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2009/09/05
古い建築物を訪ねるのを趣味にしています。

スペインではパラドールに泊まるのが好き

スペインを旅行したときに最高の宿だと思っているのは国営ホテルのパラドール。修復維持費がかかる古城や修道院などを、スペインではホテルとして利用することによって保存しているのです。

フランスにも保存しなければならない歴史的建造物がたくさんあるのですから、そういう手段をとれば立派に保存できるところも多いと思うのですが、フランス政府もはそういうことをしません。

もちろんフランスにも豪華なお城のホテルはたくさんあるのですが、私は余り好きではありません。フランスでお城に泊まるなら、先祖代々住んでいる個人が所有している古城の方が雰囲気がありますので、そちらの方を好んで利用しています。

スペインのパラドールは、ホテルとはいえ、中世の雰囲気の出し方がみごとです。アルハンブラ宮殿のパラドールなど、こんなところに泊まれてしまうの?! という素晴らしいパラドールを色々体験しました。

パラドール巡りの旅行のとき、いっぷう変わったパラドールに出会ったことがありました。

立派な中世のお城がホテルになっていると思ったら、そうじゃない。ホテルにするには古城が廃墟になりすぎているので、そのお隣に中世に建てたとしか思えない建物を継ぎ足していたのでした。記憶は定かではないのですが、ハエンだったと思います。

みごとなアーチ型の天井があるサロンで、今の時代だって、建てようと思えば、こんな中世様式の石造建築物ができてしまうのだ!… と仰天しました。

そんなことがあってから数年後...。


現代に築く中世の城: ゲドゥロン城(Château de Guédelon)

フランスでも、そんな風に中世の様式で城を建ててしまうという話しが持ち上がったので、興味を持ちました。しかも、私が住んでいるブルゴーニュ。

「Guédelon(ゲドゥロン)」という、いかにも中世らしい響きを持つ名前を持つところに建築されるとのこと。

13世紀当時の建築手法で、中世の城を建築する様子を観光客に見せるというプロジェクトです。何もなかった森を切り開きだしたのは1997年。

先日の日記(サン・ファルジョー城)の持ち主が立ち上げたプロジェクトです。

ゲドゥロン城が一般公開が始まったら、さっそく行きました。2回か3回行ったのですが、工事は全然進まない。

中世風の服装をした人たちが働いていて、質問すると観光客にどんな仕事をしているのか教えてくれるので面白いのですが、こんなことをしていたら、お城ができあがるのには百年かかってしまうの?!

計画では2025年で城を完成させることになっています。でも、出来上がってしまったら面白みはなくなるので、計画が遅れるのは気にしないのだろうな… と思いました。

それでも、この夏、どこまで工事が進んでいるのか見に行くことにしました。
びっくり! もう、かなり工事は進んでいたのです!

2009年夏の様子

工事中の建物の中も歩きまわって見学できると知って、なお感激。

いや~、おもしろいです。古城を見学するとき、こういう風にして建築したのだという説明は聞くのですが、ここでは本当にそうやって作っているのだというのが分かるのです。

例えば、石を持ち上げる技術。
こんな原始的な道具を使っているのですが...

石を持ち上げる道具

木で作った大きな車輪のようなものに人が入って回すと、石がみるみるうちに上がっていきました。

石を持ち上げる道具


アミューズメントパークを作るというのではない。専門家も計画に加わって、本物の中世の城をつくっています!

石をアーチ型に積み上げた天井の手法を見せるスライドショー:
Montage d’une voûte d’ogives (salle basse de la tour de la chapelle)

2025年ころに城は完成するとのことですが、本当に予定通り完成してしまうかも知れない。でも、フランスのことなので、完成は延期されるのではないかと思います。遅れるのは喜ばしいことではないかな。出来上がっていく過程を見るのが楽しいのであって、完成してしまったら、現代に中世の技術で建築してみた城ということで興味は薄れますから。


中世の様子を見せる演出

城の敷地は工事現場ですが、あちこちに小屋がたっていて、城の建築に必要なものを作るデモンストレーションをしています。

屋根瓦をつくったり、石を四角く切りだしたり、セメントのようなものを作ったり…、色々な作業があります。

カゴを作っている人

ところで、フランスで古城を見学するときには、台所は人気スポットになっています。建築中のお城では、もう台所はできあがっていました。

城の台所

この女性は役になりきっていて、色々説明してくれました。中世の食べ物、それにまつわる語源など…。

「今夜は領主さまがお食事なさるので、朝から準備しています。ここは小さなお城なので、15人分だけ作ってるんですよ」

朝行ったらテーブルに鶏が3羽あったのですが、城の見学の最後にもう一度行ったら、鶏は串にさして暖炉にかけられて焼かれていました。

毎日暖炉の煙を浴びているので声がしゃがれてしまったとおっしゃっていましたが、お大事に~!


また行きたい

私たちが行ったのは夏休みのまっさかりなので、観光客がたくさんいました。

後で聞いたところ、ブルゴーニュで入場料をとる観光地としては2番目にランクされているとのこと。1番目はオスピス・ド・ボーヌ。世界遺産となっているヴェズレーも観光客が多いですが、あそこは無料なのでカウントされないのでしょうね。

観光シーズンを外して、ゆっくりと見学できるときに出直したいと思います。ガイドさんが説明してくれる見学もあって、じっくりと中世のお城の建築について話しを聞けるので。

ただし、冬の間はクローズしているので注意しなければなりません。いつだったか、冬に立ち寄ったときには、「十字軍に加わっているので休んでいます」とか書いたユーモラスな閉館の張り紙が出ていました!


ゲドゥロン城の建設にご興味がある方は、こちらのルポルタージュをご覧ください(1時間半のテレビ番組):


Guédelon renaissance d’un château médiéval Arte


ブログ内リンク:
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ
スペイン、パラドール巡り旅行 / 2012年3月

外部リンク(ゲドゥロン城に関して):
☆ オフィシャルサイト: Guédelon, un château-fort en Puisaye
☆ Wikipédia: Guédelon


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