちと集まったときには、行政がしていることの批判を始めると語気が荒いので煩くてたまりません。なんであんなに議論が好きなのだろう?...

彼らが喧々諤々と政治や社会保障について文句を言っているのを聞いていると、つい「日本なんか、もっとずっと酷いよ~」と言いたくなります。

悪い例を挙げられても、フランス人たちは一向に気にしないみたい。「そうか、フランスはそんなに悪い国じゃなかったんだね」と言った人には出会ったことがありません。日本の例を挙げても、質問も返してこないほど無関心。

先日の友人たちとのおしゃべりでは、失業保険で生活していたけれど、あと2年働かないと老齢年金がもらえないということで、役場に雇われて2年間だけ働くことになった人の話題が出ました。

まだ50代半ばの男性なので、年金支給まで2年というのは短すぎると思ったのですが、若い頃に軍隊に入っていたので、働いた年数の計算が優遇されているのだそう。生命の危険がある戦場に赴任すると、1年働いたのが3年分に計算されるとか、そういうのがあるのですよね。

でも、彼の報酬は最低賃金(SMIC)の時給なのだそう。毎年スライド制で上がるもののSMICの賃金が低すぎる、とフランス人たちは文句を言う。まあ何とか生活していける金額に定めている。汚いやり方だ、とか怒っている。

フランスの最低賃金はそう悪くもないのだし、パートタイムで働いても年休や社会保障が付くのだから、日本よりははるかに労働条件が良いと思うのですけどね。

話題に出たSMICで2年働くという人は、村の道路や墓地などの除草をしたりする肉体労働の仕事でした。雇ったのは小さな村なので、仕事は大してないし、村の予算もないので、彼をフルタイムでは雇えない。とすると、収入が少ないでは? と思ったら、雇用促進支援プログラムの枠内で雇用されるのだと説明されました。

週の半分だけ働き、役場からはフルタイム労働の半分に相当する報酬が払われるのだけれど、それと同額の援助が国から出るので、SMICの1カ月分が月収として支払われるのだそう。

つまり、週に2日半働いて、月に20万円近い収入を受け取るわけ。羨ましく思ってしまった...。

こんな手厚い弱者の援助をしているし、いくら経済不況でも労働条件を悪くすることはしないから、フランス経済は落ち込んでいるのだろうと思うのですが、それでも国がつぶれないでいるのだから良いではないですか?


最低賃金

日本のニュースを読んでいたら、最低賃金の引き上げが話題になっていました。最低賃金が、ここ2年連続で3%引き上げられたとのこと。

現内閣の支持率が下がったという報道を隠し切れなくなったらしい今、政府だって良いこともやっているのだというニュースをクローズアップしたかったのかな。NHKのニュースでは、「大幅な引き上げ」と記述していました。3%アップで「大幅!♪」と言うのはオーバーだと思ってしまった...。
 
全国平均で、時給が25円値上がりしたとのこと。でも、そんな程度では日本の最低賃金は先進国並みにはならないですよ。

日本にも「最低賃金」というのがあると知って、調べてみたことがありました。1ユーロが170円という為替レートだったときなので、フランスの最低賃金を円に換算してギャフンとしました。フランスでは労働条件が良いだけではなく、最低限保証されている時給も日本よりずっと高いのでした。


このたび日本で発表された17年度の最低賃金は、全国平均で848円。都道府県で異なるシステムなので、最も高い東京が958円で、最も低い宮崎と沖縄が736円でした。

フランスの最低賃金としては、SMIC(Salaire minimum interprofessionnel de croissance)というのがあります。物価と平均賃金の伸びに連動して、最低賃金が自動的に引き上がるスライド制のシステム。

フランスと日本の物価を比べると、1ユーロ=130円くらいかな、と私は感じています。今の為替レートはそのライン。それで計算してみました。

今年(2017年)のSMICは、全国一律で時給9,76ユーロ(約1,269円)。フランスの時給の最低基準は、日本の大幅値上がりしたという最低賃金の1.5倍です。


ヨーロッパの中で、特にフランスの最低賃金が高いというわけではありません。フランス人たちが給与が高いことで羨ましがるのはルクセンブルクとスイス。国境に近いフランス側に住んで通勤している知人も何人かいます。

1カ月の労働の最低賃金は、フランスでは週35時間労働で計算して、1,457,52ユーロ(約19万円)。

EU圏内での最低賃金が高い国のランク付けでは、フランスは第6位というところでしょうか。トップはルクセンブルクで、最低月収が1,923ユーロ(約25万円)。


フランス人たちは、最低賃金なんて、なんとか生活できて、文句を言わないレベルで作っていると批判するのだけれど、日本では、その計算での報酬を得ないで働いている人たちがたくさんいると思うのですよね。私自身の経験も含めて!

それに、日本の最低賃金というのは、フランスのように厳格には守られていないのではないかと思います。時給ではなくて、月給制で働いたら、どのくらい酷い報酬か、残業しているから全体として満足できる給料をもらっていると思っているかもしれない...。


時間当たり賃金(製造業、2014年)|データブック国際労働比較2016|JILPT


貧富の差

ひところの日本では、大半の人たちが中流の生活をしていると思っているという時代がありました。いま思うと懐かしい...。入社すれば終身雇用という安心感があり、会社は従業員を家族のように大切にし、従業員は会社に忠誠心を持つという日本の良さがあった時代...。

それが日本経済を支えた原動力だったと思うのですが、時代は変わりましたね...。

最近の日本では、貧富の格差が酷くなっていると感じます。フリーで働く場合の報酬が劇的に低くなったと見ているのですが、東京の繁華街に行くと消費者であふれかえっているので、豊かな人たちがいるらしいのは確か。


貧富の差と言えば、フランスの方が日本より激しいのではないかという感覚を持っていたのですが、日本は先進国の中ではかなり貧富の差が大きい国なのでした。

フランスで貧富の差を感じるのは、住んでいるお家の違い。お金持ちと言えば、広大な庭園がある城に住んでいる人たちがかなりいるからです。

下は、個人が所有している城としてはもっとも規模が大きいヴォー・ル・ヴィコント城

ヴォー=ル=ヴィコント城
Château de Vaux-le-Vicomte

城の敷地は500ヘクタール(フランス式庭園が33ヘクタール)、建物の屋根の面積は2ヘクタール。

もっとも、こんな文化遺産をご先祖から相続すると、何かに利用しないと維持していけない。この城もミュージアムとして一般公開されています。

映画のロケやレセプション会場として使わせたり、年間28万人の見学客があるので収入は入るのですが、建物の維持費やスタッフの人件費が必要なので、結果としては毎年40万ユーロ(約5,200万円)の赤字経営なのだそう。これほどの城ならのでメセナもいますが、こんな城を維持できるほどお金持ちということですよね?...

外部の人が出入りしている城には持ち主が住んでも楽しくないだろうと思ったのですが、オーナーの貴族は城の建物の一部を住居として使っているようです。


日本では、6人に1人が貧困

私は東京での生活費しか分かりませんが、ご自慢する引き上げられた最低賃金の時給が千円にも届かないというのは酷いと思う。だって、日本は要らないものは安いけれど、食事や住居費など、最低限必要なものがフランスよりずっと高いのですよ!

日本人はフランス人ほどには食べないし、狭い家に住んでも耐えるし、一点豪華主義で満足できる国民性があるから、そんなに貧しいとは感じていないかもしれないですけれど。

日本の貧困率は1985年には12%だったのに、2015年には15.6%。
ひとり親家庭の貧困率は50.8%だそうです。

母子家庭が貧しいというのは本当なのですね。東京の友人の中に、ご主人に家出されて、女手一つで息子さんを育てている人がいるのですが、子どもさんの遠足の参加費が出せないとか、高校に入れるお金がないとか言っていました。彼女の仲間の単身で子育てをしている人たちの大半は、義務教育が終わったらもう働いてもらうケースが多いのだと言っていた。

フランスでは、女性たちが簡単に離婚するのですが、あれは生活費の心配がないから決心できるのだろうと感じています。

あれだけ超お金持ちに見える人たちがいても、日本より状態が良いのは、最低限の生活をしている人たちがそんなに貧困ではないからなのでは? フランスのニュースで、生活保護を受けている人たちの映像が出るのを見ると、私が東京で生活している環境よりずっと豊かそうに見えてしまっています。

最近の日本では、どう使われるのかも怪しげな国々にまで、海外支援に億とか兆の単位で支払っているのですが、日本国内の人たちを助けようとは思わないのかな?...


世界141カ国を比較した「収入不平等指数(ジニ係数)についてのランキング」を見てみました。

日本の収入不平等指数は、37.9%で、世界141か国の中で73位となっていました(2011年)

フランスのジニ係数は30.6%で、世界117位。


経済的な格差があると、普通なら、社会の不満となって暴動がおきる。

ジニ係数が60%以上だと「危険ライン」で、40%以上は社会騒乱の「警戒ライン」とされているのだそう。最近の日本の政策では、どんどん格差を広げている感じがするので、警戒ラインに入っているのではないかな...。

日本人は我慢強いから耐えるのかもしれない。あれだけやりたい放題、嘘八百を並べても、今の内閣を支持する人が3割もいるというのは、政治家が何をしても、まず批判する傾向にあるフランスではおこえないことだと思う...。


外部リンク:
1日5人が餓死で亡くなるこの国
飽食日本で起こった悲惨な餓死事件まとめ
悪化する日本の「貧困率」 2014.08.29
世界・収入不平等指数ランキング
国の所得格差順リスト

最低賃金、過去最大25円上げ=全国平均で848円-政府目標3%を達成 2017/07/26
社説:最低賃金の引き上げ それでもまだ低い水準だ 2017/07/27
☆ 厚生労働省: 地域別最低賃金の全国一覧
労働政策研究・研修機構: データブック国際労働比較2016 » 5. 賃金・労働費用
国際比較で考える日本の最低賃金 課題は「地域」「産別」の役割発揮にあり 2017/06/14
国際水準の「最低賃金」に及ばない時給引き上げ  2016-10-02
世界一「最低賃金」の高い国は? 日本12位、韓国13位 2016/02/21
国連が衝撃発表!国連「日本の最低賃金は先進国最低。生存基準を下回っている」フランスの最低賃金は9.43ユーロ(約1311円) 2014.01.13
☆ Wikipedia: 最低賃金 » Salaire minimum
☆ Wikipedia: Salaire minimum interprofessionnel de croissance
☆ Wikipedia: 各国の最低賃金の一覧
「月給制で働く人」が見落とす最低賃金の基本

☆ なぜ、「人づくり革命」に違和感を覚えるのか? 2017/08/08
☆ 悪評紛々! 安倍政権の「人づくり革命」 2017/08/10
☆ 人間をマシンに…安倍政権「人づくり革命」の露骨な魂胆 2017/08/12

安倍内閣の支持率、40%〜30%台に下落 各メディアの世論調査、加計問題が響く? 2017/06/19
マクロン仏大統領の支持率54%、前月から10ポイント下がる 2017/07/23
CHÂTEAU DE VAUX LE VICOMTE ; Une pme unique, qui a l’histoire en héritage
安倍首相のいきつけ 赤坂・日本料理店は超絶ブラックだった

ブログ内リンク:
★ シリーズ記事: 「奴隷のように働く」という例え 2014年
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ
★ 目次: フランスのホームレス、貧困者


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2017/07/06
6月の中旬に突然暑い日が来たら、虫たちが草むらで激しく鳴いているのが聞こえてきました。でも、虫が鳴いているなと思ったのは1日か2日で、また小鳥の鳴き声しか空に響かなくなっていました。

フランスにいて虫の音が気になるのは暑いときだけのような気がします。秋になっても虫が鳴いているのか観察してみたいと思いながら、毎年忘れてしまっています。

フランスの田舎で賑やかに聞こえてくるのは小鳥の鳴き声です。虫の声はそれにかき消されてしまっているのかも知れない。ともかく、鳥の方は色々な鳴き方をするので、こちらの方に興味を持ってしまうのは確か。


フランスで鳴き声が好かれる虫の代表は、コウロギ?

だいぶ前に見つけたサイトで、フランスで聞く小鳥の鳴き声の見分け方のレッスンをしているので、時々聞いているのですが、その中に虫の音のレッスンもありました。

やはり、虫の音はフランスでは夏の風物詩のようですね。レッスンは「夏の夜の雰囲気」と題しています。


Ambiance des soirs d’été : grillon d’Italie et grande sauterelle verte


ここでは、前半と後半い分けて、次の2つの虫の鳴き声を紹介していました。

Grillon d'Italie
イタリアコウロギ(?)
Oecanthus pellucens
Grande sauterelle verte
マンシュウヤブキリ
Tettigonia viridissima


これがよく知られている虫の音なのでしょうね。私も、フランスで聞く虫の音は、この2つが中心になって聞こえている気がします。品種は違うのでしょうが、コウロギとバッタ。

夜の9時頃から鳴きだすと説明しています。黄色い「イタリアのコウロギ」という虫の音が美しい。単調な鳴き声なので、寝付くのに効果的ですね。

「イタリアのコウロギ」という品種が実際に鳴いているのを撮影した動画がありました。


GRILLON d'Italie / Oecanthus pellucens / Chante la Nuit ! BRUITX


フランス語で「虫の音」というようなときには、「chant(歌)」という単語を使います。人間が歌うのもそれだし、小鳥の鳴き声も同じ。でも、昆虫は口で歌うわけではないので、歌と表現するのは適当でがないのでしょうね。


フランスには、美しく歌う虫が少ない

夏の夜の虫の鳴き声レッスンでもう1つ紹介されていた「緑色の大きなバッタ」という虫の方は、鳴き声が高音なので、聞き取れない人もいるそうです。


GRANDE Sauterelle Verte / Chant la Nuit ! BRUITX

言っては悪いけれど、つまらない鳴き声ですね...。

日本には特徴のある鳴き方をする昆虫がたくさんいますが、フランスにはそんなにいないと感じます。セミも南仏に行けばいますが、日本のように色々な鳴き方はしないで煩いだけ。

日本にいる虫の音には風情を感じますが、フランスでは雑音くらいにしか思わない人が多いのではないかという気がします。

コオロギが鳴いていると私に教えてくれるフランスの友人は、夏休みにバッタやコウロギを捕まえて籠に入れていたと話したので、子どもの頃のことを懐かしく思い出すから喜んでいるのではないかと思いました。


日本人が虫の声をめでるのは秋

俳句では、「虫」は秋の季語でしたよね?

フランス人が「虫が鳴いているよ♪」と言ってくるのは夏だと感じています。

日本には『虫のこえ』という童謡があったので聞いてみました。


10月虫のこえ(童謡・唱歌)

日本人が虫の音をめでるのは、やはり秋のようですね。この歌の中「秋の夜長を 鳴き通す」という歌詞が入っていました。

日本の夏は暑いので、秋になって虫の音が響いてくると、涼しさを感じて嬉しいのではないかな? フランスでは、夏が終わったら途端に寒くなるので、夏が終わってしまったのが寂しいし、虫の音に風情なんか感じていられないと思います。


虫の音を聞き分けられるのは、
  日本人とポリネシア人だけ、というのはオーバーでは?


むかし、イギリスで初めて野外コンサートに連れて行ってもらったときのことです。湖の畔に会場が出来ていて、庭でくつろぐときに使うような椅子を持ち込んでいる人たちもいてリラックスした雰囲気。

ところが、そのとき私は驚いたのでした。クラシック音楽なので音が非常に小さくなる時もありました。すると、私の耳には回りから聞こえてくる小鳥や虫の鳴き声しか聞こえてこない! みなさんは、そういう環境が全く気になっていらっしゃらない様子。

それで、なぜ私の耳には音楽より小鳥や虫の音が陣取ってしまうのか調べてみました。

日本人の演奏家だったか指揮者だったかが書いた文章があって、私が感じたことを裏書きしていました。ヨーロッパの人たちは野外コンサートを堪能できるのに、日本人はできない、と言っていたのです。

人間の脳は右脳と左脳とに分かれ、日本人は音楽や小鳥や虫の声を同じ側でキャッチしているので、全部混じってしまうのだ、ということでした。なるほどな、と納得。

この説明では、日本人は言語脳で日本語を感知しているけれど、外国語は音楽脳の方で処理している、というものでした。これも納得。日本語で何か考え事をしているとき、いきなりフランス人から話しかけられると、全く何を言われたのか分からないのです。「これからしゃべるよ」とか前置きをしてくれれば頭のスイッチを切り替えられるのに、いきなり言われたことを全く認識していないので、耳が悪いのじゃないかと思われてしまうのが悔しい!


再びインターネットで情報を調べてみたら、あの時に私が得たのは誤解していたのか、その後に新しい学説が出たのか、違うことが書いてありました。

西洋人は右脳(音楽脳)で虫の音を機械音や雑音を処理するが、日本人は虫の音は左脳(言語脳)で受けとめる、という説明でした。そうかな...。

さらに、日本人は虫の鳴き声を聞き分ける能力がある、という記述も目立ちました。何だか、ヨーロッパの人たちに「日本には四季があるのですよ」と自慢しているのと同じレベルではないかと思ってしまう...。


リムスキー=コルサコフが、熊蜂がブンブン飛んでいる音は聞かずに、飛び回っているのを見ただけで作曲したとは思えないのですけどね...。


ユジャ・ワン演奏による『熊蜂の飛行』


コウロギには、フランス人たちにも親しみがあるようです。シャンソンでもコウロギを扱ったものが幾つかありました。

マルセル・アモンの『コウロギのシャンソン』という曲では、コウロギを友達にして楽しくおしゃべりしている様子を歌っています。


Marcel Amont - La chanson du grillon

日本語訳の紹介がありました:
マルセル・アモン歌唱の「こおろぎ」の仏語 - よしだゆきおのシャンソン勉強会


ブログ内リンク:
日本の蝉(せみ)と、フランスの cigale の比較 2009/07/28
葡萄ジャムからワインを作るなどという醸造法があったの?! 2011/07/28
ちょっと怖いな... 最近の日本礼賛ブーム 2015/03/01

外部リンク:
日本人の音意識
なぜ日本人には虫の「声」が聞こえ、外国人には聞こえないのか?
秋の虫の声が心地いいのは日本人だけ?音と脳の働きについて
虫の鳴き声を「声」と認識する 日本人とポリネシア人だけだった
Insectes de France: Le chant des Orthoptères
☆ Chants d'oiseaux en Bourgogne: Insectes
Le grillon, son chant de cri-cri
虫の音って英語でなんて言うの?
虫のこえ(虫の声) 童謡・唱歌 歌詞と試聴



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2017/06/01
フランスにいて面倒だなと思う風習に、手を握り合う握手と、相手を抱いてキスの挨拶があります。

私が苦手なのは、何十人も集まっている場に行ったときの挨拶。全員に向かってお辞儀をしたり、「こんにちわ♪」と手を振ったりして挨拶するわけにはいきません。一人一人に挨拶して回らなければならない! しかも、相手によって、握手にするかハグにするかを即断しなければならないので複雑です。

友人たちと例によって数時間も続く食事をしていたとき、彼らの知人についてうわさ話が出たとき、彼は自分に握手をしなかったことを理由に嫌っている人がいました。その男性と会った時、ご主人とは握手をしていたのに、その隣にいた彼女には挨拶をしてくれなかったのだそう。

数年前の出来事で、その話しは前にも聞いていたと思うのですが、そんなに挨拶されなかったことに恨みを持つものかと思ってしまいました。

このブログでは既にフランス式の挨拶について色々と書いているのですが、最近気になったのは握手の仕方でした。


握手の仕方で意思表示をしたマクロン新大統領

北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の報道をテレビで見ていたら、フランス大統領に就任したばかりのマクロン氏が握手する場面が映し出されたのですが、それがとても奇妙だったのです。

マクロン氏が、待ち構えている皆さんにご挨拶するという場面です。

青い絨毯の真ん中から少し左にずれて歩いて行く。そのまま歩いていけばアメリカ大統領のトランプにぶつかるはずなのに、方向転換をして、まずドイツのメルケル首相と抱き合って挨拶。マクロン氏はEU存続を主張して大統領に当選しているので、この画面は自然。相手は女性だからレディーファーストを見せたとも受け取れる。

次に、メルケルさんの隣にいたNATO事務総長と握手の挨拶。普通なら、その隣にいるトランプ氏と挨拶になるはずなのに、また方向転換して、メルケルさんを挟んで反対側にいたベルギーの首相に挨拶。

トランプ氏は、「俺様に挨拶しろ」とでも言うかのように手を差し出してくる。マクロン氏が握手すると、トランプ氏は握手した相手を引っ張るといつものやり方をしますが、マクロン氏は左手でトランプ氏の腕に静止をかけます。

さらに、トランプ氏がよくやる動作で、相手の肩をマクロン氏が叩いている。間をおいて、トランプ氏もマクロン氏の肩を叩く。ところが、そうした挨拶が終わった後、トランプ氏は口をあけて「やられた~」という顔をしたのでした。

動画で見るとスローモーションにできるので、再び眺めてみます。


Macron appears to swerve away from Trump at NATO summit

マクロン氏は、アメリカには負けないで、ヨーロッパでやっていくのだという意志表示をするために、計算づくでやったのだろうと思いました。


雌雄(しゆう)を決するトランプ・シェイク?

マクロン氏がアメリカには負けないのだという強気を見せた行動が面白いと思ったのは、我が安倍首相がトランプ氏と会って握手をした画面でした。ヘラヘラ笑わないで頑張れ! と言いたくなりました。

「お前は俺様の子分なんだぞ。言いなりになれよな」
「はい、そういたしますよ~♪」
「よし、いい子だ」
... としか見えなかった映像。


Trump shakes Japanese PM's hand for 19 seconds

握手が終わったら、安倍首相はのけぞって口を大きく開けて「参った~!」という表情をしています。

とは言え、口を開けて笑顔でいるのは恍惚状態のようにも見えるので薄気味悪い。道を歩いていた日本人が転んで起き上がる時に笑顔を見せるのと同じかな?... 外国人には奇妙に見えると聞いたとき、確かに変だと私も思って、そういう笑顔は見せないよう気をつけていますけれど。

ともかく、マクロン vs トランプの時と同じで、勝負は決まったという2人の勝敗を見せる表情が面白いと思いました。



トランプ氏の握手の仕方には特徴があります。アメリカが優位を持っているのだ、と見せる映像にするテクニックに見えます。

日本語でカードゲームを意味するトランプは、ポルトガル語の「切り札」から来ているのだそう。とすると、トランプのトランプは握手?

各国のトップに立つ政治家たちは、トランプ氏と握手する時にはどうするか対策を練っているのではないでしょうか?
Justin Trudeau
カナダのトルドー首相も、マクロン氏(38歳)より少し年上ですが、45歳と若い。

首相になりたてのときは、外国の要人と会ったときの握手にぎこちなさがあったようなのですが、トランプ氏との握手では、見事に負けてはいなかった、と評価されていました。


マクロン氏が別の場面でトランプ氏と握手している映像もありました。


トランプ氏の「握手外交」 マクロン氏は放さず

トランプ氏がやりたいままにグイグイと好きなだけ引っ張らせてしまったのは、日本の首相だけでもなかっただろうと思うのですが、日本人としては残念...。


マクロントランプ氏との握手バトルで、完全に勝っていたのはオバマ氏ではないでしょうか?


Smiles and a handshake; Trump meets Obama at White House

普通の握手の仕方をトランプ氏がしたのは、戦いの前から自分が負けている本人が思っていたからではないかと感じました。


国のトップに相応しい気迫

日本に隠し財産や愛人も作るほどの親日家だったシラク氏が大統領だった時代、こんなことを言っているフランスの友人がいました。

フランス人は、外国に行ったときなどに、フランス人は偉いんだと思わせるような風格のある人を大統領に選ぶ。

シラク氏は、テレビで見ていると愛嬌があってお人よしのように見えますが、目の前に立たれると、かなり威圧感がありました。背が高いし、体格が立派。こちらがタジタジになるほど怖い感じに見えました。

友人が言ったことも、そうかな... と思ったのです。ドゴール将軍も巨人と言えるくらい背が高かった。ミッテランは背は低いけれど、頭の回転はよく、威圧感がある。

でも、その後に大統領になったサルコジ氏とオランド氏は、ドジをやったりしていたので、友人の言葉には全く反した人でした。マクロン氏は、久しぶりに現れたフランス大統領のタイプかな?...

いまだにお笑い草になっているサルコジ大統領の失態の1つには、こんなのがあります。


Pourquoi Sarkozy était-il en situation de malaise après avoir rencontré Poutine?

プーチン大統領との話し合いを終えて、記者会見の会場に登場したサルコジ氏が、「ご質問はありますか?」と言っているのですが、どうにも変。ウオッカでも飲まされて、アルコール飲料は一滴も飲めない彼は酔っていたのだろうと言われたのですが、最近は、2人は酒は飲んでおらず、サルコジ氏がプーチン氏に威圧されて精神的に動揺し、異常な状態になっていたのだ、と言う人がいます。

マクロン大統領は38歳と若いし、政治経験にも乏しいのですが、かなり堂々としていて頼もしく見えます。プーチン大統領と会ったときも、相手にへつらわないで、真っすぐに主張していたようです。

大統領選挙の決勝戦の前に対立候補だったル・ペン氏との討論会を見るまでは、私にとってのマクロン氏は全く魅力を感じていない男性だったのですが、この人は、もしかしたらフランスを立て直すことができる人物なのかもしれないと思えてきています。


日本にも、外国の政治家を打ち負かすほどの風格があって、まともな議論もできる政治家がトップに立って欲しい。今回のG7の様子を見せるテレビのニュースでは、誰からも相手にされない孤立した姿の首相が映っていたので面白くない。記念撮影では笑顔を振りまいていましたが、日本人に受けることが欧米社会では通用しないことも多いので、私たちは不利なのだろうな...。

冷たい握手

変な握手には、トランプ氏とは逆に、やたらに味気ないやり方をする人がいます。

握手は相手の手を適度な強さで「握る」ものだと思うのですが、手を出すだけで、全く握らない人がいるのです。少し前にアキード事件を話題にしていたとき、その首相夫人と握手をしたら、余りにも味気ないので、「この人は、なんだ?!」と不快に思ったと言う日本の友人がいました。

私が経験したのは、若いフランス人女性との握手。誰だったかは忘れましたが、ずいぶん前のことなのに、あの時の異様な感覚は未だに残っています。

それから、手がやたらに冷たいのも奇妙でしょうね。

ミッテラン大統領の内閣のポストに就いていたことがある友人は、ミッテラン氏と握手すると、いつも手が異常に冷たかったと言っていました。後にミッテラン氏は癌を患っていたのに大統領の2期目に立候補したと批判されたので、冷たい手だったのは病気のせいだったのだろうと思いました。

冷たい手ということで好きなフレーズは、Pierre Alexis de Ponson du Terrailが書いた文章。

こんな感じだったと思います:
Sa main était aussi froide que celle d'un serpent.

その手は蛇の手のように冷たかった。

フランス語では「蛇のそれ」と言っているので、そのまま意味をとってしまうのだけれど、日本語では言葉遊びができないですね。


それにしても、トランプ氏の握手は面白い。というか、少し薄気味悪い。

こんなフェイク動画を作りたくなるでしょうね:
「ローマ教皇がトランプ大統領との握手を拒否したって本当?」決定的瞬間の真偽は…

トランプ氏が大統領選挙に出馬して発言していたことについて、ローマ教皇は、彼は本当のクリスチャンではない、と言っていましたっけね。

ブログ内リンク:
★ 目次: フランス式挨拶、親しさの表現

外部リンク:
☆ CNN: もはや代名詞? トランプ氏の印象深い「握手」集
☆ CNN: マクロン仏大統領、トランプ氏との握手は「決定的瞬間」
トランプ大統領の「変な握手」をボディランゲージの専門家が分析
ガーディアンの動画が暴いた「トランプ大統領の異常な握手マナー」、トランプ・ノーマルを許してはならない
トランプ氏との握手合戦は意図的と仏大統領 あれは「真実の瞬間」
トランプ大統領の凄すぎる握手 安倍首相は餌食になったが、あのイケメン首相は…
トランプ氏との握手「無邪気なものではなかった」 マクロン仏大統領の外交デビュー「合格」 米露首脳に「妥協せず」
安倍首相がサミットデマ吹聴!“G7が共謀罪後押し”“国連事務総長「共謀罪批判は国連の総意でない」”は全部嘘だった!
insolite あるいは ridicule ?


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2017/01/03
シリーズ記事目次 【栗のマロンには不思議がいっぱい!
その14


長らく栗について書いてきたのですが、最後に「栗色」に触れてみます。


◆ 「栗色と訳されるフランスの色

栗が育たない国では「栗色」というのはなくて、「茶色」とか何とかいうのではないでしょうか? フランスでは中世には栗の栽培が始まったそうなので、当然ながら栗を想起させる名前の色があります。

拾ってみたところ、3つ見つかりました。

栗の木「シャテニエ(châtaignier)」の実を意味する「シャテーニュ(châtaigne)」からできた、シャテーニュ(châtaigne)という色、châtain(シャタン)という色。

それから、栗の木でもマロニエでも果実をマロンと呼ぶのでややっこしい「マロン(marron)」という色。

色の違いをフランスのカラーコードで出したものを並べてみます。


châtaigne
シャテーニュ
(明るい栗色)
châtain
シャタン
(栗色)
marron
マロン
(栗色)
#806D5A
灰色がかった明るいブラウン
#8B6C42
ブラウンと金色の中間
#582900
赤味がかったブラウン
栗 栗 マロニエ

それぞれの色の名前に仏和辞典に入っている訳語をカッコの中に加えたのですが、みんな「栗色」とされているのですね。私は栗色といったらマロン色を思い浮かべますけれど。

「シャテーニュ」という色の名前は、それほど使わない感じがします。コードで出した色は栗の皮の色でもないし、渋皮の色とも違うし、何なのだろう?.

英語情報では、シャテーニュはDonkey Brownに近いとありました。
Donkey Brown(#816E5C)
なるほど、ロバはこういう色が多いですね。

「シャタン」には馴染みがあります。フランス人の多くは「シャタン」と呼ぶ髪の毛の色だからです。金髪を濃くしたような色で、brun(ブラウン)とblond(ブロンド)の中間にある色、と定義されていました。

シャタンは髪の色と密接な関係があります。ヘアーカラーでも、濃いシャタン色、明るいシャタン色、灰色がかったシャタンなど、色々なニュアンスを出して売られています。「マロン」と呼ぶ色合いよりも使われていることが多いように感じます。

右に入れたのは濃いシャタン色(châtain foncé)と表現されていた髪の毛。こうなると、マロンの色と違いが余り見えなくなります。

目が茶色の場合には、シャテーニュ色とマロン色は使いますが、シャタン色とは言わないですね。


発音も綴りも全く違う3つの色を全て「栗色」と訳すのは面白くないので、栗に関係した和色の名前を探してみました。


日本の色には、栗がたくさん登場する

フランスより日本の方が多いだろうなとは予測したのですが、こんなに出てくるとは思わなかった! そんなに栗は日本人には思い入れがある果実だったのでしょうか。

拾った色コードで色を出したのですが、なんだか全く違って見える色も並んでしまいました。間違っているのかもしれませんが、拾い出したものを並べてみます。色の名前に対応する色コードはもっと存在していたのですが、収拾がつかないので全部を並べるのは止めています。

和色: 一般的な栗色
栗色
(くりいろ)
#762F07
(日本の伝統色)
栗の皮のような赤みのある焦茶色。

別名: 落栗色、栗皮色、栗皮茶


《実りの色2》落栗色(おちぐりいろ)
#800000
#704B38
#5D2917
#522C1E
#591C12

栗皮色
(くりかわいろ)
#6A4028栗の皮の色で、黒みがかった赤褐色。

現代では、一般的に「栗色」と呼ばれる。

江戸時代には女帯によく使われていた色らしい。

栗皮茶
(くりかわちゃ)
#6D3C32
栗の実の皮のような黒みがかった赤褐色。

別名: 栗色、栗皮色

栗の樹皮と灰汁で茶に染める「栗皮染」がある。
#824522


和色: 特殊な栗色
栗梅
(くりうめ)
#852E19栗色を帯びた濃い赤茶色。あるいは、少し赤みの明るい茶色。

「栗色の梅染」が略されたもので、江戸時代の流行色。
梅がつく色は「紅梅色(こうばいいろ)」に代表される赤み(#E86B79)を表現している。
#6C1912
#58271E
#88503E

栗梅茶
くりうめちゃ
#CC5959赤みから黒みを帯びた茶色。
「くりむめ」ともいう。

栗金茶
(くりかねちゃ)
#B14329

蒸栗色
(むしくりいろ)
#EBE1A9蒸した栗の皮を向いた実のような、緑みがかった淡い黄色。

中国の古代書の『爾雅』にこの染色が登場している「蒸栗」の色は、日本で一般的に思われている色とは違うという説もある。

#EFEACC
#EEE2C2

小栗色
(こぐりいろ)
#72A46A未熟の小栗の色を表したものと思われる。

柴染
(ふしぞめ)
#B28C6Eタンニン物質を含んだ樹皮や柴木(山野に生する栗、楢、樫、櫟など小さい雑木)の煎汁で染めた色で、暗い灰みの黄赤。

どこででも採れる染料であるため、下位の人間の服の色とされた。
朽葉色(くちばいろ)
#796040


外国から入った色
マルーン
maroon
#501818明るい赤みの茶色
大粒の栗の名前が英語化したもので、暗い赤茶色に用いられる。
#800000
#6A1917

チェスナットブラウン#5C3E2Dマルーンより小型の栗で、色も赤みが少ない。
#68412F

フランス語: marron
#582900
英語: chestnut
#954535
イタリア語: castano
#6D351A



フランスのブラウン系の色

フランスでもブラウン系は色々あります。ただ、栗を持ち出さないだけなのでしょうね。

ブラウン系の一覧:
Code couleurs html - Les brun.

Wikipediaのフランス語に入っているブラウン系は少ないですがカテゴリーが出来ていました:
Catégorie:Brun


フランスで使われている色の名前は、和色の名前に比べると、全くつまらないですね。



栗の木とマロニエについて長々書いてきてしまったので、今回でシリーズは終わりにするつもりだったのですが、「栗色」と訳される「シャタン」という色が気になるので、まだ続けます。

続き:
 亜麻色の髪とは、淡い栗色ではなかった 2017/01/08


 シリーズ記事目次: 栗のマロンには不思議がいっぱい!

ブログ内リンク:
★ 目次: 色について書いた記事

外部リンク:
【茶色】
☆ Wikipedia: Palette Teintes de brun
☆ Wikipedia: Châtain
☆ Wikipédia: Marron (couleur)
☆ Au domicile des mots dits et écrits: Le marronnier | La châtaigne
Marron symbolisme, histoire et expressions… notre série des couleurs

【髪の毛の色】
☆ Wikipedia: Palette Teintes de cheveux
☆ Wiipedia: Couleur des cheveux
☆ 髪の毛の色表現:  | (ヘアーカラー) | (ヘアーカラー)
Le vocabulaire du coiffeur, se faire mieux comprendre!

【目の色】
☆ Wiipedia: Couleur des yeux
☆ Wikimedia Commons: categoryEyes by color

【色】
[CODE COULEUR] Dictionnaire des couleurs
☆ Wiktionnaire: Thésaurus couleur-français


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2016/12/19
日本から友達が来たときには、フランスの友人に観光案内を手伝ってもらうことにしています。

私とだけ付き合っていないで、フランス人とおしゃべりする方がフランスという国がよく見えるだろうし、友達から何か聞かれたらフランス人に答えてもらえるので、私にとっても利点があるからです。

ところが、困ったときがありました。


日本人は冗談を真に受ける?

フランス人はジョークを連発するのですが、私の友達は冗談を言って笑わせようとしているとは思わない。自分が知らなかったことを教えてくれていると思って感心してしまうのです。

そのうち、フランス人の方は彼女が何でも信じてしまうことを面白がって、あること、ないこと、全部ジョークにして遊んでしまうようになったのでした。

英語は流暢ではない人だったので、洗練したジョークは言えない。それで、黒い馬がいるのを指さして、「あれはアフリカの馬です♪」なんてバカなことまで言い出すのでした...。

彼女が「ほうとうに?」と言いながら感心しているので、フランス人は「ほんとうに」という日本語まで覚えてしまった! イントネーションで少し疑っているというのが分かると、頷きながら語尾を下げて「おんとに~」と言葉を返して(Hを発音できないため)、「本当にそうなんですよ」という感じまで出してしまうのでした。知り合いにアントニーという名の男の子がいるので、ホントニーは覚えやすかったらしい。

フランスの友人には、私の友達は素直な人なのだから、そういう悪ふざけはしないで欲しい、ときつく叱りました。

日本の友達には、相手は冗談で言っているのだから真に受けないで、と言いました。

でも彼女は、何か言われると、まず信じてしまうのです。とても良い性格の人なので、相手が言ったことに感心してみせるのが礼儀だと思っていたのかもしれない...。

参りました! 彼女が日本に帰ってから、教えてもらったことを他の人達に話したらマズイではないですか?!

ジョークの分かる日本人もいらっしゃいます。フランス人から何か言われると、真っ先にアッハハと笑う。そういうタイプの人は、フランス人から一目置かれます。そもそも、フランスの政治家の場合でも、何か貶されたら、怒ったりりはせずに、機知のきいたジョークを言って相手をやり込める能力が評価されています。

でも、日本人でジョークが分かる人はかなり少ないと感じています。真面目な席で通訳するときには、フランス人が何か冗談を言った後には、「これは冗談でけど♪」と私は勝手に付け加えてしまうことがあります。

誰も笑わないと、フランス人は私が下手に訳したからだろうと思ってしまうわけなので、そういう濡れ衣をかぶされないためです。訳す前に「それは冗談で言っているのでしょう?」と、ちらっと相手に確認したりもできますので。


日本人の鵜呑み度は70%

マスコミ報道の「鵜呑度」を国際比較した数値がありました。

アンケート調査はやり方によってどうにでもなってしまうけれど、これはかなり当たっているのではないか、と私の個人的な経験から思いました。

イギリスが最も疑い深くて、14%の人しか信じていない。

その後にはアメリカ、ロシア、イタリアと続き、フランスは第5位で35%。

日本人は、先進国の中では飛びぬけて信じやすい国民で、70%となっているのです!


パーセンテージはともかく、言われたことを疑わずに信じる日本人が多いのは確かだと感じています。

それで、その特性に気がついたフランス人は面白がって遊んでしまう?



シリーズ記事目次 【栗のマロンには不思議がいっぱい!目次へ
その7

栗の木シャテニエの果実
 ・シャテーニュ(châtaigne)
 ・マロン(marron)
マロニエの果実
 ・マロン(marron)


フランス的な冗談を真に受けてしまったのでは?

そう思ったのは、日本ではこう言われていると聞いたときでした。

かつてマロニエの実を使ってマロングラッセを作っていたが、
後にクリの実で代用するようになった。


こんな場面を思い描きました。

パリたくさんあるマロニエ並木を、フランス人男性と、日本人の女の子が歩いている。落ちているマロンを拾って、フランス人はこう言う。

- マロングラッセ、知っているでしょう? 昔は、このマロニエの実で作っていたんだよ。

- マロニエの実は食べられないって聞いたけど...。

- そうなんだ。マロニエの実はあく抜きが大変だから、栗で代用してマロングラッセが作られるようになったんだ。

- 本当に...。知らなかった~! わぁ~、みんなに教えてあげよう~♪

- 教えてあげなよ。フランスでも知っている人は少ないんだよ♪


パリっ子たちは偉そうな口をきくので、男性の口調と表情まで浮かんでしまいました。

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まず、毒があるマロニエの実を食べていたはずはないではないですか? 飢饉のときに食べていたというのならまだしも、手間がかかるマロングラッセを作っていたというのは信じられません。

マロングラッセは、フランスではクリスマスのときにしか食べないような高価なスイーツです。

大変な手間をかけて作らないから高い値段で売るのでしょうが、それを作るのにわざわざマロニエの実(マロン)を材料にするはずはないと思うのです。

本来は食べられないものを苦労して食品に仕上げるのは、日本の食文化ではないですか? 

致死性が高いフグの卵巣をぬか漬けにしたという珍味をお土産でいただいたことがありますが、美味しいわけでもないので持て余したことがあります。


日本では定着していた!

誰か、私の友達のようにナイーブな人が、パリで聞いたといってブログにでも書いていたのだろう、と思いました。

ところが、「マロニエの実を使ってマロングラッセを作っていた」をキーワードにして検索すると、たくさんヒットするのでした。今では消えているのですが、かってはWikipediaにそう書いてあったようです。

同じ文章を使っていると感じるものには、次のようなものがありました。これをコピーしてキーワード検索をすると、たくさんヒットします。
  • かつてマロニエの実を使ってマロングラッセを作っていたが、後にクリの実で代用するようになった。

  • マロングラッセに使うマロニエの実をクリで代用したことから、 クリのこともマロンと呼ぶようになった。

  • フランス語のマロン=marronは元来このマロニエの実に由来するが、食用においてはヨーロッパグリの方が適していたことから後者を指すのが一般的になった。


そういうのは奇妙だと思うのは私だけではなくて、間違っていると指摘なさっていらっしゃる方がありました:
マロングラッセはかつて本当にセイヨウトチノキ(マロニエ)の実が使用されていたのか

この記事を読んで分かったのですが、「平凡社 世界大百科事典」の「セイヨウトチノキ」のところに、こう記載されているのだそうです:
  • マロニエという名称はマロン(クリ)に由来し、マロングラッセも古くはマロニエの実が使われたという。
百科事典に書いてあれば、信じますよね。

まして、先日に書いたように(辞書が頼りにできないと困る...)、仏和辞典のシャテーニュ(栗の実)のところには、「ふつうは食用にしない」と書いてあるのですから、裏付けられてしまうではないですか?

Yahoo!知恵袋には、「本物のマロングラッセを食べてみたい」というのまで入っていました。本物のマロングラッセはマロニエの実で作ったものだと信じていらして、それを売っている店を教えて欲しいというのです。

マロングラッセは栗の実のマロンで作るのだと回答していらっしゃる方があったのですが、ベストアンサーには選ばれてはいませんでした。ちょっと怖いではないですか? 質問された方が諦めきれなくて、ご自分でレシピを探して、セイヨウトチノキの実でマロングラッセを作って食べてしまったら危ないですよ。

毒性を利用するのか、マロニエの実から薬は作られるそうですが、人によっては食べたらかなり危険なことにもなるそうです。

フランスの情報も探してみましたが、マロニエの実でマロングラッセを作っていたというのは1つも見つかりませんでした。冗談で言いたくなる人はいそうですが、それさえもない。そんなことを書いて真に受けた人がいたら、被害者から告訴されることだってあり得るので避けるのではないでしょうか?

ここのところ、栗とマロニエの実のマロンについて書きながらフランス情報をたくさん読んでいますが、マロニエの実は有毒だから、栗のマロンと間違えないようにと、必ずと言って良いほど強調していました。


マロニエはヨーロッパに昔からあったわけではなく、それが入る前から、どこの国でもしていたように、フランスでも栗を食べていました。マロニエの実を食べる必要はなかったと思うのです。

マロニエと呼ぶことにした樹木がフランスにが入ったとき、すでにマロングラッセなるお菓子が存在していたのだとしたら、昔はマロニエの実(マロン)でマロングラッセを作っていたというのは成り立たないことになります。

また、栗をマロンと呼ぶことが、マロニエが入る前からあったら、マロングラッセを栗で作るようになったから栗をマロンと呼ぶようになったわけではないのは立証できます。

それを調べたので書こうとしたのですが、前置きが長くなってしまったので別の記事にします。


少し寄り道をした続き:
マロングラッセを作るのには20日間もかかる


★ シリーズ記事目次: 栗のマロンには不思議がいっぱい!
今回は、その7でした。




ブログ内リンク:
★ 目次: フランス人のジョークについて書いた記事
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ

外部リンク:
検証:世界で最も「情報民度」が低いのが日本人である!
☆ 国立健康・栄養研究所: セイヨウトチノキ(マロニエ) - 「健康食品」の安全性・有効性情報
Centre Antipoison Animal et Environnemental de l'Ouest: Le marronnier


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カテゴリー: 日仏の比較 | Comment (4) | Top
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2016/06/18
最近、『Le Petit Poucet(おやゆびこぞう)』を思い出していました。

シャルル・ペロー(Charles Perrault)が17世紀末に出版した『Les Contes de ma mère l'Oye』に、眠れる森の美女や、赤ずきん、シンデレラの話しなどと一緒に入っている童話で、フランス人なら誰でも知っているはずの童話です。





ペローのLe Petit Poucetおやゆびこぞう)』のストーリー

『おやゆぎこぞう』の主人公は、Petit poucet(プチ・プーセ)と呼ばれている7歳男の子

poucetはpouce(親指)を縮めた単語で、プチ・プーセは年齢も体も小さな子どもにつけるあだ名のようです。それで、日本語の題名は「親指小僧」にしたのでしょうね。

プチ・プーセは7人兄弟の末っ子でした。お金がなくなった両親は、これ以上は子どもたちを養うことはできないと話し合い、彼らを森に捨てることにします。


« Tu vois bien que nous ne pouvons plus nourrir nos enfants. »
【Illustration de Gustave Doré de 1867】


子どもたちはオオカミも出る森に連れて行かれて置き去りにされます。

前の晩に親たちの話しを聞いていたプチ・プーセは、森に連れて行かれるときに白い小石をまいていたので、子どもたちは無事に家に帰ることができました。


« ...en marchant, il avait laissé tomber le long du chemin les petits cailloux blancs qu'il avait dans ses poches. »


プチ・プーセたちは、再び森に捨てられす。

このときもプチ・プーセは親から捨てられると分かっていたのですが、小石を拾えなかった。それで、パン屑を撒きながら歩いたので、小鳥に食べられてしまい、家に帰る道がわからない。

森の中に家があったので入りますが、そこはOgre(人食い鬼)の家だったのでした。しかし、プチ・プーセは人食い鬼から魔法のブーツを奪います。


Le Petit Poucet subtilisant les bottes de sept lieues à l'Ogre.

ひと足で7里を飛べるブーツを履いたプチ・プーセは、人食い鬼の家に行って嘘をつき、財宝を手に入れてしまう。それを持って家に戻り、その後の家族は幸せに過ごしたというハッピーエンド。



したたかな7歳の男の子のお話し。親に怖い森に連れていかれて置き去りにされる。1回目は親元に戻れたけれど、また捨てらる。子どもたちは見つけた家に逃げ込む...。


日本語訳を紹介しているサイトがありました:
☆ お話歳時記: おやゆびこぞう。


子ども向けのフランス語の漫画もインターネットには入っていました:


Le petit poucet - Conte de notre enfance


グリム童話のおやゆびこぞう

同じ話しは、ドイツのグリム兄弟も書いていました。

フランス版のように親に捨てられた話しではありません。最近に北海道で起きた子ども置き去り事件には全く類似点は見えませんでした。

グリム童話では、こういうストーリーなのだそうです。
  • 子供に恵まれない夫婦に男の子が生まれ、可愛がって育てる。
  • その子は親指ほどの大きさだったために、見世物小屋の主人が買いたいと言ってくる。その子は、すぐに戻ってくるのだから、お金儲けのために自分を売るように、と親に言う。
  • 子どもは売られたが、うまく逃げ出し、無事に親元に戻る。


『おやゆびこぞう』という同じ名前が付いているので、これがグリム童話のバージョンなのだろうと思ったのですが、グリム童話では『ヘンゼルとグレーテル』がプチ・プーセのお話しに酷似していました。

こちらでは兄弟は2人。お父さんは同じように木こり。貧しさのゆえに子どもを捨てることを提案したのは母親ですが、父親も協力しています。

森に置き去りにされると2人は知っていましたので、兄のヘンゼルはプチ・プーセと同じ対策をしています。1回目は小石を落として行ったので、無事に家に帰っていますが、2回目に捨てられたときはパン屑を落としていったので失敗。

二人は見つけた家に行きますが、これは魔法使いが住むお菓子の家。

結局、妹のグレーテルは魔法使いをかまどにつき飛ばして殺し、彼らは家から財宝を手に入れて両親のもとに帰る。家族4人は幸せに暮らすというハッピーエンド。

お話しは、こちらに出ていました:
☆ 青空文庫: ヘンゼルとグレーテル グリム兄弟


子どもを追い出す親の行為

シャルル・ペローがプチ・プーセの話しを書いた17世紀には、フランスでは頻繁に飢饉に見舞われていたそうです。ハッピーエンドなしの実話はたくさんあったのでしょうね。

私が気になるのは、プチ・プーセたちは2度も両親に捨てられているのに家に戻り、親孝行までしていること。どこの国でも、子どもは自分の所有物みたいに自分勝手に扱う親がいて、どんなに親に酷いことをされても、子どもは親を慕うものなのかな?...

ところで、日本の親が子どものお仕置きをするときには、「出て行きなさい」というのは普通にやるのではないかと思います。私も、叱られて家に入れてもらえなかった経験があります。闇が迫ってきている夕方。ガンガンとドアを叩いて「入れて~!」とやるのですが、近所の人というのは助けてくれないものなのですよね。「煩くてたまらないから、やめさせろ」とでも言いに来てくれても良いのに!

学校でも、先生は生徒のお仕置きとして教室から出るように言うのでした。小学校の始めの3年間は少し田舎が残っているところにいたのですが、先生が教室を出なさいと言われた生徒は謝って、出ていかなくても良い許可をもらうというパターンでした。ところが、その後に東京の小学校に移ったら、みんな、さっさと教室を出ていくので驚きました。さすが、東京の子はすれているな、と感心した思い出です。

でも、あれは、田舎の子と東京の子の違いではなくて、先生の違いだったかもしれない。

小学校低学年のときの担任は女性で、とても良い先生でした。私が白紙答案なんかを出したときには、放課後に家に飛んできて、何か問題があるのではないかと母親に聞いていたし。葉はの方は「印刷がよく見えなかったそうで」などとでっちあげの返事をしていましたけれど。

学年の途中から入った東京の小学校では、男性の先生でした。変な先生。一人の男の子を目の敵にして虐めていたのです。何かあると、彼がやったことにして、教壇に呼んで、どつきまわす。私たちは彼がやったのではないと知っていた時でも、怖くて震え上がっていたので何も言いませんでした。自分たちは卑怯だったな... と、いまだに忘れられません。何だか知らないけれど、先生が嫌っていただけで、仲間をいじめたりするような不良では全くなくて、とても良い子だったのです...。


フランスの親が子どもにお仕置きをするときには、ご飯を食べさせないか、部屋に閉じ込めるものなのだそうです。子どもを叱ったときに外に出したら、友達の家に行ったりして遊んでしまうので、全くお仕置きにならないから、と友人は説明していました。

でも、私が家から閉め出されたときには、友達の家に遊びに行くなんていう気持ちの余裕はなかったように思います。そもそも、親に折檻されているなんていう恥は他人には見せたくないですから。


むかし、アメリカでおきた事件も思い出しました。日本人の母親が親子心中をしようとしたら、子どもだけ死んで、彼女は生き残ってしまった、という事件。

アメリカの法律によって、この日本人女性は殺人罪として判決されたので、日本人たちが反対運動をおこしたのでした。子どもの私は殺人以外の何物でもないと思いました。でも、日本人にとって、親が生きていきたくなくなったら子どもを殺す権利があると考えるものらしい、と感じたのでした。

このとき、日本には普通の殺人より罪が尊属殺人罪があるというのがあると知ったように思います。弁護士の人たちは、親を殺すような子どもの状況には悲惨な例が多いのだとして反対していました。異常な状況というのは想像できます。親は子どもを簡単に殺せますが、子どもの方が親を殺すというのは、よほどのことがないと実行できないと思う。

ようやく1995年、尊属殺人罪をはじめとする尊属加重規定は、日本の刑法から削除されたそうですね。






ブログ内リンク:
謎が多い『赤ずきんちゃん』のお話し 2015/02/12
★ 目次: 文学者・哲学者、映画・テレビ番組
★ 目次: フランスに結婚に関する風習、夫婦・家族関係、生き方

外部リンク:
☆ 仏語テキスト: Le Petit Poucet de Charles Perrault
☆ お話歳時記: おやゆびこぞう。 (ペロー版テキスト)
☆ Wikipédia: Le Petit Poucet
 ☆ Analyse du "Petit poucet"
☆ グリム童話: おやゆびこぞう - グリム兄弟
☆ Wikipedia: おやゆびこぞう(グリム童話)
「出ていきなさい!」と叱る日本人の親と欧米人教育の違い
男児置き去り、なぜ日本人は「置いて帰るよ」と言って叱るのか?
その時歴史が動いた~昭和48年4月4日、尊属殺人罪が消えた日
☆ Wikipedia: 尊属殺法定刑違憲事件
【閲覧注意】尊属殺人罪(刑法200条・親殺し)が消えた理由
☆ L'Obs: JAPON. Comment l'enfant puni par ses parents a survécu 6 jours en forêt
☆ Le Monde: De l’abandon comme technique éducative au Japon
Japon abandonné en forêt, Yamato pardonne à son bon papa


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2015/10/19
2015年秋 パリ首都圏旅行シリーズ
その6 
目次

今回のパリ滞在では、2つの公園に行って、パリの生活環境も悪くないなと思ったのでした。
 
 
 

ところが、訪れた公園について書きながら情報を拾っていたら、パリ市には緑地が少なすぎるのが問題になっていて、最近のパリ市は熱心に緑地を増やしている、と出てきたのでした。


ヨーロッパの首都の中では、パリは極端に緑地が少ない

パリにある緑地は、住民1人当たりで5.8 ㎡しかないのだ、と言われていました。「公園」ではなくて「緑地」と呼ぶのは、日本なら「公園」と言われる空間なのに、フランスでは色々な名称で呼ばれるからでしょう。

5.8 ㎡を畳の大きさで計算すると、1人あたり3枚半ですか。でも、大の字になって寝っ転がれる広さか...。

1人あたり5㎡しかないのは余りにも貧弱で、せめて30~35㎡はなければいけないのだ、と言われていました。でも、1人あたり5.8㎡というのは、パリ市の東と西の外れにある大きなブローニュの森(846 ha)とヴァンセンヌの森(995 ha)を抜かした場合の計算なのでした。

この2つの森を入れると、1人当たりの緑地面積は14.5 ㎡ になります。

そうなると、家族4人で公園に行った場合に確保できるのは、17.5坪、35畳。住民全部が公園に繰り出すということはありえないので、ある程度は広い空間を享受できるではないですか?...


ともかく、パリ市内には緑も少なすぎるので、近年のパリ市は熱心に緑地を増やしているそうです。

パリ市内の緑地部分を示した地図を眺めてみました(クリックすると拡大) ↓

Green spaces in Paris
☆ Wikipédia: Liste des espaces verts de Paris

同じように東京都の地図に公園を示した地図を探したのですが、見つかりませんでした。パリは東京の山手線の中という感じの広さだと思うので、東京23区の地図で見たかったのだけれど...。

【追記】
山手線の中の面積は63~65,000㎢(6,300~6,500 ha)。パリ市の面積は105,40㎢ (10,540 ha)。2倍まではいかないのですが、けっこうパリは広いのですね。確かに東京駅から池袋駅などは意外に簡単に歩けてしまえましたが、パリでルーブル博物館からエッフェル塔まで歩こうとしたときには大変すぎるので途中で放棄しました。

この地図をみると、パリにはかなり緑地があるように見えました。でも、ヨーロッパの他の国の首都と比べると非常に少ないのだそうです。

住人1人あたりの緑地の面積は、アムステルダムは36 ㎡、ロンドンは45 ㎡、ブリュッセルは59 ㎡、マドリッドは68 ㎡、ウィーンは131 ㎡、ストックホルムは300 ㎡、ローマは321 ㎡もあるのだそう。フランスではヨーロッパ諸国との比較ばかりやるのですが、ニューヨークと比べると、パリ市の緑地は半分しかないのだそう。

確かにパリの緑地は少なすぎますね。パリは、町の中心部だけが行政区画として残っていて、郊外が入らない。従って、パリ市の面積は非常に狭くて、極度に人口が密集しているが、緑地が少ない原因なのでした。


フランスで最もグリーンな都市は?

フランス国内にある都市の中では、どの町が最もグリーンかを調べた調査がありました。公共の緑地などに携わっている業者の全国連合UNEP(Union nationale des entrepreneurs du paysage)が、2014年に行った調査です。

調査の対象は、フランスで人口が最も多い50の都市。

大都市の緑地平均値
  • 住民1人あたり、緑地面積: 31㎡
  • 住民1人あたり、緑地新設と維持費: 47ユーロ
  • 住民1人あたり、樹木の本数: 0.2本
  • 都市の緑地面積: 540ヘクタール 
  • 新たな緑地を作る年間予算: 500万ユーロ
緑地は、公園など、住民が入れる緑のスペースとしていました。


エコシティー・ランキング

この調査では、グリーンな都市のランキングをして発表していました。

緑地が広いかどうかによるランク付けではありませんでした。住民1人あたりの緑地面積が最も広いのは、人口が約12万人のブザンソン市なのだそうですが(200 ㎡ / 人)、トップ10には入っていません。

日本だったら人口12万人で大都市とは扱われないと思いますが、ブザンソン市は県庁所在地で、フランシュ・コンテ地域圏の行政中心地になっている大都市です。最近のフランスでは地域圏を合併する動きが出ていて、フランシュ・コンテ地方は我がブルゴーニュ地方と一緒になるそうなので注目しているのです。


この調査でのランキング付けでは、25の指標で専門家たちが採点したのだそう。緑地が広いだけではなくて、エコロジーや生物多様性の面で努力しているか、緑地の維持や新設に予算を使っているか、住民が公園などに行くように推進しているかなど。

つまり、エコ・シティーと呼ぶのにふさわしい都市かどうかのランキングです。

トップ10の都市は、以下の通りでした。



北半分に集中しています。中でも目立つのは、1位と2位になった都市が入っているペイ・ド・ラ・ロワール地域圏。

1位 アンジェ市(Angers):
住民1人あたりの緑地面積は51 ㎡ で、市の20&が緑地。
町の予算の5%を緑地管理のために使っていて、50大都市平均の4倍に相当する。市はエコロジーにとても熱心。

2位 ナント市(Nantes):
住民1人あたりの緑地面積は34 ㎡ で、市の16%が緑地。
住民1人につき年に98ユーロが緑地のために使われていて、これは大都市平均の2倍。

3位 リモージュ市(Lmoges):
住民1人あたりの緑地面積は52 ㎡ で、市の面積の10%が緑地。

4位は、リヨン市(Lyon)。緑化に対しては市の予算の2.6%が使われていて、1位になったアンジェ市に次いで2番目の力の入れよう。
隣接する市町村を都市圏とすると、200万人を超えるフランスでは例外的な大都市なのですが、風通しの良い町だと表現されていて(大都市特有の息苦しさがない)、サラリーマンが転勤先とするには理想的と言われます。ベスト5に入ったのは個人的に嬉しいです。

5位はメス市(Metz)。廃棄物を環境に優しくしている点で第3位に評価された。


別のアンケ―ト調査で出てきた情報も紹介していました。

1キロ圏内に緑地がある所に住んでいる人たちは、体調も良く、ノイローゼになる率も低い。

そうだろうとは思いますね。パリ市がエコロジーや緑化運動に力を入れたり、市営の市民農園も次々と作るようになって、住みやすいパリになったのかもしれない。パリだけには住みたくないとフランス人たちが言うのも納得できるほど、パリで出会う人たちは苛々していたのに、最近パリに行くと感じがわるい人に出会う確立は激減しました。
4人に3人は、自分が住む市町村にある緑地に頻繁に行っている。

確かに、そんな感じはしますね。都市の公園では、子どもを遊ばせている人も多いし、なんとなく日向ぼっこをしている人たちもたくさん見かけます。

リラックスするために行くというのではなくて、子どもを遊ばせる、スポーツをする、犬の散歩をする、友人たちとピクニックをするなどにも利用されている。

ピクニックをするために公園に行きますか。思い浮かべてみると、昼時には公園で食べている人たちがいますね。フランスの外食代は高いので、昼食代を浮かせようとしたら、サンドイッチを買って公園で食べるしかないだろうな... と思って眺めていました。

パリ市は「パリで何をするか?」というサイトを作っているのですが、その中にはピクニックをするのに便利な公園のリストも入っていました。ピクニック用のテーブルがあるところなどを推薦しているのかも知れません。
☆ Que faire à Paris: Détente ◆ Un pique-nique à Paris


東京とパリの公園事情を比較してみる

住民が入れる緑地を住民の数で割ると、フランス50大都市の平均緑地面積は31 ㎡。パリ市は14.5 ㎡ なので、大都市としては平均の半分しかないということになります。

それでも、パリを歩いていると、東京の都心よりずっと公園が多いように感じるのです。でも、調べてみたら、住民1人当たりの緑地の面積は、森を除いたパリ市と東京都は不思議なことに、ほとんど同じ数値なのでした。

信じられない気がします。私の気のせいなのかな?...

東京都とパリ市のデータを拾って並べてみました。バラバラにあったものを書き込んだので、計算をすると合わないだろうと思いますけど。

都市名東京都パリ市
面積2,191 ㎢= 219,100 ha
※ 東京23区: 622 ㎢
105 ㎢= 10,500 ha
※ 東京23区の5分の1弱
人口1,346万人
※ 東京23区: 895万人
224万人
※ 東京23区の4分の1
人口密度6,140 人/㎢
※ 東京23区: 14,389 人/ ㎢
21,258 人/㎢
※ 東京23区の1.5倍
緑地の総面積7,696 ha (1)3,000 ha強 (2)
住民一人当たりの公園面積5.78 ㎡5.8 ㎡ (3)
14.5 ㎡ (4)
全体に占める
公園面積の割合 (5)
3.5 %29 % (6)
  1. 公園の面積(東京都建設局発表)。
  2. 2つの大きな森(ブローニュの森、ヴァンセンヌの森)を含めた緑地面積(パリ市発表)。2つの森と490カ所のjardin(ガーデン)の面積。並木、環状線の土手、花壇などは含ずに3,000ヘクタール以上あるとしている。Wikipedia情報では、2,393 haで、その内訳は、bois(森林)2カ所、parc(公園)16カ所、jardin(ガーデン)137カ所、square(小公園)274カ所、その他(promenade、esplanade、mail、allée、aire de jeux、clos、rond-point)21カ所。
  3. ブローニュの森とヴァンセンヌの森を含めない場合(パリ市発表)。
  4. 2つの森を含めた場合(パリ市発表)。
  5. 全体の面積に対する公園面積の割合を筆者が計算。
  6. パリ市発表の緑地面積(3,000 ha余り)で計算。Wikipediaの緑地面積(2,393 ha)で計算すると22.8 %。2つのおおきな森だけでパリ市の面積の18%を占めている。

東京都の緑地はそんなに狭いわけではないというのが腑に落ちないので、最後に緑地の綿製を全体の面積で割ってみたら納得でいました。パリの場合は、全体の3割くらいが緑地になっているのに、東京都はたったの3.5 %。

つまり、パリには緑地が多いけれど、人口が多すぎるので一人当たりの緑地面積が少なくなってしまうということなのでしょうね。でも、私のような観光客は空間しか見ないわけなので、パリには緑地が多いと感じるのでしょう。

改めて数値を見ると、パリ市の人口密度は東京都の3倍以上もあるのでした。東京23区と比較したら、だいぶ近づきますけど。これも実感がわいてこない。東京の都心にあるターミナル駅のあたりなど、地面から湧いてくるように人がたくさんいて恐怖感さえ思えるのに...。


パリには公園が少ないといっても、緑の中に身を置きたいと思ったら、大して努力しないでも行くことができるので、東京の都心に住むのとは事情が違うと思います。日曜日に郊外に出て良い空気を吸おうというのも簡単にできるのです。

例えば、パリから地下鉄に乗って1時間足らずで到着するサン=ジェルマン=アン=レイ。地下鉄の駅に行くと、終点として名前が出ているので覚えてしまった地名。

この町に行ったときに書いたブログで使った写真を入れます。



ホテルの窓から撮影したもので、中央に見えるのはセーヌ河。こんなに森だらけの風景になっているのです。

東京から新幹線に乗って横浜に到着する時間が過ぎたら、パリなら地平線のかなたまで人家は見えない田舎の風景が広がってしまいます。


東京都内にある公園

東京都建設局のサイト情報によると、公園(都市公園 *、都市公園以外の公園 **)の面積は合計約7,696ヘクタールで、都民一人当たりの都市公園等の公園面積は5.78 ㎡(2014年)。
*  建設局で管理するのが都市公園(国営公園、都立公園、区市町村立公園)で、81カ所(約1,991 ha)。
** 区市町村が設置する児童遊園等、国が設置する国民公園等、東京都港湾局が設置する海上公園、公社・公団等が設置する住宅地内の公園、東京都環境局が設置する自然ふれあい公園

東京23区内だけでも、けっこう広い都市公園があるのでした。

http://1manken.hatenablog.com/entry/2015/01/24/131718
23区内の都立公園面積TOP10 地図で比べてみた


上にリンクしたサイトでは「都立公園」と書いてあるのですが、「都市公園」を指していました。これをパリにある公園の広さのランキングと比較してみました。飛びぬけて大きな森が2つあるのを除けば、パリは東京より公園の規模が小さいのですね。

東京都23区の都市公園パリ市の公園
 Bois de Vincennes
995万 m2
Bois de Boulogne
846万 m2
水元公園(葛飾区)
93.7万 m2
 
葛西臨海公園(江戸川区)
80.6万 m2
舎人公園(足立区)
62.9万 m2
光が丘公園(練馬区/板橋区)
60.8万 m2
代々木公園(渋谷区)
54.1万 m2
Parc de la Villette
55.0万 m2
上野恩賜公園(台東区)
53.9万 m2
Jardin des Tuileries
28.0万 m2
ほかに...
20万以上の公園: 10カ所
|40~49万: 2カ所
|30~39万: 2カ所
|20~29万: 6カ所
Parc des Buttes-Chaumont
24.7万 m2
Parc du Champ-de-Mars
24.3万 m2
Jardin des plantes
23.5万 m2
Jardin du Luxembourg
22.5万 m2



東京の公園をうまく活用できない...

大きな公園が東京にはあると知ったのですが、上位4つは都心からは離れていますね。例えば、自然に触れるために水元公園に行こうとした場合、車だと30キロくらいの距離。東京駅から電車に乗ると、1時間くらいかかるようです。

パリの2つの大きな森は、市の中心から4~5キロのところにあります。ルーブル美術館を見たあと、ちょっとヴァンセンヌの森に行ってみようと思って地下鉄に乗れば、20分くらいで着いてします。

むかし、始めてフランスに長期滞在して帰国したとき、東京の公園を利用しようと思い立ちました。まず行ったのは上野の公園。ところが、歩き出してから5分もしないとき、どこからともなく男性が現れて声をかけてきたのでした。一見して痴漢だと分かるので怖くなりました。

それであせって、「私、急いでおりますので」と言って、足早に公園を通り抜けました! のんびりしようと思って行ったのに...。

気がついてみると、日本の公園というのは、雨が多いせいか木がうっそうとしていて、土もサラサラとはしていなくて、どことなく陰気な雰囲気があるのでした。それ以来、公園に行くのは止めました。いま行ったら、誰も追いかけて来なくなっているでしょうけれど!

1人で行ったのがいけなかった。その後、友達とお茶をしようということになったとき、電車で行くと乗換なしで行けるところに大きな森林公園があるので行ってみようと、と誘いました。書きながらしらべたら、あそこは国営武蔵丘陵森林公園といって、埼玉県なのですね。

森林公園行きの電車に乗った私たち。なかなか到着しない。1時間くらいして目的地に着いたときには、帰りのことを考えたらのんびりはできないと分かって、そのまままた逆の電車に乗って戻ってきてしまいました。

あるとき、やはり自然の中で息抜きがしたいと思って明治神宮に行ってみました。ところが、くつろげる雰囲気ではないのでした! 余りにもショックだったので、ブログに書いています:
帰国した日本は騒音地獄 2004/02/15

高校生のときには新宿御苑に行って勉強するのが好きだったのを思い出しました。久しく行っていません。東京にいるときに遊びに行くのに便利な公園を見つけたいと思いました。

東京の大きな公園では、バーベキューができるところがありました。でも公園情報を見ると、遊園地風に見えるところもある。庭園になっているところは入場料をとられる。フランス風にふらりと公園に行って、のんびり時間を過ごしたかったら、ちゃんと探さないとダメなように思いました。電車に1時間以上も乗ってでかけて、がっかりしたら悔しいですから。


フランスのドキュメンタリー番組: 世界の首都の比較

フランスで教養番組のテレビ局Arteが、「Naturopolis」と題するシリーズで世界の大都市の緑化に対する努力に関するドキュメンタリーを作っていました。東京とパリもその中に入っていたのです。

東京編の予告ビデオ: ⇒ 英語版の動画はこちら


Naturopolis - Tokyo, de la mégapole à la ville-jardin

下の方が、少し長く入れています ↓


NATUROPOLIS : TOKYO - BA VF

全部は有料でしか見れないのが残念。

江戸時代の江戸はガーデン・シティーだったのだから、今のコンクリートジャングルに昔の東京の姿を取り戻そうと努力をしている人たちがいる、という纏め方のようです。

何かの本で、江戸で空間を占領していたのは武家屋敷の地域で、庶民はひどく密集して住んでいたのだ、と読んだのだけれどな...。

歌川広重の『名所江戸百景(1856年)』は、江戸と言いながら田舎のような風景ばかりが入っているので驚きます。でも、庶民の家がゴタゴタに並んでいるのも垣間見れるのです。

画像をクリックして拡大していただかないと人家が見えないでしょうけれど、1つの例 ↓

 日本橋江戸ばし

ともかく、日本編を見ていないので、ドキュメンタリーでは何を報道していたのか分かりません。


パリに関するドキュメンタリーは、パリに生物多様性を取り戻す努力、緑化を進めている様子などを見せていました。理想とする未来型のグリーン・シティが実現するか?... ということろ。

パリ市に関するドキュメンタリーは、次のサイトで全編を見ることができます:
Naturopolis  Et si Paris se mettait au vert...

ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの都市と農村 »  Parisについて考える

外部リンク:
【パリ市の緑地】
☆ Paris.fr: Nature et espaces verts
☆ Paris.fr: Espaces verts  Parcs, jardins et squares de Paris
☆ apur: Développer le végétal à Paris. Les nouvelles règles du Plan local d'urbanisme de Paris 2004年
25 hectares de nature en plus à Paris en 2013
Bois, parcs et jardins à Paris (現在と1900年の姿の写真)
Avec les jardins partagés, Paris part en campagne
フランスニュースダイジェスト: 夏のパリの公園へ行こう

【フランスのグリーンな町】
☆ UNEP: Le Palmarès des villes les plus vertes de France 2014年
Le palmarès des villes les plus vertes de France
Quelles sont les villes les plus vertes de France
☆ Wikipedia: フランスの都市の一覧

【Arte - Naturapolis】
☆ Télérama: Naturopolis (2013) - Documentaire
Et si Paris se mettait au vert, ça donnerait quoi Réponse ce soir sur Arte Ma planète
Naturopolis - Tokyo, de la mégapole à la ville-jardin en streaming
Tokyo, de la mégapole à la ville-jardin ARTE Future
☆ Arte: Naturopolis - la série

【日本情報】
☆ 東京都建設局: 東京都の公園 ⇒ 東京都の公園 (パンフレットダウンロード)
~公園に行きたくなるサイト~ 公園へ行こう!
一人あたりの公園面積
☆ 東京都政策企画局: 世界の中の東京


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2015/04/30
初めて会ったフランス人からよく言われることに、こういうのがあります。
― 日本では女性が虐げられているのですってね

フランス人には身近なイスラム教の国々と混同しているのではないの? と返事したくなる。もっとも、フランスで知っているイスラム系の夫婦の場合は、夫には妻を養うという責任感があるので日本に似ていると感じ、フランス人たちが思っているように男尊女卑とは言い切れないと思ったのですが。

ともかく、日本は時代遅れの社会であるかのように言われると腹立たしくなります。それで、日本はそうではないと立証したくなる。

私は、こんな例を持ち出してみたことがありました。


(1) 日本の夫は「粗大ごみ」とも呼ばれる

日本の家庭では、妻の地位は低いわけではない。小さなマンションに住んでいると、平日は不在の夫のスペースがない場合が多い。それで、たまにいると邪魔者になる。それで、「粗大ごみ」などとさえ言われてしまう。

フランス人の既婚女性に対して言ったのでした。お笑いするだろうと思って言ったのですが、なぜか、とても嫌な顔をされたのでした。

書きながら確認してみたら、これは定年退職した夫に対して使う言葉だったようです。私は、日曜日に家の中でいる場がない夫もそう呼ばれているかと思っていたのですが。

これは、あまりにも嫌な顔をされたので、1回限りで言わないことにしました。

考えてみると、日本人は家族を「身内」と思う気もちが強いので、「愚妻」などとさえ言ってしまうのですよね。「粗大ごみ」とか「愚妻」とか言う人を見ても、彼らが伴侶を虐げているとは思わない。それに対して、フランス人は家族でも一人の個人だと見るせいか、妻が美人で気立ても良いとか、子どもの学校の成績が優秀なのだとかいうことを平気で言います。


(2) 夫は働いて、妻と子どもを養う義務があるとされている

日本の既婚女性は就業率が低いから「女性が虐げられている」と思うのかもしれない。イスラム系の夫婦では、妻は夫の許可がないと外出できないとか、外出するときにはスカーフで顔を覆う、などというのが知られていますから。

それで、説明してみます。

夫は妻からお小遣いをもらって会社に行き、それに合わせた金額でランチを食べる。だから、「千円亭主」なんていう言葉もある。

そして、昼時に東京の良いレストランに入ると、既婚女性のグループが目立つ。趣味でスポーツなどを楽しんでいる奥様たちも多い。そういうのを見ると、「妻には働かないで家にいて欲しいと男性たちが思うなら、どうぞ働いてください」と私なら言いたくなる。

これは友達の既婚女性から羨ましがられました。結婚しても仕事を続けるのが普通のフランスなので、「私だって働かなくて良いなら、会社なんかに行きたくない」と彼女は言っていました。



そうは言うのですが、やはり日本では女性の地位が低いと言えるかな、という場面に出会うことはありますね...。

例えば、こういう場面はフランスでは絶対にありえないだろう、と思ったことがありました。

一人で鎌倉に観光に行ったときのこと。ガイドブックに紹介されていた素敵なレストランに入りました。向うの方に座っている若い男女が不自然なので、なぜか目が行ってしまいました。

いかにもお見合いのデートという感じ。男性の方が料理を選んで注文しているのでした。相手の女性には何も聞かないで決めているのが私には不愉快に感じてしまいました。

お勘定を払うのは男性の方なのでしょうけど、少しくらいは何が食べたいか聞いてあげたって良いではないですか?
でも、こういう場面で、女の子の方が「私はそれより、この料理の方が食べたい」などと言ったら、縁談は成り立たないのかも知れない...。

考えてみると、こういう風に女性に押し付ける男性って、日本には時々いますね...。フランスの場合は全く逆なのです。決定するのは女性、と決まっている感じがします。

フランスにはギャラントリー・フランセーズと呼ばれるレディーファーストの文化があるのです。女性解放の前に生きた年齢の人たちだと、今の若い人たちよりずっとレディーファーストの精神が徹底していて、女性にはメロメロに優しいです。

結局、レディーファーストというのも、女性は男性より弱いから助けなければいけないという発想であって、逆さまにすれば女性蔑視だと思っています。


家事をしなくても、専業主婦

日本とフランスという、文化がかなり違う国を比較しても意味がないかも知れない。でも、私には面白いので、ついつい比較してしまいます。

例えば、気になる日本語の一つに「専業主婦」があります。

フランス人は日本では女性の地位が低いと思っているけれど、日本の専業主婦は公認されているとでも言えるくらいの地位が与えられていると感じるのです。

「専業主婦」をどうフランス語に訳すかについては後で書きますが、「仕事を持たない妻」を指すわけなので、単語は存在します。

でも、日本では「専業主婦」に対立して使われる「兼業主婦」というニュアンスの言葉は、すんなり置き換えられるフランス語は存在しないのではないかと思います。

思えば、奇妙な言葉ではないですか? 「兼業」というと「副業」みたいで、家事を疎かにしている妻のような印象を与えるではないですか? とすると、日本ではやはり、妻は専業主婦であるべきだという文化がまだ残っているように感じます。

でも、妻である立場というのは、職業とは違います。家事や子育てを全くしなくても妻でいられますが、その人が職業を持っていない限りは、あたかも主婦業をやっているように「専業主婦」と呼ぶではないですか?

経済的に余裕があれば、家事をしてくれる使用人たちを雇うことができます。あるいは、親と同居していたり、夫が家事をする環境にあれば、いわゆる主婦の仕事にはタッチしないでもいられるはず。

逆に、外で働いていて、主婦業は「兼業」としてやっている妻であっても、きれい好きなどの理由で、平均的な専業主婦よりも家事に時間をかけている人たちがいる可能性もあります。

昔の家事は大変だったし、子どもの数も多かったので、専業主婦という言い方はすんなり受け取れます。でも、今日の日本で、掃除にも時間がかからない狭いマンションに住み、子どもがいない若い妻が、主婦業を専業でやっている、と傍から評価するのは不自然だと思うのですけど...。


フランス語でも「専業主婦」という言い方は存在する

「専業主婦」という言葉は、フランス語にはないような印象を持っていたのですが、存在はするのでした。少なくとも、女性の社会進出が進むまでの時代に、フランスでも専業主婦が普通だったわけですから。 

でも、「主婦」という、日本では普通に使う言葉に対応する単語は、フランスには存在していないように感じます。それで、辞書をひいて用語を拾い出してみました。

femme、épouse
主婦mènagère、mère de famille、maîtresse de maison
専業主婦femme au foyer、mère au foyer

そもそも、フランス語は変なのですよね。妻というときに普通に使われるのは「femme」ですが、これは男性に対して女性を示す単語です。「私の」などと付けると「妻」になる...。直訳したら「私の女」になるので、Googleの自動翻訳でそう出てきたら面白いと思って実験してみたら、ちゃんと「私の妻」と出てきました!

ここに出てきている「mère」は母親のことです。なので、子どもがいない妻の場合には使えません。

しかも、フランスでは法的な結婚はしていないけれど事実上は結婚していると同じに扱われるカップルが多く、彼らの場合は「内縁の妻」という感じには全くなりません。法的な結婚をしていない女性は、本人も伴侶も「femme」や「épouse」とは異なる単語を使います。でも、複雑になりすぎるのは避けたいので、それは無視することにします。

並べた単語はイコールでは結べません。他の意味になってしまう単語もあります。「maîtresse de maison」は家を取り仕切っている女性を指すので「主婦」と言えますが、施設の館長を務める女性にも使う。

しっくりいかないのは、「主婦」に相当するとして辞書にあったmènagère。古い言葉では、女中、家政婦という意味があるので、日常会話で「彼女はmènagèreだ」というような言い方はしないと思います。「femme de ménage」だと、よその家で働く家政婦になってしまいますし。

考えてみれば、日本語の「主婦」は「mènagère」のイメージかもしれないですね。日本は相変わらず専業主婦が多いのだろうと思っていたのですが、最近は日本でも共働き世帯が増加していて、専業主婦と兼業主婦の割合はほとんど同じに近づいているようでした。

「mère de famille」は耳にすることがある言葉ですが、直訳すれば「家族の母」なので、子どもがいない女性には使わないのではないでしょうか? 子どもが1人しかいない主婦に対して使ったら不自然なのではないかという気もします。

Wiikipediaにある「主婦」からリンクされているフランス語ページは「Femme au foyer」でした。この単語は、仏和大辞典では「専業主婦」に充てています。

「foyer」というのは、暖炉、かまど。そこから転じて、集会所、中心などの意味もあります。そこにいる「妻(femme)」というのを付けて表現しているのは、なかなか良い表現だと思いました。日本も旧家にいるお婆さんというのは、そういう絶対的な権威を持った存在だと思うので共通点を感じました。

ともかく、フランスでは日本語の「主婦」に相当する単語がないので、「主婦」であることのニュアンスを出すなら、「femme au foyer」を使うのが適当かな、という気がしました。でも、そうしてしまうと、仕事を持たずに家にいる妻ということになってしまうようです。

仕事を持たない妻のことを現代で話題にするには、フランス語訳では「femme au foyer」するのが一般的なのだろうと思えてきました。

子どもが10人くらいいるのが普通だった時代についての文章では、妻は仕事をもたないのが普通でしたから、「主婦」と置き換えても問題はなかったはずですけれど。

フランスでも、女性が社会進出を始める以前には、専業主婦の立場は高く見られていたような印象を受けました。何しろフランスは、第一次大戦のときには大量の戦死者が出て人口危機に陥った国。たくさんの子どもを作ることが奨励されました。

第二次世界大戦からしばらくの間も、「femme au foyer(専業主婦)は、le plus beau métier du monde(世界で最も素晴らしい職業)」という表現が存在していたようです。

戦後のベビーブームは日本より長く続いたフランス。妻は専業主婦でいた方が経済的でもあるのだ、と啓蒙しているらしいポスターも見つかりました。1950年代のものだと思います。





正しい訳語をを私などが探していても意味はないので、次のように受け取ることにしました:
専業主婦 = femme au foyer

フランスの国立統計経済研究所(INSEE)が無職の妻に関する調査をしていて(2013年)、そこでは「femme au foyer」を使っていたからです。

それをフランス人に話したら、「femme au foyer」などという言葉は、中年世代が子どもだった頃までの時代に使っていた言葉であって、今はもう使わないのだ、と言われてしまったのではありますが。


現代のフランスでは妻も働いているのが一般的なので、専業主婦というのは少し特殊な立場になっています。興味深かったので、次回にそれを紹介してみようと思ったのですが、道草をしました。

続き:
フランスの専業主婦のイメージを画像で眺めてみる

シリーズ記事: フランスの専業主婦の実態 2015年  目次


ブログ内リンク:
★ 目次: フランスに結婚に関する風習、夫婦・家族関係、生き方
好きでないオペラ: 蝶々夫人 2011/01/02

【ギャラントリーについて】
カフェで「ボクの愛しい人」と呼ばれてしまったのには理由がある 2006/08/14

外部リンク(日本に関して):
1000万世帯を超えなお増加中…共働き世帯の増え方をグラフ化してみる(2014年)(最新)
男女共同参画白書(概要版) 平成23年版
増える妻パート世帯と減少する専業主婦世帯 - 平成15年版 国民生活白書
就業ニーズ別にみた女性雇用促進の課題 ~15‐44 歳の有配偶女性の就業希望は268万人規模~ (2009年)
2013年 第5回全国家庭動向調査 - 国立社会保障・人口問題研究所
NAVER まとめ: 専業主婦 ~ 妻に働いてほしくない夫の本
AERA: 専業主婦は「良妻」か「毒妻」か
専業主婦に関する5つの誤解
結婚相手に求める「貯金額」、独身女性の6割が「300万円以上」と回答
☆ 武田邦彦: 日本のルーツ04 日本ができたときのトップ
内閣官房キャラ弁騒動でも露呈「手が込んだお弁当=母親の愛情」という信仰にあの料理家が…
パート問題で論争再燃!『サザエさん』は保守かフェミか? マスオさんとは正常位だけか?
Le Monde: Quand les Japonaises prennent la tête de l’opposition à Abe 2015/07/07
「仕事と結婚」、理想と現実のギャップにとらわれた女性たち


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2015/03/24
少し前から、理解に苦しむ日本の流行があります。やたらに大きなぬいぐるみです。子どもを喜ばせるためにしているのなら自然ですが、大人ももてはやしているようなのが不思議...。

もう慣れてきたけれど、始めの頃は日本が狂ってしまったのかと心配しました。

私は自分が常識外れだと自覚しているので、覚えた単語はメモ。


ゆるキャラ

地方自治体がマスコットを作っていて、それを「ゆるキャラ」と呼ぶ。「ゆるいマスコットキャラクター」を略したものでなのだそう。「ゆるい」というのは、ほのぼのとしているという意味のようでした。

https://www.nikkei4946.com/zenzukai/detail.aspx?zenzukai=124
「ゆるキャラ」ブームの現状を知る:nikkei4946(全図解ニュース解説)

子ども受けするためにマスコットを作ったのかと思ったのですが、大人たちにも好かれている様子。

昔からサッカーチームなどにはマスコットがあることは知っていましたけど...。

私が初めて出会ったのは「くまモン」でした。東京のイベントに来ていて、何なのかと一緒に行った友達に聞いたら、「あなた、知らないの?!」と言われてしまいました。そのイベントのことを覚えているので、あれは2012年のことでしたね。


こういうところにも、ぬいぐるみを飾ってあるのって...

ご当地キャラ」という言葉もありました。経済効果が大きいのですって。私は何も貢献してあげたことはないのですが...。

でも、政治家としては、そういうのが流行っていて、地域振興のためには大歓迎なのでしょう。でも、自治体のお役人さんの部屋に縫いぐるみが置いてあるのって、初めて見たときにはびっくりしました。

たとえば、こんな感じ。市長室だそうです。

AMATIASアマチアス“行って見役所”上尾市役所編

こういう場面って、日本以外の国でも見かけることがあるのでしょうか?

フランスではありえないのではないかな?...

ブルゴーニュ地方で県知事さんの部屋を見学したときのことをブログに書いていたので、そこに入れた写真を眺めて、ぬいぐるみを置いたらどうなるかを想像してみました。


ヨンヌ県知事のオフィスを見学  2010/09/24

オレンジ色がアクセントになっている部屋なので、こんなのが良いのではないかと思って選びました。しかも、去年の「ゆるキャラグランプリ」でグランプリを獲得した「ぐんまちゃん」だそうなので。

オレンジ色の他に、県知事さんのデスクのところに置いてある三色旗の色も入ったマスコットなので、ぴったり?

でも、この県知事さんのオフィスは宗教建築物だった建物で、ロマネスク様式の回廊画窓にあります。その前に置いたら違和感があるかな? では、反対側に移動していただきます。



フランスの友達がこの写真を見たら、何を遊んでいるの?! と言われてしまいそう。書いてあることは読めないから、私のブログの写真だけ眺める友達がいるのです。

フランス語のページで検索しみたら「Yuru Kyara」という単語でたくさん出てきました。フランス人に聞かれたら、そういう記事のリンクを教えて読むように言えば良いわけで、私が何であるかを調べて説明する必要はないですね。


思えば、フランスにもマスコットのようなものがある町がありました。例えば、ブルゴーニュ地方の行政中心地のディジョン市。この街では旧市街にあるフクロウの彫刻がシンボルに使われていて、お土産屋でもフクロウの小物を売っています。

そのことについては記事にしていました:
ディジョン名物はフクロウだと思っていたら、ミミズクだった? 2014/08/18

ディジョンの市長室にフクロウが飾ってあるということはありえるだろうか?... 「ディジョン」と「市長」のフランス語をキーワードにして検索してみたら、出てきたのでした!

http://www.bienpublic.com/grand-dijon/2013/09/11/tous-derriere-le-dijon-fco
Dijon | Tous derrière le Dijon FCO ! - Le Bien Public

Logo du Dijon FCOフクロウのぬいぐるみのような人形と、前市長の姿が写っています。

あれ、あれ...、フランスでも?! 

... と思ったのですが、違った。ディジョンのサッカーチーム「Dijon FCO」のマスコットがフクロウで、その人形なのでした。
 
でも、私には分からないのです...。なぜ、ゆるキャラとか、ご当地キャラというのは経済効果が大きいのか?...

ディジョン市にもマスコットとも言えるフクロウがいますが、それで地域経済が発展したなんて聞いたことがありません。儲かるとか言う人がいるとしたら、フクロウ・グッズを作っている会社かもしれないけど、騒ぐほどには利益をあげてはいないと思うのです...。

上に入れたサッカーチームのメンバーと一緒に写っているフランソワ・レブサメン前ディジョン市長は、労働・雇用・職業教育・労使対話大臣として内閣に入ってから市長の座を降りたのですが、古都ディジョンを見違えるように活気づけました。フクロウとは全く関係ありません。日本だと、住みやすい街にする政治より、地域にお金が入るようにする政治家の方が評価されるのかな?...


「マスコット」の語源はプロヴァンス語だった

マスコットのことを調べていたら、この言葉はフランス語から来ているのだと聞いて驚きました。英語ではmascotで、フランス語でmascotte(女性名詞)と綴る。

フランス語のWikipediaの記述が正しいとすれば、プロヴァンスの言葉で、魔女(sortilège)を意味する「mascoto」が語源なのだそう。

プロヴァンス語の綴りは「mascotto」となっているのもありました。masco(魔法使い)の女性形だそうです。遡ると、イタリア語(方言)のmasca、さらにさかのぼると中世ラテン語のmasca。それより前の語源は分からない。

マスコットは、ただ可愛いというのではなくて、ご利益があるとか、幸運をもたらすお守りとかいうニュアンスがあるわけですね。

プロヴァンスの作家フレデリック・ミストラル(Frédéric Mistral)がこの言葉を紹介したと聞くと、なるほどと思いますね。ただし、マスコットという言葉が広まったのは、Edmond Audran(1842~1901年)のオペレレッタ『La Mascotte (1880年)』だった、という記述もありました

この作曲家も、そのオペレッタも知らないので、探してみました。


Duetto des dindons - Lys Operette (La Mascotte - Edmond Audran)

聞いてみても、あぁ、あれか、とは思い当りませんでした。でも、ここに入れたデュエットは、フランス人には知られているメロディーなのだとか...。

コメントをいただいて、また「ゆるキャラ」について考えてしまいました。
続きへ: 「ゆるキャラ」の人気はどこから来るの?

外部リンク:
「ゆるキャラ」ブームの現状を知る(全図解ニュース解説)
☆ Wikipedia: ゆるキャラ
☆ Wikipedia: 官公庁のマスコットキャラクター一覧
Au pays enchanté de l’ordre public nippon
☆ nippon.com: Le sommet des mascottes « yuru kyara »
Culture Nipponne # 21 Planète mascottes
☆ CNRTL: Etymologie de MASCOTTE
☆ Wikipédia: Edmond Audran  » La Mascotte
ゆるキャラは、地方創生に役立っているのか - 「地域活性化」という曖昧な言葉に騙されるな

内部リンク:
フランスがBentoブームって本当?  2011/11/19
★ 目次: クラシック音楽
★ 目次: ブルゴーニュの古都ディジョンの観光スポットや特産品など
★ 目次: 縁起物や迷信について書いた記事 (フランスを中心に)


シリーズ記事: 最近の日本 ~ 「日本礼賛」から「ゆるキャラ」のブーム


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カテゴリー: 日仏の比較 | Comment (2) | Top
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2014/09/27
前回の日記「「限界集落」という言葉が気に入らない」 で、日本独特の表現「限界集落」の一般的な定義は次のようになっていると書きました。

65 歳以上の高齢者が集落人口の半数を超え、冠婚葬祭をはじめ田役、道役などの社会的共同生活の維持が困難な状態に置かれている集落


高齢者が多い集落は消滅する?

日本では、過疎地域などに6万2271の集落が存在し、10年以内に消滅する可能性のある集落が422(0.7%)、10年以降に消滅する可能性のある集落が2219(3.6%)と予測されているのだそう(総務省調査、2006年)。

フランスでは、仕事のために都会に住んで、働かなくても老齢年金で生活でるようになったら田舎に住むというパターンが多いので、当然ながら農村の人口は高齢化しているように感じています。

でも、高齢者が多い村のフランスのお年寄りに、「あなたの村は近いうちに消滅する危険にさらされている」などという失礼なことを言うなんて想像もできません。もしも言ったら、すごい剣幕で怒られて、二度とそこには行けなくなるのではないでしょうか?

日本ではそれを言ってしまうのだから、すごいと思う!

そもそも、高齢者が多い集落 = 集落の消滅 となるのでしょうか? 私が住んでいる村でも、高齢者が次々に亡くなりますが、その人の家は売りにでて、新しい人たちが住み始めます。

子どもがいるような若い家族が引っ越してくるのも目立ちます。働き盛りの人たちが農村に入ってくると、仕事を見つけられるのかなと心配になります。

フランスは工業国ではないので、農村に工場などがある地域はかなり限られます。どの村にも役場はあるけれど、日本の役場のような機能は果たしていないので、人口が300人くらいの規模の村でも、役場に雇われるのは週に3回くらい出勤してパートで働くセクレタリー1人、オフィスの掃除婦、道路の草刈りなどを担当する人が周辺の村と一緒に雇用される程度です。

どうやって生活の糧をえるのかと思ってしまいますが、田舎では生活費がかからないので、共働きが普通のフランスとはいえ、奥さんの方は仕事がなくても生活していけるようですけれど。


フランスの高齢村ランキング

フランスには、人口50人未満の村が1,000近くあります。「限界集落」と呼べるような農村が多いだろうと思って調べたくなりました。フランスで最も高齢者人口が多い市町村のランキングをグラフで分かりやすく見せているサイトを発見♪

☆ L'Internaute: Les villes les plus vieilles de France

2010年の人口データを拾うことができました。

日本の「限界集落」は65歳以上で区切っているのですが、フランスの高齢村ランキングでは75歳以上にボーダーラインを置いています。

また、日本では「集落」を単位にして取り扱っているのですが、フランスのランキングでは「(village)」単位のデータです。農村の中の中心部から外れて存在する集落(hameau)についてのデータは見つかりませんでした。

フランスは市町村でさえ3万6,000以上あるので、集落単位では調べきれないのではないかと思います。 そもそも、行政や福祉は市町村単位で行っているのですから、村に点在している集落を隔離して取り上げる必要もないはずですし。

Mela村 (人口 31人、60歳以上人口 67%


フランスの市町村・高齢者人口ランキング
第1位 Charmes-en-l'Angle村 (Haute-Marne県) 75歳以上人口: 57.14%
http://www.linternaute.com/ville/charmes-en-l-angle/ville-52109/demographie
シャンパーニュ・アルデンヌ地方にある村。県庁所在地から50Kmなので僻地には見えません。

それにしても、45歳未満は1人も住んでいないとは、凄まじいですね~! でも、7人しか住んでいない村で、人口密度は1Km²あたり1人。世帯数は4。75歳以上が4人、45~59歳が3人。  

村には18世紀に建てられた立派な城があります。この村の面積は約7Km²しかないので、城の敷地が村になっているのかも知れない。この村の住民とは、この城に住んでいる一族と庭師だけなのではないかという気もします。

こんな美しい城が放置されるはずはないので、将来、この村に誰も住まなくなるということはありえないと思えます。


第2位 Bois-Sainte-Marie村 (Saône-et-Loire県)  75歳以上人口: 57.07%
http://www.linternaute.com/ville/bois-sainte-marie/ville-71041/demographie
第2位が我がブルゴーニュ地方ににある村だとはショック! でも、なんだか不自然なのです。

総人口199人のうち、75歳以上が113人もいる。60歳以上は村の人口の7割を占めています。ある程度の住民がいる村なのに、それは奇妙...。調べてみたら、120人収容する高齢者用福祉住宅があるので、そこで生活している人たちがいるために高齢人口が多くなっているのではないかと思いました。

村には美しいロマネスク教会があって、そこが音楽フェスティバルのコンサート会場になっているそうなので、限界集落などと暗いレッテルを張るにはふさわしくないと思います。


第3位 Cunel村 (Meuse県) 75歳以上人口: 50%
http://www.linternaute.com/ville/cunel/ville-55140/demographie
人口構成のグラフを見ると、普通に高齢化している村に見えます。でも、住人は14人しかいないので、第1位の村と同様に特殊な例ではないかな?...

第4位は、コルシカ島にある人口7人の村。
第5位は、アルプス地方にある人口2人の村。
 
20位くらいまでを眺めると、コルシカ島と山岳地帯にある村々が目立ちました。

コルシカは、ナポレオンが生まれる少し前まではイタリアだった島。本土とはメンタリティーが違うらしく、住む人がいなくなっても、家を売りに出さないのがコルシカ島の問題なのだと聞いたことがあります。

気候は良いし、観光地ですから別荘やレストランにするために買いたい人はいるけれど、彼らは売らない。手放さなかった時期が長いので、相続人はおびただしい数になっており、誰かが家を売ろうと言い出しても親族で意見が一致するのはほとんど不可能なので、どうしようもなくなっているとのこと。

コルシカ島に滞在して印象的だったことの1つは、海を臨む絶景の一等地に大きな墓ができていることでした。祖先を格別に大切にする風習があるのでしょうね。先祖の家を売却することに抵抗を感じるのは日本に似ているかな?...


典型的な年齢構成の村は?

高齢者率が非常に高い村は特殊すぎるのではないかと思って、ランキングのもう少し下にある市町村を探してみました。こんな山岳地帯だと普通に高齢化した村があるだろうなと思ってピックアップ。

第18位 Rocher村 (Ardèche県) 75歳以上人口: 37.99%
http://www.linternaute.com/ville/rocher/ville-07193/demographie
観光スポットのアルプスから外れた山岳地帯のアルデッ シュにある村です。

先日の日記「ジャン・フェラのシャンソン「ふるさとの山」に見る日仏文化の違い」に書いたシャンソンの舞台になった地方です。歌詞には、山の生活は厳しいけれど、百歳を超える老人なんてウジャウジャいるとあったのです が、空気が良いから長生きするのかもしれません。280人の住民のうち、75歳を超える人は106人を占めていました。

何もない山の中にある村のようで、観光情報は何も出てこない。最寄の大きな町までは60キロですが、山の中だから、車で行くと1 時間 かかるという立地だそうです。

65歳以上の人口でボーダーラインを引く「限界集落」の定義に入ってしまう村ですが、15歳未満人口は11%で、絶滅の危機にある村には見えません。

この村では、人口が、じわじわと増え続けています。
Wikipedia


第90位くらいまでが、75歳以上が30%の市町村となっていました。でも、高齢者人口が多くても、15歳以下の人口が非常に多い村もあって、村の中には年寄りばかりが住んでいるという感じがない村もたくさんあります。

山岳部では、ツーリズムが発達しているところも多くて、そんなに過疎化しているようにも見えないところもあります。村に住んでいるのはお年寄りが多いとしても、そこにあるホテルやレストランのオーナーは、村の外にある便利なところに住んでいるケースも多いはずです。子どもを育てるなら、学校がある市町村の方が便利ですから。


もう少しランキングを下位にして、高齢者の比率が30%の村を見てみました。

第82位 Mela村 (Corse-du-Sud県) 75歳以上人口: 30%
http://www.linternaute.com/ville/mela/ville-2A158/demographie
村の人口は31人。コルシカ島らしい美しい村の写真がでてきましたが、ここは完全に高齢化していますね。子どもも少ない。

戦後の人口減少によって、村の中にあった小学校が閉鎖されてしまったのだそう。でも、イベントをやっているし、文学賞を与えるコンクールもしているので頑張っているようです。


第83位 Souanyas村 (Pyrénées-Orientales県) 75歳以上人口: 30%
http://www.linternaute.com/ville/souanyas/ville-66197/demographie
スペインと国境を接するピレネー山脈がある地方の、人口42人の村。

15~29歳は1人もいないのに、14歳未満は7人いて比率が高いという奇妙な構造...。日本なら限界集落になってしまう構造ですが、若い世代も多いのだから安泰なのではないかと思ってしまいます。

この村でも近年は人口が増加しています。
http://fr.wikipedia.org/wiki/Souanyas

21世紀になってからのフランスは、むしろ都市から農村への人口流失が加速化しているのが都市問題になっているのですが、その典型でしょうね。


典型的な農村を探してみる

ブルゴーニュ地方にあるコート・ドール県は、県内人口の半分が県庁所在地ディジョンの都市圏に集中していて、北の方に行くと過疎地です。

1970年代末に、文化人類学者がこの村を調査して、『ブルゴーニュの農民: ミノー村の人々』という有名な本の舞台にしたブルゴーニュの村があったのを思い出しました。日本の学者もかなり読んでいるようです。因習や村民たちの間に憎み合いがあって、どうしようも なく遅れている僻地という村の例だったらしい...。


Minot村 (Côte-d'Or県) 75歳以上人口: 9.5%
http://www.linternaute.com/ville/minot/ville-21415/demographie
この村が限界集落と呼ばれるようなタイプかと想像したのですが、全く当てはまらないですね。
現在の人口は207人(世帯数98)。人口密度6人/km²。 75歳以上は21人、60~74歳が48人。

それではと、同じコート・ドール県にある僻地を探してみる。人口が最も少ない村は規模が小さすぎて特殊すぎるように思えたので、人口が少ない村ランキング第2位の人口構成を拾います。

主要道路からかなり 入ったところにあるので、通りかかったこともない村だと思います。もちろん、観光客なんか間違っても行かないような僻地。ですので、高齢者ばかりだろうと思ったのだけれど、全く逆なのでありました!

Chaugey村 (Côte-d'Or県) 75歳以上人口: 1%
http://www.linternaute.com/ville/chaugey/ville-21157/demographie
村の人口 23人、世帯数8。人口密度3人/km²。

村には60歳以上が2人いるだけで、 子どもが3人いる世帯が4軒あるので、やたらに若い世代が多い村になっていました。

若い世代がやたらに多くて奇妙すぎる! この村を知っている人に聞いてみたら、村に住んでいるのは1族だけなので、 子どもたちが多くても全く不思議はないとのこと。

なるほど、住人の数が少ないから高齢者ばかり住んでいるとは言えないわけなのですね。

どういう人が住んでいるのか分からないと特殊事情があって把握できないだろうと思って、あちこちの知っている村の情報を見たのですが、過疎地でも、こんな風にケーキを等分に切ったみたいな人口の構成が普通の形になっているように見えました。

フランス人は子育てには田舎に住むのが一番と考える人が多いのだそうですので、小さな村でも若者をひきつけるのだろうと思いました。


地方都市では、どうなっている?

大都市では若者が多いはず。ブルゴーニュ最大都市のディジョン市は、大学もあるせいもあって、若者が多くなっています。それで、普通の都市として、ソーヌ・絵・ロワール県の県庁所在地の町の人口構成を見てみました。

Mâcon市 (Saône-et-Loire県 県庁所在地) 75歳以上人口: 10%
http://www.linternaute.com/ville/macon/ville-71270/demographie
総人口33,730人。 働き盛りの年齢層が多いのは、大きな町には仕事があるので、若い世代は集まるからでしょうね。

でも、上に入れたMinot村と余り分配の形が変わりませんね。行ったことがある僻地の村々でも、こんな風に丸いケーキを等分に切ったような形が目立ちました。私が住んでいる小さな村でも、高齢者が多いと思っていたのに同じような構成だったのでした。

フランスの小さな村でも高齢者は多いと思っていたのですが、高齢者が大半を占めているというわけでもないみたいですね。 結局、老齢年金生活者は働かないで村にいるから目立つのだろうと思いました。ダンスパーティーがつきものの村の食事会も、高齢者たちがたくさん来ています。若者たちは、もっとモダンなディスコなどに行くのでしょうから。

いずれにしても、人口が極端に少ない村だと、誰が住んでいるかによってしまっている。高齢者が多くても、子どもたちが多い村もあるので、全体像を捉えることができません。

誰かフランスの研究者が分析していないかと探してみたのですが、見つかりませんでした。そもそも、限界集落は消滅するなんて概念がフランスにはないのだから、当然かもしれません。

個々の村のデータを眺めていても意味がないと思い、追求はやめることにしました。

シリーズ記事: 限界集落

   目次:
    1. 
「限界集落」という言葉が気に入らない
    2. フランスの小さな村は高齢化しているわけでもない?



限界集落の定義に、65歳になったら「社会的共同生活の維持が困難」と言い切ってしまうことに抵抗を感じたので、75歳になるまで昔ながらの重労働の農業を続けていたフランスの男性を紹介したドキュメンタリーを紹介しました:
北フランスで昔ながらの農業を続けていたポールさん 2014/09/30

フランスは社会福祉国家なので、腰が曲がってしまったら老齢年金生活に入ろうと決心するのが普通だと思うのですが、日本だったら、もっと先まで頑張るだろうと思います。

ブログ内リンク:
フランスの市町村クイズ(3): 超過疎村 2008/11/23
   « シリーズ記事目次: フランスの市町村について  2008/11/19
総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ » 都市と農村

外部リンク:
☆ コトバンク: 限界集落 とは
Les 100 premières villes de France avec le plus de retraités (%)
Les différents classements sur les villes, villages et communes de France
☆ Insee:
La population légale des communes (2006年)
Ces villages de moins de dix habitants
Top 10 des communes les moins peuplées de France


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カテゴリー: 日仏の比較 | Comment (0) | Top
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2014/08/10
前回の日記「フランスの戦後の農業史を見せるドキュメンタリー番組」に入れた動画を見ながら、気になったシャンソンがありました。

戦後の近代化が進んだフランスで、農村から都市への人口が流れ出した場面のバックに流れていた曲です。

農業が近代化・大規模化したために農村の経済が急変して、農村では生き残れなくなった若者たちがパリに出て行った姿を映した暗い場面に、ぴったりと合ったノスタルジックなメロディー...。

シャンソンには詳しくない私でも知っている曲。
題名を思い出せないので歌詞の一部で検索すると、出てきました。


La montagne / ふるさとの山

私が好きなシャンソン歌手ジャン・フェラJean Ferrat: 1930~2010年)の代表的なヒット曲の1つで、「La Montagne(ラ・モンターニュ)」 と題された曲でした。

この曲がリリースされたのは1964年。その翌年に彼がミュージックホールで歌ったときの記録映像も出てきました。



ずっと後の録画のようですが、YouTubeで再生回数が100万を軽く超していたのは、こちら:
La montagne - Jean Ferrat


日本でも歌われているシャンソンなのかと調べてみたら、古賀力訳詞「ふるさとの山」という題名で、色々な歌手が歌っている動画が出てきました。


ふるさとの山/LA MONTAGNE 奥田晶子

日本でもヒットした曲のようです。ジャン・フェラの曲としては、この曲が最も有名であるという記述もありました。

でも、フランス語と日本語では歌詞の内容が違いすぎる!...
どうしてなのかを考えてみたくなりました。


詩を訳すのは非常に難しいのだけれど...

フランス人が言ったことを私が日本人に訳すと、やたらに長くなります。「ひとこと言っただけなのに、なんでそんなに長々と訳しているの?」と言われたことが何度もありました。

でも、言い訳をします。文化が異なる国同士だと、対応する単語がない場合もある。単純に置き換えられる日本語があっても、日本には存在しないもののことだったら、それが何であるかを説明する必要がある。裏の意味で言っている場合には、そのことも加えないと意味が伝わらない...。

話しながら訳すのだったら、原文の10倍もしゃべっていると文句を言われる程度で済みますが、詩を訳すとなったらそうはいきません。まして、それが歌われるのだとしたら、メロディーの雰囲気にも合わせた言葉を選ばなければならない。

歌詞の翻訳は大変な作業だろうと思います。

明治時代にはフランス文学を翻訳した優れた文学者たちが日本にいました。日本語として美しい言葉。単なる翻訳者ではなくて、作品を作りなおしてしまうほどの能力がある文学者と呼ぶべきでしょう。


このシャンソンの題名は、フランス語では「La Montagne(ラ・モンターニュ)」です。これをそのまま 「山(やま)」としたら、短すぎてしまりがない。歌の内容を汲んで「ふるさとの山」としたのはお見事だと思いました。

この曲の中には、山岳地帯で生きた老人のしぐさ、農村の生活、食べ物、都会がどんなところなのかなど、フランス人でないと分からないような単語や表現がゴロゴロ入っています。ですので、訳された古賀力さんは、日本人にも伝わるイメージの世界に描き直す必要があると考えられたのだろうと思います。

でも、ここまで変えてしまう理由があったのだろうか、と思ってしまう箇所があるので、どうにも気になりました...。


歌詞の違いを比較

どこがどう違うと私に見えたのか、結論から始めます。私にはフランス語の詩を読み取ることは難しすぎるとお断りしておかなければなりませんが、私なりに受け取ったフランス語の詩と、日本語の歌詞(古賀力訳詩)との違いを表にしてみます。

イメージ日本語訳フランス語
故郷を
捨てる理由
都会への憧れ生活費を稼ぐ手段
都会生活への妄想
山の生活の
魅力と欠点
美しい山、森
土のにおい
のどかな陽だまり
うまい水、せせらぎ
花が咲き乱れている
小鳥、こだま
豊かな自然
ぶどう栽培
素朴な人、老人
放置されたブドウ畑
美しい山、森
老人たち(エレガントではないが、美味しい食べ物を味わっている。辛い仕事も耐えて、気高く生きる。不味いワインを飲んでいても長寿)

僅かばかりの家畜を飼育し、良い年もあれば、悪い年もある農業を営む
バカンスがない
娯楽がない
放棄されたブドウ畑
都会生活の
魅力と欠点

モダンなカフェテリア
ジャズに酔いしれる

モダンなアパートに住む
気楽なサラリーマン生活

美味しい食べ物
安物だがモダンな家具
映画館

低所得者用の福祉的集合住宅に住む
警官か役人になり、年金生活を始められるのを楽しみに待つ生活
不味い食べ物

原詩では山の生活と都会生活には長所と欠点が描きだされているのですが、日本語の歌詞では山の生活も、都会の生活も良いことづくめになっていました。

原詩では、都会に憧れて故郷を捨てるのだけれど、都会で待っているのはしがないサラリーマン生活。山の生活には魅力があるという風になっています。ところが、訳詞の方では、都会生活は魅力的だけれど、山の生活にも良いところがあるのだ、と訴えている...。

この曲を作詞・作曲したジャン・フェラは1930年生まれ。ユダヤ人家庭に生まれ、父親はナチスに連行され、強制収容所で亡くなっています。共産主義作家のアラゴンに傾倒し、政治の批判もし、弱者に暖かい目を向ける人間愛に満ちたシンガーソングライターでした。

この曲は、故郷を捨てなければならなかった若者への共感を歌っているように私には思えました。3回繰り返されるリフレーンにそれを強く感じるのですが、その部分は日本語では消えてしまっています。日本では、主張があるシャンソンはヒットしないという配慮からなのでしょうか?


フランス語と日本語の歌詞の比較

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2014/07/25
フランス人は食べることと、おしゃべりを楽しむ国民だと思います。特に、ここは食道楽のブルゴーニュだから、その傾向が強いのかもしれませんが。

人を家に招いて一緒に食事するとなったら、食卓に座ったままで6時間たつ、さらには、昼ごはんだったのが夜中を過ぎてから終わる、というのも珍しくありません。

これが私には疲れる...。

延々とおしゃべりが続くので、毎回同じことをしゃべる人、私には全然関係ない親戚や知人の話しをされると、退屈してしまいます。

こちらはフランス語を聞くときには神経を尖らせる努力をするわけですから、興味深い話しをしてくれないと、聞いている気もなくなります。

この人がいると退屈しない、という友人がいます。会うたびに異なった話しをしてくれるので、時間が立つのも忘れてしまいます。

何でも知らないことはないのではないかと思ってしまう人。色々な職業をした人だからかもしれない。古民家の修復技術から、果てはミツバチとアブの違いまで、話題にするテーマの広さったらありません。子ども時代の話しをするにしても、ただ語るのではなくて、ひと昔前のフランス人のメンタリティーはそうだったのかと感心させてくれます。フランスの話しだけではなくて、盆栽の作り方のテクニックまで話してくれる...。

その彼が、前回に会ったときには、フランス式の包丁の研ぎ方のデモンストレーションをしてくれていました。先日、食事に招待したら、セラミックの包丁をお土産に持ってきてくれました。

包丁を研ぎ方から発展して、研ぐ必要がないセラミック包丁の話しが出て、私がまだ使ったことがないと言っていたからプレゼントされたのと思います。


切れるものをプレゼンするには躊躇する...

ナイフをプレゼントするのは難だけど... という感じで出してきて、小銭をちょうだいと言われました。それで10サンチームのコインを出しました。

ナイスは切れる。つまり、友情が切れることになるという言い伝えがあるのだそう。それで私にナイフを買わせたわけでした。

「日本でも同じことを言うよ。結婚祝いには包丁をプレゼントしない」と私。

「へぇ、同じなの」と、面白がっていました。

言ってしまってから、少しして気がつきました。ブログのコメントで、包丁を結婚祝いにすると縁起が良いのだと教えてくれた方があったのです。

話題が他にいっているのに、日本の迷信の訂正をするのも面倒なので、そのまま...。ごめんね。間違ったことを言ってしまった。でも、切れるものをプレゼントするには敬遠する日本人もあると思うので、良いか...。


そうして日がたったのですが、パソコンを開いたら、ふと目に入ってきた広告がありました。結婚祝いに包丁セットを贈るという商品。


なに、なに... と思って開いてみたら、こう書いてあります。

http://item.rakuten.co.jp/sakai/10000538/ 


でも、調べてみたら「結婚祝いに包丁を贈ってもいいの? 」というのがあって、包丁を結婚祝いにする場合には、少し言葉をそえた方が良いようでした。

http://www.hadukuri1ban.jp/jiten_mame.html#2 
包丁の疑問にズバリ答えます!_包丁辞典【マメ知識編】利光



ナイフはコインと交換するという習慣

フランスは、日本に比べると迷信が少ないと思っていました。私が覚えたのは、くしゃみをした人に対して、厄払いのように言ってあげる言葉くらいのような気がします。 

こう言います:
À vos souhaits ! あるいは À tes souhaits !
「souhaits(願い)」の代わりに「amours(愛)」と言う人もいる。


フランスでも包丁と「切れる」が結びついた迷信があるのは面白い。友人が迷信深いだけかもしれないので調べてました。

ライヨール(Laguiole)というフランスの有名なナイフメーカーのサイトにミュージアムのコーナーがあり、それについての記述がありました。

http://www.musee-laguiole.com/fr/traditions_laguiole.htm
   Légendes, rumeurs et traditions - Le musée du Laguiole
 

ナイフをプレゼントすると、贈った人ともらった人の間の友情や愛情を切る、という言い伝えがあるのだそうです。それを避けるために、プレゼントをされた人はコインを1枚渡す。

お金を出すという風習は、フランスだけではなくて、このメーカーの商品を買う近隣諸国でも同じなのを確認しているそうです。この風習がどこからきているのか知っている人があったら教えてください、とも書いてありました。
 
それでも、他のフランス人に聞いてみたら、この風習を知らないと答えた人もいました。


10サンチームで買ったセラミックナイフには「アゴ」がなかった

セラミックナイフをプレゼントしていただいたのですが、これは日本の商品が優れているはずだと思っていた私は、少し拍子抜け。これを発明したのは京セラではなかったですか?

いただいたナイフは3点セット。写真を撮ろうかと思ったのですが、同じアイテムの画像をいただけるので、それを入れます。

Pradel Premium 035 2 Couteaux Céramique + 1 Éplucheur

セラミックナイフを手にしたのは初めて。刃は厚ぼったいので、こんなもので切れるのだろうかと疑いました。ところが、後で肉を切ってみたら、スパッとよく切れる!


でも... 私がこの包丁が気に入らない点がありました。日本の包丁だと、下の図でいう「アゴ」があるのに、それがない。

包丁の各部名称(和庖丁)

この「アゴ」という部分はとても大事だ、と私は思うのですけど。これがなかったら、ジャガイモの芽などはどうやって取り除く?...

でも、フランス人には必要ない部分なのかも知れません。

日本の包丁の質の高さはフランスでも評価されているので、日本製の包丁をフランス人にプレゼントしたことがありました。ところが、こう言われたのです。

私があげた包丁は良く切れるけど、アゴのところで手を切ってしまうので不便だ。

どういう手の使い方をしたら、そんなところで怪我をすることになるのかな?...


日本で売られている包丁は、和包丁洋包丁に分かれて分類されていました。でも、日本製の洋包丁にはアゴの部分があることが多いのではないかと感じました。

洋出刃包丁を楽天市場で検索

フランスの家庭で最もよく使われるのはCouteau Chefというものらしく、その名前を付けて日本でもシェフナイフという名の包丁がありました。「牛刀」に相当するのだそう。それを比較して眺めてみます。

フランス製

Pradel Jean Dubost 50417 Massif Couteau Chef
日本製

やはり、日本製の包丁にはアゴがありますね...。


セラミックナイフの手入れ

プレゼントしてくれた友人は、このナイフは研いではいけないのだ、と注意を与えていました。

でも、セラミックナイフも研げるという電動シャープナーがあったのですけど。

実は、京セラの電動ダイヤモンドシャープナーをフランスで使って気に入っていて、日本にいるときにも欲しいと思って、この冬に探したのでした。

京セラダイヤモンドシャープナーを楽天市場で検索

ともかく、日本は世界の中でも包丁にこだわりがある国ではないかと思います。そもそも、「包丁」と「ナイフ」という言葉を使い分けるではないですか?

フランス語にはcouteauしかありません。料理に使う包丁も、食事するときにフォークと一緒に使うナイフも、couteau。



ブログ内リンク:
ライヨールのナイフ 2006/03/02
まな板を使わないフランス人たち 2009/09/08
★ 目次: 縁起物や迷信について書いた記事 (フランスを中心に)
★ 目次: プレゼントや土産物に関して書いた記事
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事

外部リンク:
包丁Q&A
包丁辞典 【マメ知識編】
刃物はプレゼントに向いているか?→向いてる
Offrir une arme blanche
☆ Wikipédia: Couteau
☆ Wikipédia: Arme blanche
セラミック包丁の基礎知識!

☆ L'Express: À vos souhaits!
Pourquoi dit-on à tes souhaits à quelqu’un qui éternue
☆ expressio.fr: Expression « A vos souhaits ! »


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