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2018/01/05
パリ市から北に20キロほどのエクアン市に、立派な城があります。

16世紀に建設されたルネサンス様式のエクアン城(Château d'Écouen)で、ここは国立ルネサンス美術館 (Musée national de la Renaissance)になっています。


Château d'Écouen

このミュージアムには行ったことがあるはずですが、かなり前のことだろうと思います。何が陳列されているのか全く覚えていませんでした。このたび行ったら、見る価値が多いので驚いてしまいました。


エクアンのルネサンス美術館

それほど見学客が多くはないらしくて、美術館の中は人がまばらでした。広間に自分だけしかいないという環境で見学できるのは最高です。



見事なタペストリーもたたくさんありました。


Le dîner du Général


豪華すぎる作業台

下は、4.4メートルの長さがある作業台。



精密な金銀などの細工ができるシステムがあるのだそうです。

作業台とはいえ、美しすぎる彫刻や彫金などが施されているのを眺めただけだったのですが、ルネサンス美術館のサイトでは、3D画像を使って、この作業台がどんなものかを見せていました:
☆ Le banc d'orfèvre


骸骨が時を刻む?

小さなものでも、目を引くものがありました。



これは懐中時計のコレクションのコーナーなのですが、骸骨の頭の形のがある。こんなのを取り出して時間を見るとき、自分も遅からず死ぬのだ、などと考えたのかな?...


2つしか歯がないフォーク

昨年に「フランスの食事の歴史」と題してシリーズ記事を書いていたとき、気になったものの1つに フォークがありました。
フォークを使って食べることが定着するには、百年以上もかかった 2017/04/07

現代のフォークは歯が4本あるのが普通の形ですが、初めに登場したフォークは歯が2本しかなかったそうなのです。

食べ物を突き刺すくらいにしか使えない2本歯のフォークは、見つけ出した画像でしか見ていなかったのですが、このルネサンス美術館には陳列されていたのでした。

カトラリーのコーナーです。




サラマンダー

もう1つ、気になってブログで書いたものに、フランソワ1世の紋章がありました:
フランソワ1世のサラマンダーは、どちらを見ている? 2017/04/27

これも、この美術館で見ることができました。




ドア・ノッカー

このルネサンス美術科には何でもある感じ。しかも、私が何となく気になっているものがコレクションされている。

こちらは、立派すぎるノッカー。



この輪になっている部分を動かしてドアをノックするというもの。ドアが頑丈な木でできていると、手でトントンというわけにはいきませんから、こういうので音を出すわけです。

現代のフランスでも使いますけど、こんなに立派なものはめったにないです。私がブルゴーニュで住んでいる家にも、玄関のドアの外に付いていました。

フランスのネットショップで売っているドア・ノッカー、いろいろ

美術館では、このノッカーのことを「marteau de porte」と書いてありました。普通に使う単語として直訳したら「ドア・ハンマー」。フランス語では「heurtoir」とも呼ぶそうです。

英語では「door knocker」と言うらしいですね。これだと聞いただけでドアをノックするものだと分かる呼び名。


キリスト教関係

もちろん、教会に関係するもののコレクションもありました。



この聖母子像は、この地方によく似たものとして3つある、といううちの1つ。

下は、キリストの貼り付けをした棒。こういう風に、枝を切り落としたようなスタイルがあって、それの名前を教えてもらったのですが、忘れてしまった...。




ともかく、このルネサンス美術館には興味を惹かれるものがたくさんありました。余りにもコレクションの量が多いので疲れた。また行ったときには、気が付かなかったものもたくさん発見するだろうな...。

この日も写真をたくさん撮ったのですが、ブログには載せきれません。最後にエクアン城と美術館のコレクションを見せている動画を入れておきます。


Musée de la Renaissance



Château d'Écouen


これだけ見るものがたくさんあるのに、入場料はたったの5ユーロ(700円足らず)というのも嬉しい。3フロアーあって広いので、今日は1階だけ見学するとかにしたら、じっくり展示物を見れて良いだろうと思いました。でも、いつまた来れるのか分からないので全て歩いてしまった。

こういう所が近所にあると、家に泊まりに来た友達を案内できるので便利でしょうね。でも、この辺りは、すぐ近くにあるパリ国際空港に出入りする飛行機の通り道らしい。飛行機の騒音がひっきりなしに聞こえるのでした。城の中に入っていれば、ほとんどいえるほど聞こえてはこなかったのですけれど。でも、騒音がある地域には住んでみたくはないですね...。

それと、かなり大きな町なのに、エクアンにはまともなレストランがないのも欠点。パリが近いので、住民の人たちは町の中で食事しないのだろうか?

この美術館に行くために出かけたとき、とんでもないレストランで昼食をしてしまったことを書いたのですが、その続きを入れるのが遅くなってしまいました:
フランスのファミレス(?)を初体験 2017/10/30




ブログ内リンク:
★ 目次: 城について書いた記事ピックアップ

外部リンク:
☆ Wikipédia: Écouen
☆ オフィシャルサイト: Musée national de la Renaissance
ルネサンス美術館―エクアン城
☆ Wikipédia: Château d'Écouen
Visite à Ecouen – Cuisine et alimentation à la Renaissance
☆ Wikipédia: Heurtoir (porte)  » Door knocker



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コメント
この記事へのコメント
美術品
西洋美術への 造詣が皆無の ぼく
拝見するもの全てが ワオ ♪

>骸骨が時を刻む?
これは 
memento mori
時は過ぎる 己の死を忘れるな かな?

>2つしか歯がないフォーク
チェスの用語で 「フォーク」ってあるけど
これは ナイトが 二個の敵駒を捕れる状態
ナイトは四か所に効きがあるのに、、
この用語も食器のフォークが二枚歯だった
歴史に由来するもの かしら。。

>余りにもコレクションの量が多いので疲れた
たしかに 疲れますよね
ぼくは お気に入りの 一点の前で 
ただひたすらに ぼんやりと 佇んでいるのが
好き 他は無視
お気に入りの一点がないと そう
ただひたすらに 疲れ果てて しまうのだ♪

>こちらは、立派すぎるノッカー
真ん中に ユリの紋が 三個でしょうか
きっと由緒ある お屋敷で ドンドンなさってたんで
しょうね ♬

2018/01/05 | URL | たかゆき  [ 編集 ]
Re: 美術品
v-22 たかゆきさんへ

>memento mori

Wikipediaに「メメント・モリ」があり、時計の話しも書いてありました。「光陰矢のごとし」というのもあった…。

>チェスの用語で 「フォーク」ってあるけど

面白いですね。そういえば、道が2つに分かれている時も、フランス語ではfourchette(フォーク)と呼んでいたように思う。

https://fr.123rf.com/photo_47114252_droite-ou-gauche-une-fourchette-dans-la-route-dans-une-for%C3%AAt.html


>ぼくは お気に入りの 一点の前で 
>ただひたすらに ぼんやりと 佇んでいるのが
>好き 他は無視


それが賢いですね。私は欲張りかな。ミュージアムを見学するときは、ザ~っと見て回って、最後に気に入ったもののところに戻ってじっくり眺める、というやり方をすることが多いです。特別展のようにスペースが限られているところなら便利な方法ですが、ここのように広いと、階段を上がったりするのが面倒になってしまう。

>立派すぎるノッカー
>真ん中に ユリの紋が 三個でしょうか


ユリが3つなのでフランス王家だとは思ったのですが、アンリ2世の紋章で、エクアン城に付いていたようです。この城を建てたアンヌ・ド・モンモランシーはアンリ2世に仕えて親しい仲だったので、紋章を使えたのかな。
2018/01/05 | URL | Otium  [ 編集 ]
先日は、ご丁寧にありがとうございました!

ご存知とは思ったのですが、メメントモリといえば、ハンス・ホルバインの、「大使たち(二人の大使)」に描いてある、頭骸骨を思い出しますね。

昔々に買った、フェデリコ・ゼーリ著の「イメージの裏側」の表紙になっているのですが、右の大使の側面から、下方の歪んだ絵を見ると、小さな頭骸骨になって現れます。絵画に描いてあるリュートの丸い部分ほどの大きさに激変します。

本によると、
「この絵は本来、木製の突き出した額縁に入っていて、それに開けられた穴から覗くと、この頭骸骨が正確な比率を取り出すばかりか、そこには専ら頭蓋骨が現れるという仕掛けだったと推測されます。
それは、いろんな憶測からなされたような、奇妙な紙片やら何やらではなかったのです(もっと風変わりな憶測まで呼んだ)。」だそうなので、最初は、頭骸骨だとはわからなかったんですね。注文主のヘンリ8世や、側近の人々はわかっていたのでしょうけれど。

絵の横を通り過ぎて、振り返る時に現れるそうですが、正面からばかり見ていたんでしょうね。ダヴィンチの受胎告知も、右下から見るように描いてあるそうですが。

ユーチューブにも、頭蓋骨だとわかる画像がありました。大塚国際美術館にある、原寸大の陶板画の画像です。
https://www.youtube.com/watch?v=3Se5BKY_XU0

http://sakuda-clinic.com/doctor/2015/09/14/「大使たち」ハンス・ホルバイン/

でも、頭骸骨はあまり見たくないです。
身辺にあると、悪い気が寄ってくるそう??ですよ〜。(汗)

2018/01/06 | URL | フォルナリーナ  [ 編集 ]
ところで、
Meilleurs voeux の画像の樹木ですが、白い実がなっていますね、初めて見ました。名前を教えてくださいますか〜。よろしくお願いいたします。

エクアン城の主だった、アンヌ・ド・モンモランシー大元帥(公爵)。アンヌなので、女性かと思いました。ヘンリー8世とは、面識があったんですね。

モンモランシーって、どこかで聞いた??・・で調べましたら、
「イルドフランスにあるモンモランシーは、かつてさくらんぼの産地として有名で(今はサクランボの木々はほとんどない)、モンモランシー=さくらんぼ、というイメージは今も根強く、 ガトー・ モンモランシーなどといえば、さくらんぼのお菓子、と了解されるそうです。」という記事がありました。あ〜、お菓子だったのね・・(笑) でした。
2018/01/07 | URL | フォルナリーナ  [ 編集 ]
Re:
v-22 フォルナリーナさんへ

ハンス・ホルバインの「大使たち(二人の大使)」、興味深い絵画ですね。ひところ、西洋絵画の解読を読むのが好きだった時期に見ていたかもしれないけれど、記憶に残っていませんでした。

Wikipediaにも部分の画像が入っていたので眺めました:
https://fr.wikipedia.org/wiki/Les_Ambassadeurs

左側の男性はJean de Dintevilleだそうで、私がよくシャンパンを買いに行くオーブ県で面白い発音の村だと通るたびに思っていた村Polisyの領主様だったとか。ポリジー、ポリゾーという、掛け声みたいにゴロの良い2つの村が道路標識に出ているので面白いと思っていただけですが。あのあたりに歴史に残る人がいたとは思っていなかったので、それも興味深かったです。

>でも、頭骸骨はあまり見たくないです。
身辺にあると、悪い気が寄ってくるそう??ですよ〜。(汗)


私も骸骨を見るのは苦手です。少なくとも、身近に見てしまう環境には置きたくない。

最近、病気でやせ細ってしまった人を見て、本当に骸骨の姿(日本だと骨川筋衛門と呼ぶ)の姿になってしまうのだ... と感心(?)したところでした。こわ~い!

キリスト教文化では、骸骨に特別な思い入れがあるみたいですね...。そんなを見るのに耐えられる強さがあるのかな?...
2018/01/07 | URL | Otium  [ 編集 ]
Re:
v-22 フォルナリーナさんへ

>Meilleurs voeux の画像の樹木ですが、白い実がなっていますね、初めて見ました。名前を教えてくださいますか〜。

ヤドリギです。冬に枯れたようになっている樹木に、青々とクス玉のように付いていて、真珠のような実まであるので神秘的なのでしょうね。今はする人が少ないですが、新年を迎えるときには、門松のように家の入口のドアに飾る風習がフランスにはあります。これの下で「Au gui l'an neuf 」と言いながらキスをすると、その年に結婚できるとかいう迷信(?)もあります。

このブログでも、少し書いていました。

フランスの正月: 2. 門松のようなものがある:
https://otium.blog.fc2.com/blog-entry-944.html

やどり木の下で新年を祝うフランス:
https://otium.blog.fc2.com/blog-entry-1156.html

日本でヤドリギを見かけた記憶はないのですが、冬にフランスの田舎の景色を眺めていると、とても目立って、あちこちに見えます。これが木にできると、養分を吸われてしまうので、樹木は枯れてしまうらしいのですが、それでも縁起物?

>エクアン城の主だった、アンヌ・ド・モンモランシー大元帥(公爵)。アンヌなので、女性かと思いました。

フランス人でもそう思ってしまうらしくて、城の解説で彼の名前が出てくると、この時代には男性の名前として珍しくなかったのだと言っていました。

>「イルドフランスにあるモンモランシーは、かつてさくらんぼの産地として有名で(今はサクランボの木々はほとんどない)、モンモランシー=さくらんぼ、というイメージは今も根強く、 ガトー・ モンモランシーなどといえば、さくらんぼのお菓子、と了解されるそうです。」

モモランシーというサクランボの品種名は知りませんでしたが、確かにフランスの古い品種として有名らしいですね。

http://www.pepinieresjabouin-varietesanciennes.com/Produit-pepiniere/Arbre-fruitier/cerisier.html

私は酸味が少ないサクランボの方が好きですけど、ケーキにしたらおいしいかな?...

私が果物の品種名で驚いたのは、日本でできたラ・フランスでした(笑)!
2018/01/07 | URL | Otium  [ 編集 ]
ありがとうございました。ヤドリギでしたか!
最近、ある番組で、大木の枝垂れ桜(60年前に植樹)に寄生して丸っこくなったヤドリギを撤去するところをみました。こういう実がなるんですね。それにしても、どうしてあんな高いところに・・と思っていましたら、こういう記事がありました。

「キスしてくださいの花言葉は、現在でも有名な、クリスマスにヤドリギの下でキスをする、という風習にちなんでいます。
古代ヨーロッパのケルトという民族が、木々に寄生するヤドリギを見て、何か神聖なパワーがあると考え始めたことが由来です。

ヤドリギの実は、粘り気があります。これは自然界で生息する上でとても大切で、鳥がこの実を食べ、排泄時に粘り気があることで樹木に種が張り付くのです(ケヤキ・エノキ・サクラ)。」だそうで、へぇ〜〜でした。

ラ・フランス、不思議にも思っていませんでしたけれど、フランスの果物がル・ジャポンだったら、あれ?って思うんでしょうね。(笑)

大使Dintevilleのモットーは、Memento mori だったそうですね。
Polisyをフランス語翻訳(→日本語)したら、ポーランド語からの変換になり、ポリシー(例・・私のポリシーです)になりました。
2018/01/08 | URL | フォルナリーナ  [ 編集 ]
大使たちについて、記事を読みました。

「描かれているのは、フランス司教ジョルジュ・ド・セルヴ(25歳)とフランス大使ジャン・ド・ダントヴイユ(29歳)の二人の男性です。(こんなに若かったとはビックリしました)
ヘンリー8世はアン・ブーリンと結婚し、戴冠式に出席したのが 《大使たち》 に描かれている、フランス大使ジャン・ド・ダントヴイユです。」

「ジャン・ド・ダントヴイユは、フランス国王から 『イングランドとローマ教皇庁の関係修復』 という密命を受けていたそうです。
密命を受けてやってきたイングランドで、旧友であるフランス司教ジョルジュ・ド・セルヴと出会ったところを、ハンスホルバインに描かせたのが 《大使たち》 というわけです。

ジョルジュ・ド・セルヴは、絵が描かれた当時は主教(司教?)だったが、
後日ベネチアに派遣され、フランス大使となったため、タイトルが「大使たち」と命名されたのである。
彼らは 当時29歳と25歳だった。その歳で大使と主教に任命されたことから、順風満帆な出世街道を進むフランス最高のエリートであったと推測できる。」

http://art-yes-art.seesaa.net/article/113153172.html
https://blogs.yahoo.co.jp/ynanamama/25997916.html
2018/01/08 | URL | フォルナリーナ  [ 編集 ]
Re:
v-22 フォルナリーナさんへ

>ヤドリギの実は、粘り気があります

ヤドリギの実は粘々した液が入っていてタチが悪いのですが、これが木の幹に生えさせる原因でしたか。幹にたくさん出来ているのも、鳥が食べるとドンドン増やしていってしまうのでしょうね。

>フランスの果物がル・ジャポンだったら、あれ?って思うんでしょうね。

そういえば、和紙(特に局紙)のことをフランスではル・ジャポンと呼んでいましたね。でも、これは日本から入った紙だからジャポンで良いけれど、ラ・フランスの方はフランスの品種とは関係ないのですよね。

大使たちについての解説も、どうもありがとうございます。
2018/01/10 | URL | Otium  [ 編集 ]
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